壁の中の嘘と秘密 (ガッシュ文庫)

著者 :
  • 海王社
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本棚登録 : 137
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796404709

感想・レビュー・書評

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  • 名家の子息ばかりの全寮制男子校、屋根裏部屋、天体観測。このワードでこの作者さん、面白くないわけがない!と、先に読んだ先生同士のスピンオフも面白かったので期待値大で読みましたが、やはりとても良かったです…!

    攻めである花塚視点だし、頑なすぎる昴は単に素直になれないだけだと思って読んでいたので、夏休みに昴の妹が寮に忍び込んでからの展開は衝撃であり、とても辛いものでした。真実を知ってどんどん傷ついてゆく花塚が可哀そうで…。
    「好きだ」と本音を伝える昴に「嘘だ」と信じない花塚の、はじめてふたりが身体を重ねるシーンでは、号泣。切ないベッドシーンランキング1、2位を争うほどの切なさでした。(「SHOOWA先生の「パパ’sアサシン」の3巻と甲乙付け難く…)

    壁の外での再会はわりとあっさり果たされるのだけど、壁のなかでお互いたくさん悩んでたくさん傷ついたんだから、エンディングはあれでよかったんだろうなあ。

    スピンオフで、夏休みの間の先生たちが子供の喧嘩みたいな言い合いを繰り返していて(あちらはあちらで大変だったけど)、端で見ている生徒たちは何とも思わないのかしらと不思議に思っておりましたが、こちらを読んで、子供たちの方も複雑で繊細な悩みを抱えて過ごしていたことを知り、そりゃ先生たちのことになんか気にしてらんないよね!と納得したのでした。

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