まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの) (文学のおくりもの ベスト版)

  • 晶文社
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本棚登録 : 195
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794912435

感想・レビュー・書評

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  • ものかきにできることを考える。こういうことだ、ってほんとうにそう思う。子爵が、まっぷたつで、でも生きて帰ってきて、それが悪いほう半分だけ、帰ってきた、だなんて!ああ!
    ちなみに手元にあるのはこのちょっと残念な表紙の本(ベスト版)、ではなく、1971年初版、同じく晶文社刊のものです(ISBN4794917627)。

  • うむ。カルヴィーノだ。全く

  • う〜ん。
    何かに触れられそうなのだけど、触れられない。何かが分かりそうなのだけど分からない。著者の言葉をどこか把握できない。自分の言葉にできない。
    一言で言ってしてまえば、「読み解く」ことができなかった本である。

    ただ、終わり方が悲しい結末なのは分かる。
    まっぷたつとなり、完全なものになれば、世界の半分を失い、一つとなって不完全になれば、「完全な鈍さ」のなかで生きていかざるをえない。
    私はまっぷたつになりたいのか。それとも一つでいたいのか。読んでる間中、その二つの気持ちは揺れ動いて、読んだ後も答えのない問い、こころの棘としてここにある。

  • 内容は最高だけど、この表紙は・・・がっかりだ(w)

  • 「われらが先祖」三部作の第一作。戦争でまっぷたつになってしまった子爵が、生まれ育った村に帰ってきた!という設定はきわめてメルヘンチックであるが、この根底にある著者の問題意識は結構深そうである。主に論じられるのは善悪の問題であるが、それ以外にもこれが執筆された冷戦時代の風刺にもなっているようである。とはいえ、深く考えずに読んでも面白く読める。

  • 戦争から帰ってきたら、身体が二つに分かれてしまって、それぞれが悪い心と良い心を持っているものだから、周りの者は混乱に陥れられる。まるでキカイダーが半分に分かれて、悪いほうといい方に分かれちゃった、ってところでしょうか(違うか)。戦争と人間性について想像力豊かに語りかけるこの作品は、高校生くらいまでの人にぜひ読んでもらいたいと思いました。というか、そんな頃に出会っていたかったよ。(感想文も書き易そうだし)

  • お金が余ってたら配って歩きたい。

  • 学生時代、大人しい後輩が「不在の騎士」という本を読んでいて、「それは騎士の家をいつ訪ねても留守って話?」なんてひどく茶化したのを覚えてますが、読んだら面白かった!そんなカルヴィーノの作品でも、とりわけこの本は好きです。戦争で真っ二つに体を割られた子爵、善と悪の心も真っ二つに割れて、二つの体に分かれてしまった、という話。独創的で、童話のように読みやすい!

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著者プロフィール

イタロ・カルヴィーノ(Italo Calvino)
1923 — 85年。イタリアの作家。
第二次世界大戦末期のレジスタンス体験を経て、
『くもの巣の小道』でパヴェーゼに認められる。
『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』『レ・コスミコミケ』
『見えない都市』『冬の夜ひとりの旅人が』などの小説の他、文学・社会
評論『水に流して』『カルヴィーノの文学講義』などがある。

「2021年 『スモッグの雲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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