作品紹介・あらすじ
現代動物調教研究同好会-通称『どうちょけん』。それは私、良田胡蝶が新たに創部した、人と家畜の心を通わせるための部活である。…そんな私の前に立ちはだかる黒い影!飛騨高山のライバル校、過激な動物愛護団体、そして…謎のサングラスの男!貴様は-!?人は虚無の畜産にぬくもりを見つけられるか。
感想・レビュー・書評
絞り込み
-
いつものようにコメディ部分とまじめ部分の
がりがりじゃりじゃりとした齟齬が持ち味なのだが
今回は素材が難しかったからか苦労している
読者が中高生と限られているにせよいや限られているからこそ
どのような姿勢で情報を提示するかの塩梅が計り難い
難しいからこそいろいろ詰め込んだのはよいけれど
それをうまくのりこなすところまでは
キャラクタの力が充分でなかったと思う
-
急に真面目度が増して、別の作品か、と見紛うばかり。とはいえ、ガンダム(ファースト、Ζ、逆襲のシャア)台詞を農業ネタにそのまま当てはめ得るんだ…。これこそ富野氏の先見の明か(嘘)。遺伝子組み換え植物(⇒情報秘匿のための自死植物、アポトーシスには驚いた)、畜産そして食肉の原罪性、動物愛護(似て非なる「愛玩」)、人糞や家畜糞の利用と問題(抗生物質等化学物質満載の人糞)、アヒルのフォアグラと霜降り肉、獣医師。
扱うテーマがかなり広範囲なので、叙述不充分なところはあると思えるが、問題意識の認識・醸成には意義深い。
-
命について考えさせられる第5巻目。
畜産業(農林水産業従事者)が抱える宿命を上手に描き出している。
キリスト教でいう「原罪」を人間は生まれながらに抱えているのだなぁ。
-
牛の技能大会?って感じで爆乳おっぱいさんこと胡蝶に焦点を当てたお話。最初は短編的な話の流れで、ふうんと進めていったけれど、最後の最後で子牛が生まれるシーンでの林檎の叫びと胡蝶の思いにぐっと来てしまった。
まー、食の倫理って難しいよねー。恒例の農業のテーマを見せられた次第でした。ちょっとパワー落ちたかなあと思ったけれどそうではなかった?でも持って行き方がちょっと強引だった気がしないでもないかな…。
-
すごく勉強になる。
学生のころ読みたかった!
社会とかの教科書より分かりやすいと思う。
吉田さんはがんばりすぎ…
-
-
林檎は部活動で牛の調教をする事に。
県の共進会に出場。
牛はかせに聞いてみようが面白かった。
-
評価:☆4
おっぱい大増量で贈る農業高校ラブコメ、緊迫の第五弾!――君は、牛の涙を見る。
というわけで始まったのうりん5巻。
今回はテーマとして畜産をやる上で避けて通ることができない「命」をメインに扱っており、かなり重ための内容になっております。(この展開銀の匙で見た気がするけど気のせい)
世話が大変でどうあっても情が移りそうなもんなのに、最終的には肉にしなくちゃいけないんだからそりゃ葛藤はつきまとうよね・・・
動物医との対談ではペットショップや愛犬家()達の悲惨な現状が。これまた重い・・・
これ本当に今こんなことになってんのかね?胸糞悪いなぁ。考えることを止めないのは食物連鎖のトップにいる人間の義務なのかもしれない。
色々考えさせられた巻だけど、今後のうりんはこういう方向で進んでいくんだろうか・・・ちょっと寂しいな。
ネタとしてはみのグソがツボだったww
あと質問コーナーで暴れるアラフォーw
-
ネットオフで購入して読み。
畜産と動物倫理の五巻。
・ターミネーター・テクノロジー(自殺する種子)、収穫した趣旨を再び植えても育たないという技術。作物自らが毒を出し、自殺してしまう。このため、農家は絶対に種苗メーカーから新しい種子を買わざるを得ず、種苗メーカーの特許権が守られる(p42)
…F1植物の不稔性についてはなんとなく知ってたけど、毒を出す、っていうのは初めて知ったなあ。倫理的に問題になりにくいのは植物だからだろうか。とはいえメーカーもビジネスだからなあ。
・人糞を肥料に使えないのは、人間が雑食で何を食べているかわからないことに加え、化学物質を日常的に摂取しているから(餌の中に抗生物質や化学薬品を混ぜられた牛や豚の糞を利用した堆肥を使った場合、その作物は有機栽培とは認められない)(p175-176)
…動物の糞を利用てイコール、環境にいいよ!有機肥料だよ!というイメージがあったけど、厳密な管理の下で作んなきゃいけないんだなあ。
・獣医師の自殺率は、普通のお医者さんの二倍、一般人の四倍(p300)
・「結局のところ、生命倫理…動物倫理の問題は、人間の倫理観の問題に過ぎないんだ」(p305)
…倫理観と責任感の板挟みになる獣医師(だけじゃなく生き物にかかわる人全般)の姿。結構ヘヴィな話。消費者である以上、私も無関係ではない。
-
今回はややシリアス多めです。
林檎がおっぱいさんに向かって言うあの台詞で泣いてしまいました。
色々考えさせられるお話でした…。
著者プロフィール
白鳥士郎(しらとりしろう)
GA文庫より『らじかるエレメンツ』でデビュー。
代表作として『りゅうおうのおしごと!』『のうりん』シリーズ(GA文庫)など
「2022年 『りゅうおうのおしごと!16』 で使われていた紹介文から引用しています。」
白鳥士郎の作品