マーケティング脳vsマネジメント脳: なぜ現場と経営層では話がかみ合わないのか?

  • 翔泳社
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798118895

感想・レビュー・書評

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  • 本書では、マーケティング脳を右脳的、マネジメント脳を左脳的として、「直感的でシャープなマーケティング志向」vs「論理的だが愚鈍なマネジメント志向」という図式を描き出す。 例えば、マネジメント脳は、製品にどんどん機能を入れ込み、それを広告し、結果としてそれがユーザを混乱させる。すべてのユーザに訴求しようとして、すべのてユーザを失ってしまう。一方、マーケティング脳は、機能を絞り込み、それを訴求ポイントとして製品を売り込む。ユーザには、「その機能=その製品」という単純な等式が組み込まれ、その結果その製品はヒットするという。 であれば、企業トップはマーケティング脳を優先すべきであるのだが、マネジメント脳はロジックに訴えたプレゼンが上手いため、そうはならない。かくして、企業はマネジメント脳に支配され、スランプに陥る。この図式、我が社でもあちこちに見られるような気がする。

  • マネジメントとマーケティングの対立構造はこの違いから生じているのかと納得の一冊。うちのボスは典型的マネジメントの人だなあ、と実感をもって納得できた。マーケティング脳はカテゴリーの創造を、マネジメント脳はブランドを持つことを考えるなんて違いは、ああ確かに、と。
    2009年の刊行で、多分原書はもっと前だからアマゾンについての記載などで未来は違ってたよと思う箇所もあるけれど、基本的なマネジメントとマーケティングの見ているものの違いは、そうそう、と思えたし、じゃあどうつないでいけばいいかを考える材料にもなった。

  • 現場と経営層ではなぜこんなにかみ合わないんだろう。という普段の仕事で葛藤がある中、この本の存在を知り、即アマゾンで注文。

    この本に書かれているのは、「マネジメント」と「マーケティング」の戦い。

    著者によれば、それは「利き脳」が違うからと。

    「マネジメント」の人間は「左脳タイプ」で、論理的、分析的考える。

    「マーケティング」の人間は「右脳タイプ」で、直感的、総合的に考える。

    有名企業のブランド戦略を軸に、25のケースの比較をズバッとした切り口で解説。

    ちなみにこの戦いは、マーケティングがいくら優秀でも、最終決定権はマネジメントにあるため、両者の「和解」なくして終わらない。

    そのためには、結局は双方がお互いを理解する必要がある。

    自分はどちら(右脳?左脳?)と考えながら読み進めると、自己分析にもなり楽しい。

  • なぜ経営者がマーケティングに口出しするとうまくいかないのか。マネジメント脳は合理的に考えるが消費者は合理的には解釈しない。必要なこと以外を捨てて、わかりやすく伝えるマーケティング脳にいつでも切り替えられるようにすべし。
    10年以上前の本なので、AmazonやAppleが迷走してきてるんじゃね?って論調も現状と比較すると面白い。

  • 20201225
    マーケティングは右脳的、全体的、直感的。マネジメントは左脳的、部分的、論理的。
    マネジメントは商品のスペックにこだわるが、マーケティングは認識にこだわる。競合と差別化して新しいカテゴリーを作り出し、そこのファーストマインダーになることで強い認知を得ることができる
    マーケティングはブランドのポジショニングを明確にするためにカテゴリー拡張や他サービスへ拡張しない。マネジメントは既存ブランドを活用することが効率的と考えて他サービスに拡張したり、売上増を目指すためカテゴリーを拡張しがちだが、それはブランドのポジショニングを曖昧にして長期的にはその力を弱める。
    ブランドには釘である伝えたいメッセージと、ハンマーである視覚イメージが必要。伝えたいメッセージはシンプルで普通のものでないといけない。例えば、エナジードリンクだったり、男らしいタバコだったり。☆メッセージはジョブの視点にたつべき
    マーケティングは全体的、直感的であるからこそ、長期の事例を引いてマネジメントに伝えないといけない

