人志とたけし: 芸能にとって「笑い」とはなにか

著者 :
  • 晶文社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794972460

作品紹介・あらすじ

すべてが「ネタ」化する日常。
なぜ、芸人が「現代の象徴」になっているのか?
2020年、お笑い界に巻き起こった「地殻変動」とは。

noteでも大反響! 
鋭利な視点で、お笑い×芸能から社会を読み解く。

[対談収録]
・九龍ジョー氏
・マキタスポーツ氏
・矢野利裕氏
・西森路代氏

第1章では、2019年夏にnoteで大反響を引き起こした批評文、
「松本人志についてのノート」を軸に、松本の「わからなさ」と笑いの深層に迫っていく。
一方で対極的なあり方をしているビートたけし/北野武について
「芸能界の王様と道化」を一人二役的に演じてきた状況に
吹き込む虚無的な風の行方を探る。芸能の臨界点はどこにあるのか。

第2章では、九龍ジョー氏、マキタスポーツ氏・矢野利裕氏、西森路代氏との対談により、
さらに現代のお笑いや芸能界の実情をより複眼的・立体的に思考する。

感想・レビュー・書評

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  • 帯に書かれていたお笑いから社会を考察する!
    みたいな内容に惹かれて手に取ったものの
    前半結構、松本人志と北野武の映画批評だった
    両監督作品はあまり見て来なかったので
    正直、凄く読みづらい部分があった
    (自らの読解力の無さが露呈した)

    ただ後半の対談に移行するに連れて
    知っている芸人の名前が増えて
    内容が理解出来るようになった

    松本人志のお笑いに対して
    疑いの念を抱いたことが無かったので、
    本書を読んで見る目が変わった

    LDHのメンバーが、自分のものとは少し違う
    キャラを演じることで、痛みなくパフォーマンスできる
    という記述に気づきを得た

  • ここ2~3年自分のスマホにプッシュされてくるトピックスに「松本人志、…」ってのが増えているのはワイドナショーでの発言による効果なのかもしれません。松本人志、今や芸人のトップオブトップということでは語れない得体の知れない存在感を発揮しているのはうすうす感じていました。自分にとっては距離感なのですが、著者にとっては違和感なのでしょう。「人志とたけし」という書名の割には松本人志に割いているエネルギーの分量が多いようです。なるほどNSC一期生であることによって師匠のいない松本人志と、古今亭志ん生への憧れを公言し芸能を縦のラインで考えているビートたけし、という構造に納得を感じました。そういう意味では縦の流れへの嫌悪という意味では松本人志の志向の方がロスジェネ以降とシンクロするのかもしれませんね。自分としては、お笑い第七世代の時代性とか、ハラスメントとかジェンダーとか込み入ってきた時代のお笑いの分析をしている最終章が興味深かったです。この本で初めて、ヒコロヒーとか蛙亭とかラランドとかの動画見ました。彼らのネタのすごい作り込みにびっくりしています。お笑いも女性が変えていく?

  • 芸能に関する違和感が少し払拭された気がする。
    面白かった。前半は難しい

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著者プロフィール

杉田 俊介 1975年神奈川生。批評家。『宮崎駿論』(NHKブックス)、『ジョジョ論』『戦争と虚構』(作品社)、『無能力批評』『ジャパニメーションの成熟と喪失』(大月書店)、『橋川文三とその浪曼』(河出書房新社)、『神と革命の文芸批評』(法政大学出版局)ほか。

「2023年 『対抗言論 反ヘイトのための交差路 3号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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