チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
- 宝島社 (2007年11月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796661638
作品紹介・あらすじ
東城大学医学部付属病院で発生した連続術中死の原因を探るため、スタッフに聞き取り調査を行なっていた万年講師の田口。行き詰まりかけた調査は、高階病院長の差配でやってきた厚生労働省の変人役人・白鳥により、思わぬ展開をみせる。とんでもない行動で現場をかき回す白鳥だったが、人々の見えなかった一面が次第に明らかになり始め…。医療小説の新たな可能性を切り拓いた傑作。
感想・レビュー・書評
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H31.1.30 読了。
・ドラマ化、映画化され、このミス大賞にも輝いた作品だけあって、面白かった。田口講師と白鳥技官のコンビがいい味出してますね。続編も読みたい。
・アクティブ・フェーズ“説得”に対応する技術。主な使用者は白鳥圭輔。相手の核心を突いて、相手が怒るかどうかのラインで情報を収得する。基本的に相手が本気で怒ってはいけないとされる。
極意その1相手が怒るか怒らないかギリギリのところで持ちこたえる。極意その2ガツンとやる前に、隠れる物陰を確保しておくこと。極意その3用件が終了したら長居は禁物。極意その4複数同時聴取で反射情報をからめ取れ。極意その5身体を張って情報をゲット。極意その7反射消去法。極意その8弱点を徹底的に攻めろ。極意その9最後に信じられるのは自分だけ。極意その10すべての事象をありのままに見つめること。極意その11強大な相手には次元を変え、ホットスポット(戦いの焦点)を移動させよ。極意その12とどめを刺すまでは油断大敵。
最終極意すべての事象をありのままに見つめること。
・「もっと自分の頭で考えなよ。先入観を取り除いてさ。」 -
病院で発生した連続術中死の原因を探るため田口が聞き取り調査をはじめます。病院調査にもかかわらず、エンターテイメント性が大きく感じるため、映画やドラマにするには最適な作品のようにも思いました。
登場人物がたくさん出てきますが、結構特徴ある人物が多いため、底まではきになりませんでした。なんとなく分かる程度で話を読み進めていけます。
真相に近づくにつれちょっと難しい内容も出てきますが、一気に最後まで楽しく読み進めれる作品でした。
ミステリー小説というカテゴリー??っとはっきりとは言いがたい感じはしました。 -
火喰い鳥、ロジカルモンスターの白鳥圭介の初登場!
厚生労働省大臣官房秘書課付技官 兼
医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長
この肩書きを聞くとワクワクする。こんなに画数の多い肩書き、白鳥以外に存在するのだろうか。
上巻では田口の聞き取り、パッシヴ・フェーズに徹していた調査だったが、下巻では白鳥の登場によりアクティヴ・フェーズへと変わっていく。
白鳥の言動はかなり荒く、忌み嫌われるようなものばかり。どこにいても嫌われ者、例えるならばゴキブリ。同席させられる田口が気の毒である。
仕方がない。白鳥の行うアクティヴ・フェーズは相手を怒らせてなんぼの調査。怒りによって、見えていなかった顔が見えてくる。
ドラマでの仲村トオルさんのようなダンディさは1ミリも感じ取れないが、白鳥の本質はそこではない。
高階病院長や桐生、田口と望む未来は同じなのだ。今目の前にある消えそうな命を救いたい。ただそれだけ。
変人役人の白鳥。悲しいかな、あなたのような真っ直ぐで正直な役人は多くない。
上巻にあったある文を思い出す。
"手術の場は、掛け算に似ている。他の人たちがどれほど大きい数字でも、ゼロが一人いれば、全部ゼロだ。マイナスが一人いれば、数値が大きいほど悪い。かと思うと、マイナスが二人いると、今度は大きなプラスに変わる、こともある"
栄光のチームバチスタは綱渡りのような奇跡を続けていた。皆が必死に守ろうとしていたチームはあるマイナス因子によって崩れていく。
解決後はまたゆっくりと時間が流れていく。
高階病院長が田口をお気に召しているのは、自分と似ているからだろう。全てを受け入れられる"お偉いさん"も多くない。
田口と高階、田口と白鳥、田口と藤原、田口と桐生。やられっぱなしの田口ばかり、ではないのが面白い。ちゃんと反撃しちゃう。
Bravo!
ドラッグラグや小児心臓移植など、日本の医療は最先端な部分と承認されていない部分の差が激しいように感じる。
リスクの高さが壁となって世界との差があるのだろうけれど、当事者からすると世界では認められてるのになぜ日本にいるだけで…となるのは当然だろう。
私がバチスタシリーズに出会ったのはドラマなので、15年ほど前。そして初読は中学生頃だったはずなので10年ほど前かな。
医療知識0だった私がハマったのは海堂先生の文章があまりに丁寧で易しく読みやすかったからだと、3年間基礎医療を勉強して再読した今よく分かる。卒業して医療の道には進まなかったので、懐かしい〜!と思い出しながら読むのが楽しかった。
目指せシリーズ全制覇! -
10年くらい前に読んで以来の再読。
白鳥&グッチーのペアはやっぱり面白い。
ただ、映像化されて白鳥がスマートな印象になってしまってるので、小太りな白鳥が想像できない(笑)
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心臓手術チーム、チーム・バチスタに起こった連続術中死について、不定愁訴外来の田口さんと厚生労働省の白鳥さんがその謎にせまる‥。このコンビだから楽しく読める!ドラマでもはまだ観ていないので、観たくなりました。
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田口を上回る変人キャラ白鳥の登場にエンタメ感が一気に増して、痛快で面白く一気に読了^^
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登場人物の魅力や、専門用語に圧倒されるだけでなく
推理小説としてのストーリーも上手にまとめられていて素晴らしい作品でした。
また、ところどころで著者の聡明さが伺える言葉が使われているのも個人的には高ポイント。
読み応えのある作品に出会えました。
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海堂節がくどく感じることも多いが、それでも面白くて一気に読んでしまえるリーダビリティの高さ。本書でAI(人工知能)ではないAi(死亡時画像病理診断)を知った。刊行から15年以上経ち、医療現場ではAiに関してどんな変化が起きているのだろうか。
1つずつ証拠を探して検証するような警察が主役のミステリーとは違い、心理学を用いた聞き取り調査に重きを置いている点が新鮮。終盤の記者会見では田口先生の印象がガラッと変わる。そういえば出世欲はないけどやり手だった、この人。 -
謎解きを含めて、ストーリーは面白い。しかし、客観的な描写が少なく、主人公の目と感じたことを表現して物語が語られ、その文体が軽く、時には不自然なものも混じっていて、物語に入り込みづらかった。かなり異色の小説と感じたが、こういう小説がこれからのベストセラーになっていくのだろうか?
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