「読む力」はこうしてつける

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  • 新評論
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794808523

作品紹介・あらすじ

自分や他の読み物や世界とのつながりを見いだす、イメージを描き出す、質問をする、著書が書いていないことを考える(行間を読む)、何が大切かを見極めて他の人に説明する、様々な情報を整理・統合して、自分なりの解釈や活かし方を考える、自分の理解をチェックし、修正する。「優れた読み手が使っている方法」を紹介・解説。

感想・レビュー・書評

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  • リーディング・ワークショップやりたい。こういう授業をやりたい。とてもやりたい。

  • 読むということを学びに繋げる本。実際には本を読ませて学ばせる立場にはないが、子供が出来たら沢山本を読ませてあげたいなと思わせられた。

  • 学生の時に、この本のような授業をして欲しかったと思える作品。

  • 「優れた読み手はどんな方法を使って読んでいるのか」
    1自分や世界とのつながりを見出す
    2イメージを描き出す
    3質問をする
    4推測する(つまり「行間」を読む)
    5何が大切かを見極める
    6自分なりの解釈をする
    7自分の理解をチェックし、修正する。

    フォトリーディングとマインドマップのスキルアップの助けになりそうだ。

  • うーむ、非常に参考になった本である。同時に、こうした授業をどのように自分の授業に活かしていくか、課題を突きつけられたような気がする。
    読者反応理論を十分に理解させてくれたのも、この本である。
    研究に大いに役立つ。

  • 価値ある情報を選択する力。
    情報の信ぴょう性を見抜く力。
    何が大切かを見出す作業は質問から始まる。
    そもそも何のために読むのかという目的が大切さの判断に大きく作用する。

  • あなたが受けた国語の授業を思い出してほしい。たいていの場合、教科書または教師が選んだ文章(または本の一部)を全員で読んでいくという授業だったのではないか。あまりにそれらの授業に慣れすぎて、それ以外の国語の授業スタイルを想像しにくいほどだ。

    しかし、その授業スタイルで、「読む力がついた」と自信を持って言える人は、どれほどいるだろう。

    この本「「読む力」はこうしてつける」の根底に流れているのは、そのような国語教育の在り方への批判意識だ。その代わりに、筆者はアメリカで多くの実践の蓄積があるワークショップ型の読みの授業(リーディング・ワークショップ)を提案する。そして、そのリーディング・ワークショップの中で教えられるべき様々な「読みのスキル」と「そのスキルを身につけるためのレッスン」が、この本の中核的内容にある。

    少なくとも日本の国語教師にとって、この本は読むべき価値がある。それは、僕らのこれまでの「当たり前」の実践を相対化し、「一つの文章を全員で読み進む」スタイルではなく、「皆が自分の読みたい本を読み、その中で読む力を伸ばす」スタイルの授業の具体的なあり方を見せてくれるからだ。すでにこの著者が翻訳した「リーディング・ワークショップ」「ライティング・ワークショップ」「「考える力」はこうしてつける」などの関連書籍と一緒に読めば、なお効果的だろう。

    しかし、僕がこの本に全面的に賛同しているかというと、そうでもない。この本で紹介されている「読みのスキル」は、みな「優れた読書家が自然に体得して実際に使っている様々な読みの方略(方法・戦略)」である。いわば「良い読書家になるには、彼らが実際に使っている方略をあらかじめ教えてしまえばいい」というアプローチなのだ。

    ここで問題になるのは、優れた読書家がそうなるに至った理由が、「その方略を知っていたから」なのか「その方略を自ら思いつき、体得したから」なのか、今はまだ判然としていないという点だ。もし優れた読書家がそうなるに至った理由が、方略についての知識の有無ではなく、自らその方略を獲得するに至るプロセスにあるのだとしたら、この、「方略をあらかじめ教えてしまう」アプローチはあまり意味がないことになる。

    また、こうした方略を先に教えてしまうことで、かえって読書への集中を妨げてしまうという批判の声もある(Nancie Atwell "Reading Zone")。読みの方略を教えるこのようなアプローチは、認知科学の成果という一見「科学的な装い」をしているだけに、その有効性についてはかえって警戒しながら読む必要があると思う。

    とはいえ、この本が非常に実践的な本であり、多くの国語教員にとって刺激的な一冊であろうことは間違いない。参考文献や、授業で使える絵本などの紹介も豊富である。ぜひ手元に置いておきたい一冊だと言えるだろう。また教員だけでなく、読書好きの人が自分の読みのスタイルを点検したり、新たな読み方を意識的に使ってみたりするのにもよいかもしれない。


    (※注記  僕は個人的にこの著者を知っているし、それどころか彼の影響を受けてワークショップ型の国語の授業を行っている。そのような立場からの感想であることを念頭に置いて読んでほしい)

  •  教育現場での子どもの読書力の培い方。
     読んだものを個人の知識や経験と「関連づける」、理解を深めるために「質問する」、言葉から「イメージを描く」、行間の意味を「推測する」、「大事なことを見極める」、書かれたことを自分なりに「解釈する」。
     優れた読み手が読書中に自然に行っているこれらの作業を子どもたちに促す仕組みを作ることで、子どもたちの読書力を高めることができるという。
     このような形での学びの場をコンスタントに設定するのは実際には難しい部分もあるだろうが、学校でも是非とも取り入れていってほしい。

  • 学校図書館司書教諭講習で紹介された本。

    試しに図書館で借りてみたが、「読書する本」というよりも「資料として手元に置いておくにふさわしい本」だった。
    参考資料が多数掲載されているのでありがたい。

    冒頭で「教科書」を否定されてしまうので、授業改善を目指す教員としては「どうすりゃいいんだ!?」状態からスタートした。それでも、教科書を利用した応用編レッスンも紹介されているので、それを試すといいかもしれない。
    また、国語力の向上というよりも、純粋に「読む力」を日常を通して高めることを目的に考えた方がいいと思う。

    今回は図書館で借りたので、期間が限られており読んだことを消化することができなかった。また、本書一冊で完結するものではなく、著者の他の翻訳書も読まないといけないので、時間のない人にはお薦めできない。

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著者プロフィール

『学びの中心はやっぱり生徒だ!』『みんな羽ばたいて――生徒中心の学びのエッセンス
(仮)』『成績をハックする』(すべて新評論)と併せて読むと、この本の理解が一層増
します。実践記録や質問等は、pro.workshop@gmail.com 宛にお願いします。

「2023年 『聞くことから始めよう!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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