- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798121161
作品紹介・あらすじ
本書では、イノベーション主導のビジネス戦略を成功させるには、どういうことが決め手になるかについて、デザイナーとビジネスリーダーの双方に役立つアイデアや、戦略や、エピソードを紹介しながら、話を進める。本書は、ビジネスにデザイン主導のイノベーションを取り入れるための実践ガイドである。
感想・レビュー・書評
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アプッル、ソニー、ルイ・ヴィトンなどでデザインを手がけた人が書いた本。デザイナーが、どうものづくりと関わるかという事が書かれている。デザイナー以外の人もデザイナーも読んでみると新しい視点が得られるかも。
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ちょっと難しかったorz
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著者はAppleやソニーなどと重要な仕事をしてきた、世界的に有名な工業デザイナー。
一言で言えば、タダモノではない。
「世界をよりよくしたい」という思いと、「デザインを進歩の先導役にする」という思いが溢れている。
その範囲は、単に製品デザインにとどまらず、会社経営からビジネスのあり方、世界のあり方まで。
若干消化不良を起こすほどで、読み進めるのも少しだけ苦労した。
著者の成功談の多さに押し付けがましさを感じるかもしれないが、失敗談には共感も持てる。
ともかく、人間的な分厚さにやられる一冊。 -
【配置場所】工大特集コーナー【請求記号】501.83||E
【資料ID】91132200 -
図書館で借りた。デザイン超重要
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Appleの今のデザインの礎を作った、Frog Design のハルトムット•エスリンガー氏の著書、ドイツ生まれの彼が、見た目のデザインだけでなく、製造から流通経営に至るまで、すべてデザインすることが必要という考え方には共鳴します。今あるAppleの快進撃もジョブスが彼のアドバイスを受けたおかげですもんね。本当に共感できることばかりです。
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デザインがどこまでイノベーションを支えられるのか・・・?
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今読んだら驚きが少なめかもしれないが、出たときは結構ワクワクしながら読んだ。
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デザインの力
デザインを商品戦略の重要な要素として位置づける。
それは単に外観上の問題だけではなく、商品のターゲットやコンセプトを最も表すための大きさ、機能性などを設計する。
それは時に生産システムにまで及び、持続可能であり環境に配慮した製品作りをどのように推し進めるかという話になってくる。
内容はかなり自社びいきのきらいがあるが、それだけ自分の会社を愛しているわけだし、あまり気にせず読んでいけばいいと思う。 -
アップルの成功戦略と今後のデザイン戦略が良く変わる良書。
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尊敬に値する会社 "フロッグ・デザイン" の創始者であるハルトムット・エスリンガーの著書である "デザイン・イノベーション"。 Apple や Sony などの多数の企業の成功をデザイン面で支援してきた、世界的企業の創始者が自伝的に書いた本がおもしろくない訳が無い。
"デザイン" と言えば、見た目の良さを真っ先に思い起こすだろう。確かに、 Apple や Sony の製品は、所有する喜びを与えてくれる素晴らしい外観をしている。だが、本書で言う "デザイン" は、見た目の装飾だけに留まらない。その製造工程や、企業のビジネスモデル、社会への影響や地球環境まで視野に入れた "設計としてのデザイン" を含む。その表現形態として製品の素晴らしさが表に出ているに過ぎない。
イノベーション。口で言うのは簡単だが、いろんなモノが邪魔をする。社会の慣習や既成事実、実績の有無などなど。だが、"デザイン" がもたらすイノベーションはそんなものを吹き飛ばす。
我々はまだまだたくさんの問題を抱えている。緩やかな成長でいずれ解決するのかもしれないが、イノベーティブなデザインが劇的な解決をもたらす可能性は、けして小さくない。頑張れデザイナー! 頑張れエンジニア! そんな勇気をくれる一冊だった。 -
Frog Design のハルトムット•エスリンガー氏による一冊。デザイン主導の経営戦略が如何に重要で、有効なものであるのかを熱く語っている。半自伝的で彼のキャリアパスがよくわかる。工場のラインまで技術的に踏み込むコンサルティングは面白いと感じた。ただ「センス」というものを強く感じもした。
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この本は、クリエイティブデザイン・ファーム「フロッグデザイン」(frog design)の創始者ハルトムット・エスリンガーが著した経営戦略の本。
