ペトロバクテリアを追え!

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796621991

感想・レビュー・書評

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  • 20181021 読了
    由美子は彼のどこに惹かれたのかな? ボソッ。

  • 中東にある国の洞窟から採取した微生物(バクテリア)を研究していると、
    物質を石油と同等の物質に変化させることを発見した。

    しかも、天然の石油よりもクリーンで、好きなだけ石油を生み出せる。
    夢のような発見。
    夢のような情報に原油市場は反応し、 産油国はその情報に青くなり、
    暴挙に出ようと試みる・・・。

    しかし、そのバクテリアはとんでもない能力まで持っていた・・・。

    本当にそんなことが出来れば、資源の乏しい日本にとってはありがたい話。

    ガソリン車などで化石燃料の直接消費(1次エネルギー)をやめて、電力という2次エネルギーが
    主力なっていくと考えられていた日本は今後どうなっていくのでしょう・・・。

    この本は基本サスペンスなのですが、時勢とあいまってそんなことを考えてしまいました。

    水素と酸素の結びつきで電力をえる燃料電池というものもありますが、
    結局水素を得るのに電力を必要とするしあくまでも蓄電的なもの。

    今の技術で安定的に常時電力を得る方法は、水力・火力・原子力・・・。
    水力は、水の落下エネルギーを電力に変える方式で、貯水が十分に得られない場合は、
    発電できないし、火力発電は化石燃料や天然ガスが必要だし、CO2の問題もある。
    (化石燃料の枯渇問題や供給問題、価格の問題もある)

    原子力(核分裂)に至っては、安全に運用されているうちは良いのだけれども、
    福島原発のように電源喪失で制御不能に陥り、世界中に影響を及ぼす危険性があったり、
    耐久年数を過ぎた後の廃棄の問題も出てくる。

    仮に、今回の福島原発の事故を受けて世界中で一斉に、原子力の使用を中止して、
    石油や天然ガスにシフトしたら、石油や天然ガスの市場は高騰して(・・・事実高騰してきてる。
    原発だけの問題じゃないけど・・・。)電気料金にも跳ね返るし、
    車もつかえなくなる・・・。
    CO2の排出だって増えるし。

    かといって、原子(核分裂)炉はしばらく増やせるわけは無いし、むしろ、減っていく可能性が高いし。

    現代社会で電力は欠かせないエネルギー。
    バカ高い石油や天然ガスを利用して、火力発電を増やし、
    子孫にCO2過多という負債を残すか、
    莫大な建設費用と周辺住民の犠牲によって作られるダム式水力発電に頼るか、
    危険なことを承知で、原子力と共存するか、
    便利さを捨て、灯火管制などの電力使用制限を受け入れるか・・・。

    震災の復旧・復興、想定されている巨大地震・巨大津波への防災・減災と併せて、
    エネルギー問題も考えないと駄目ですね。

    小説のように石油を好きなだけ生み出せる技術でも生み出されれば良いんですけどね。

  • 石油生成細菌を巡る研究開発と石油利権に絡む謀略を描いたクライムサスペンス。普通におもしろかったです。

  • 熱や圧力によって有機物が気が遠くなるほどの期間を経石油になることから

    石油を精製するバクテリアを発見しその遺伝子を操作して短期間に石油を作り出すことができるペトロバクテリアを巡って科学者山之内明を中心に石油メジャーやオペックが暗躍、
    石油の価格や世界の経済を背景にストーリーが展開してまるで映画をみたあとのような読後感だった。

  • バクテリアに関するもので、これも一気に読んでしまった。よませるのが、うまい。

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著者プロフィール

一九四九年、岡山県玉野市生まれ。九四年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、九九年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他に『ダーティー・ユー』『ミッドナイトイーグル』『M8』『TSUNAMI津波』『東京大洪水』『風をつかまえて』『乱神』『衆愚の果て』『首都感染』『首都崩壊』『富士山噴火』『日本核武装』『神童』『ハリケーン』『官邸襲撃』『紅い砂』『決戦は日曜日』など著書多数

「2022年 『落葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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