つけびの村  噂が5人を殺したのか?

  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794971555

感想・レビュー・書評

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  • 2022/7/31

    読みにくい。
    事件のこと分かるようで分からない。


    被告の手紙を紹介する部分で、被告の要望だけ抜粋し「無遠慮な人間」だとイメージさせ、記者もそのように言う。
    しかし実際の手紙の画像に「申し訳ない」という言葉を見つけ、イメージが変わる。

    取材対象者についても「小太りの女性」「ずんぐりむっくり」「怒鳴る」等マイナスイメージばかり。

    記者の気持ち先行な印象。

  • 取材に基づくルポですが、まるで民俗学系のホラー小説のようです。住民のグロテスクな怖さや妄想世界を覗き見る不安感、真偽不明の怪異に信仰話などが入り混じり、読後はぐったりです。書籍内である人物が亡くなったあとの住民の反応には心底冷え冷えしました。

    題材となるのは、住人が10数人の山口県の集落で5人が殺害された事件。犯人は「うわさ話ばっかし、うわさ話ばっかし」という言葉を残して、妄想の世界に閉じこもります。裁判では被害妄想に基づく犯罪だとして、犯人の責任能力の有無などが焦点となりました。

    しかし、著者の取材によって、集落の中ではえげつないほどのうわさ話が蔓延していたことが事実だと判明。互いが互いの見えないところで悪口を言い合う風習が根付いていると明らかになります。犯人は出戻りで集落に溶け込めず、うわさ話の格好の的になっていたようです。
    そうした環境から逃げられなかった犯人が行き場をなくして妄想を広げ、事件を起こしたのかもしれません。

    閉鎖的な集落の怖さという面はもちろんあるのですが、指摘している方もいるように、近年のSNSの普及によって全世界がこうした村社会になってきたと感じる怖さの面もあるように思います。本人たちにその気がなくても、うわさ話で他人を攻撃し、追い詰めてしまうケースは少なくないのではないでしょうか。

  • 村人が重々しく引っ張ったオチが神社の祟りで萎えた(´・ω・`)

  • 小さなコミュニティ特有のみえない気持ちわるさが文字を通して伝わってきた。集落に関わる人の聞き込みと同時に関連する歴史も追求されていておもしろかった。

  • ネットだけで十分
    本の価値なし

  • 故佐木隆三さん、加賀乙彦さんの講演や著書を通じ、数々の殺人事件とその犯罪者である死刑囚にまつわる法廷ルポ並びに獄中診療に触れてきた。死刑の執行なり犯罪被害者と遺族の尊厳なりについて、その思いはときどきに揺らぐ。ただ、こうしたルポライターが生業として残り、伝え続けてほしいと願う。そのルポの質については、どんなに優れているようでも著者の主観が入る以上、あえて「話半分」にとどめるのも必要に思う。しかし、本件についてはよく現地にひとり足を運び、訪問取材したものだ。というと住民に失礼ながら、言い知れぬ不気味さが伝わる。

  • 山口県山奥の、地理的にも人間関係的にも、とても閉鎖的な集落で起きた放火・殺人事件を取り上げる。
    5人も亡くなった事件それ自体ももちろん大変恐ろしい。そして村の中で語られ、大変な速さで広がる「うわさ」もまた恐ろしい。
    けれど、田舎の山奥の集落の闇として片付けてしまうことも出来ない。
    現代の僕らのコミュニケーションはTwitterやLINEなどSNSを使って物凄い速さで行われている。時としてフェイクも混じりながら、元ソースの確認もせずにすごい速さでニュースが広がっていく。はたしてそれは、このつけびの村の「コープの寄り合い」で行われていたあのうわさ話と違いがあるだろうか。金峰村とSNSは、もしかしたら地続きなのかもしれない。

  • 話の展開が遅く、そうだったのかという面白味もなく、最後の方はパラパラとめくって読了した。なぜこの本が評価されるのかが理解できなかった。

  • なかなか面白かった!
    noteで読んで続きが気になったので、手に取ってみましたが自分には読みやすい文章でするする読めました。
    やはり書籍の方が読みやすいし、話もすぐに遡れるから好きだなあ〜紙媒体最高。
     
    事件自体記憶に薄く、覚えてることなんて張り紙にやたら食いつく人が多かった事くらい。

    村人の会話を取材時は録音してるからか、そのまま使われていたのが良かった。方言とか口癖もそのままで、分かりやすくする為手を加えずに掲載してくれたのも好感度上がりました。

  • ノンフィクション本大賞にノミネートされていたので読んだが、真相にたどり着けない筆者のまよい、つかみどころのない、いろんな人のひとことひとことに翻弄されてなんだか終わってしまった。ルポのようで、なんだか現代の民俗学的な文章のようではある。
    少なくとも、この本を読まないと知ることのなかった、幾重にも折り重なったうわさにまとわりつく薄暗い感情と、過疎の村で筆者が肌で感じた独特の感覚は、忘れることはなさそうだ。

    (最後まで食い入るように読めなかったのは、人の噂話そのものに関心がないわたしの性分かもしれない。SNSだろうと、村の中だろうと、嘘かまことかわからないうわさのような、不確かなことばは、人の心の奥の孤独な部分に語りかけていくのだろう)

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著者プロフィール

高橋 ユキ (たかはし ゆき)
1974年生まれ、福岡県出身。
2005年、女性4人で構成された裁判傍聴グループ「霞っ子クラブ」を結成。現在はフリーライターとして、裁判傍聴のほか、様々なメディアで活躍中。

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