  • 章ごとのタイトルだけ読んでもある程度役に立つ。
    マネジメント的な思考と対比することでマーケティングの思考が理解しやすい。

  • ・何故右脳タイプは文章が上手なのか?それは1ページの中に言葉をならべる作業には、言語的な才能だけでなく、視覚的なセンスも求められるから。
    ・右脳で生まれたマーケティングの案は、左脳で理詰めで考える経営者にはなかなか大賛成はしてもらえない。それは単に理解できないから。
    ・価格の高さは、必ずしもマイナスにはならない。そもそもブランドとは、ほかの同等の商品より高い値段で買ってもらえる商品のことだ。
    ・ロゴのデザインが新しくなっても、消費者はその新しいロゴと古い認識とを結びつけてしまう。
    ・弱い名前ではブランドは築けない。砂上の楼閣を建てるようなものだ。
    ・認識は現実を超える。スタバのコーヒーがおいしいのは、スタバのコーヒーがおいしいと消費者が思っているから。
    ・消費者は頭のなかでカテゴリーの選択をしていても、その選択結果を相手に伝える時はたいがいブランド名をつかう。カテゴリーとブランドは密接に結びついている。
    ・大企業は既存ブランドを強化することに忙しいが、起業家は新しいカテゴリーを支配しようと狙っている。
    ・新しいカテゴリーに他社が先駆けて参入するときは、必ず「自分たちのブランド名が新しいカテゴリーの総称になれるか」を考える
    ・アイデアが革新的であればあるほど、消費者に受けいられるまでに長い時間がかかる。(パソコン、ipod)
    ・同じ人間でも上等な服を着たくなる時もあれば、安い服ですませたいときもある。
    ・ヒルトンといえば◯◯◯、BMWといえば◯◯◯ なるべく一言でこの問に答えるのがマーケティング
    ・安さという言葉にはすべての人にアピールする力はない。だからこそ効果がある。万人にアピールする言葉はマーケティングでは役に立たない。
    ・ブランドを築くためには釘(言葉)とハンマー(視覚イメージ)が必要(男らしいカウボーイ マルボロ)
    ・大企業が新ブランド立ち上げに失敗する理由
     1)広告重視
     2)調査重視
     3)大量販売
    ・消費者の心をつかむアイデアかどうかの判断方法:そのアイデアをひっくりかえす。
     →ダイヤモンドは永遠の輝き?ほかの宝石はそれほど長く持たない。ダイヤモンドほど頑丈でないから。
    ・マネジメントの原則は戦略に就いてではなく実行についての原則
    ・新カテゴリーの勝者になれるのは、最初に参入したブランドではなく、最初に参入した「新」ブランドだ。
    ・成熟したブランドは最適点に達し、それ以上の成長は人口の増加か物価の上昇によってしか見込めなくなる。という事実を認識することが大切。
    ・新カテゴリーは事実ではなく、消費者の認識によって生まれるので、”どう呼ばれるか”はとても大切
    ・ブランドを強化するには、常に新たな土地を開拓しようというのではなく、すでにある土地を肥沃にしようという努力が必要。
     (あるブランドを卒業したとき、自分の人生が一歩前進したことを感じる)
     (鳩の巣箱がカテゴリーで、鳩がブランド。1羽の鳩は2つの巣箱には入れられない)
    ・反対の存在になるのがマーケティングの考え方(差別性ではなく独自性)
    ・ヒュンダイ=フン!ダイ!(ドイツの野蛮人め死ね!第一次世界大戦)
    ・イニシャル化は名無しの罠
    ・マーケティングは一日で学べる。だが、完全なものにするには一生かかる(フィリップ・コトラー)
    ・マネジメントにマーケティングのアイデアを受け入れてもらうためには、マーケティングの言葉ではなくマネジメントの言葉を使う必要がある

  • ビジネス
    マーケティング

  • *現実と認識とではいつも認識が勝つ。
    マーケティングの人間が着目するのは「ブランドに対する認識をどう利用すれば売上を伸ばせるか」

    *マーケティングはブランドに、マネジメントは商品に、力を注ぐ

    *マーケティングはカテゴリーを、マネジメントはより良い商品を、求める。
    目隠しした状態では消費者はペプシよりコーラが美味しいと感じる。目隠ししない状態では逆にコーラが美味しいと感じる。より良い商品が必ずしも勝つとは限らない。

    *マーケティングはラインナップを絞り、マネジメントはフルラインナップを好む

    *マーケティングは一語で表現しようとする、マネジメントは全てを詰め込もうとする。消費者が買うのは位置づけがハッキリした商品だ。 

    *市場シェアの50%以上を獲得するためには通常、複数のブランドが必要になる。世界の髭剃り市場で71%のシェアを持つジレットは、7ブランドを展開する

    *スターバックスの成功方法。
    ?独自のものを持つ ?何事もおろそかにしない ?驚きと喜び ?反対意見を尊重する ?名を残す

    *マネジメントはライバルの真似をする、マーケティングはライバルの反対を狙う

    *ブランドの信頼は一貫性によって築かれる

    *どんなことも一歩後退、二歩前進

    *今までしたことをし続ける限り、今まで得てきたものしか得られない

    【内容・感想】
    IBM等を顧客に持つコンサルティング会社の経営者、アル・ライズとローラ・ライズ著のマーケティング戦略本。もちろんだが、事例は全て欧米のブランドで、わからないブランドも多少あった。
    マネジメント脳の人とマーケティング脳の人の考え方の違いを25章に分けて書いている。
    専門用語は殆ど出てこないので、マーケティングのことがわからなくても、ふむふむ、というレベルで読むことが出来る。成功したブランドと失敗したブランドの理由を並列することで、マーケティング戦略がどれだけ重要か、わかる。
    個人的に、大学時代にマーケティングを専攻していたので、ああこれが集中戦略だ、とか、トレード・オフだ、とか、今でも尊敬している先生の授業を思い出し、当時の資料なんかも見直してしまった。
    マーケティングを仕事で実践している人は、さらっと読んでしまうんではないでしょうか。

  • マーケティング脳 vs マネジメント脳 なぜ現場と経営層では話がかみ合わないのか?

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