- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797680010
感想・レビュー・書評
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小説だけでなく時評や書評、文学全集まで個人編集する碩学の「知のノウハウ」(カバー裏から)。
「新聞の活用」に始まり「デジタル時代のツールとガジェット」までの12章からなる。
自分よりは一回り年上の世代になる著者だが、PCやネット利用に積極的で、他方、紙の新聞の切り抜きなども行う点、新旧両またぎで自分に近く感じる。
自身の著作に限らず、書名など具体的に紹介されているのでこれも参照に便利。加藤周一さんの名も散見。
ネット書店の利用、古書店の活用、本の手放しかた、録音よりメモ重視など聞けばその通りのことだが、改めて読むとなるほどと納得。ウィキペディアを評価しているのも意外だった。
図書館でたまたま手に取った本だが、買って蔵書にしようと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池澤夏樹のノウハウ本。生きるためには、情報、知識、思想が必要。情報とはその時に起きていること、起きようとしていることやデータ。知識は、ある程度普遍化した情報。思想とは情報や知識を素材にして構築される大きな方針のことを言う。それを踏まえ著者が実戦している仕事術、ノウハウを紹介する。
作家の仕事術本ということで、サラリーマンの仕事とは多少違和感を感じる部分もあるが、参考にできる事も多かった。 -
作家・詩人の池澤夏樹さんが自身の「知のノウハウ」を公開した本。
現代社会を知的に生きるためには、情報(日付のあるデータ)、知識(普遍化された情報)、思想(情報や知識を素材にして構築される大きな指針)の3つを常に更新していくことが大事です。
情報・知識・思想をいかに更新していくのか、池澤夏樹さんなりの方法が本書に書かれています。
社会をまとめていくためには議論が必要になります。議論をするには「知」がなければなりません。そして、「知」は常にアップデートしなければ議論についていくことができないのです。 -
文字通り、知を育成するにはどうすれば良いかを説いた一冊。
有名な作家だけあって、説得力があった。 -
2019年1月22日購入。
2019年12月30日読了。 -
この本は良い、作家である池澤夏樹氏が自身の技術論を公開してくれており、多くの刺激を受ける。
新聞の活用法、本の探し方等実用的なノウハウを多く教えてくれる。特に書評については私も本選びの参考にしている。
やはり定期的にこのような本を読む必要性を感じる。新たな気付き、知的興奮が人には必要と思う。反知性主義に抗していくために。 -
興味を引かれたところを2点、引用。
・「本選びは精錬に似ている」
世の中に出回る本ぜんたいをざっと眺めて、その中から価値あるものを選び出す行為。それは金属の精錬に似ているという説。全ての本に目を通すことが不可能な以上、何を読むか(=何を読まずに切り捨てるか)を選ぶことは非常に重要な行為。それは主観で構わない。というか、主観にしか意味はない。そうしていかに自分なりに、純度の高い金属を取り出すか。そこを意識すると読書の意味が変わり、密度の濃い読書ができるだろう。
・「メディアこそがメッセージである」
マクルーハンの孫引用。発信するのにどのメディアを選ぶか?そこにこそメッセージの核心が含まれている、意識するしないに関わらず。メディアにはそれぞれ特性があり、そこを見誤ると間違ったメッセージを発することになるだろう。今現在、メディアの中心的役割を担うSNS。著者はSNSはやらないと豪語するが、「メディアこそがメッセージである」ということを踏まえれば、納得がいく。SNSは物事を深く考えるのに向かない。直接的、瞬間的、感覚的に訴えることに向くメディアだと思う。SNSを好むかどうかは個人の自由だが、SNSにどっぷりでは思考力がなくなってしまうことを、この本を読んで体感的に理解した。 -
著者が日ごろ行っている、情報の入手方法、ストック、フローの考え方、書物の扱いなどなど作家が行っているノウハウというか、神髄を語ってくれている。
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少しイラッとするところもあるけど、参考になることころも。
メモとか -
2012/1/2