フロッグデザインは1969年に工業デザイナーのハルトムット・エスリンガーによってドイツで創立されたデザインコンサルト会社。
アップルのApple IIcの筐体のデザインや、Windows XPのロゴ、ルフトハンザ航空のデザインを手がけたことで有名です。
タイトルから「デザインの本」という感じですが、デザインを通して経営やこれからのビジネス戦略にまで通じる、「ビジネス」に重点が置かれています。
著者が冒頭に述べているように、
「ビジネスにデザイン主導のイノベーションを取り入れるための実践ガイド」
とも言える一冊だと思います。
現在、ビジネスの世界は、激しい大規模な変化の真っ只中にあります。
大量生産される模倣品に埋め尽くされた市場では、閉塞感がただよい、
従来のフラット化されたビジネスモデルの転換が求められています。
そんな中、現在勢いを増しているのは、Appleや任天堂など、
イノベーション主導のビジネス手法を用いた企業。
イノベーション主導のビジネス戦略を成功させるには、どういうことが決め手になるか、
なぜそれらの企業はイノベーションを用いて成功できたのか。
それらの理由について、デザイナーとビジネスリーダー、双方の視点から、自らのデザインエピソードを紹介しながら解説されています。
本の中から、面白いと思った著者の言葉を以下に抜粋。
・誰でも創造性は備わっている。大事なのは、自分の能力を知り、伸ばし、守れるかどうか。そしてそれを開花させられるかどうか。
・デザインは優れたビジネス戦略の一部であって、芸術ではない。
・幹部がビジョンを共有せず、社内に分裂が生じるようでは、デザイン主導のイノベーション戦略を会社全体で遂行することは不可能だ。
・クリエイティブな人間の多くは、ビジネスとデザインは全く別物だと感じているのは問題だ。
・これから必要なのは、融合技術にもビジネスにも通じた創造性豊かな戦略的なデザイナー
・デザイナーの仕事とは、人間と、科学や技術やビジネスとのあいだのインターフェイスを作ることだ。
あと、著者が日本と関係が深かったからか、本書には日本に関することも所々出てきます。
「大賀典雄から出井伸之を後任に選んだとき、ソニーの崩壊は本格的に始まった」
「アップルのイノベーションは、大前研一の教えをそのまま実行したような、先を見通したリーダーシップと、社内の緊密なコミュニティとがうまく噛み合うことで生まれたシンプルなソリューションだった。」
などなど。
あくまで著者の見解ですがw。
エスリンガーさんが大前研一を知ってるというのはビックリでした。
本の最後の方に書かれてて、面白かったのが、「 オープンソースデザイン」という考え。
これからのデザインやビジネスはオープンになっていくべき。
Linuxのような道を歩むべきだという考え。
これからは、デザインやビジネスが、社会全体に利益をもたらすシステムを作るべきだとのこと。
・世界中のデザイナーや開発者が部品や製品のコンセプトを参照できるようにする
・オープンソースのデザインでは、各ブランドが「島国的」にそれぞれ独自に開発を勧めることはなくなる
・互いに協力しあえるシステムが生まれ、コンセプトに基づくイノベーションや選択によって、製品の特徴や価格が決まる
・デザイナーはレゴを組み立てるように、互いに接続しあえる様々なデザイン構成要素から好きなものを選び、組み合わせることでユニークな製品を作り出せる
・オープンソースのデザインや開発では、共通の部品や技術が使われることに加え、幅広い利用者や開発者から意見が集まるので、融合製品の開発もしやすくなる
これは、現実的にビジネスとして成り立つのか、果たしてそんなことが可能なのかは分かりませんが、もしこれが実現したら面白いことが始まりそうですね。
フロッグデザインのような会社、と言うと、まずIDEOが思い浮かびますが、
そのIDEOの「発想する会社! (The Art of Innovation)」よりも、
よりビジネスに重点が置かれた本でした。
この本は、デザイナーはもちろんのこと、ビジネスに関わる人も読んで勉強になる本だと思います。 -
大きな成功を収めている企業やブランドの例を見ればわかるように、見た目を良くすることだけがデザインではありません。
デザインとは、画期的なコンセプトを提案することによって、人々の生活を豊かにしようとするもの。より良い新製品やワクワクするような体験をデザインできればデザイン自体がブランドのシンボルになります。デザインとは本来、テクノロジーを人間的なものにする営みであり、人間の精神に訴える力を持っているのです。
デザインは優れたビジネス戦略の一部であって芸術ではないのです。
そして長続きするビジネスを築くためには、デザイナーとビジネスリーダーが協力するのことが大切。
著者はアップルのデザイン言語「スノーホワイト」の開発にも携わり数多くの企業のデザイン戦略に関わってきたハルトムット・エスリンガー氏。 -
Buzzyなタイトルだと思ってスルーしていたけれど、ちゃんと読むとナカナカ示唆に富んでいた。
すごいことをやれば、それを真似する人が出てくるでしょう
第一の目標は、経済的に成功をおさめることだった(学生の身でフロッグデザインの前身を設立したとき)
トップを狙っているハングリーなクライアントを見つける
ビジネス意識を持ち、自分のためではなくクライアントのためになる仕事をする
名を広めるーーわがままな芸術家としてではなく、ビジョンを描けるものとして
その名声を会社の運転資本にする
世界一のグローバルデザイン会社を築く
常に最高の人材を求めるー従業員も、パートナーも、クライアントも
私たちは自分たちを、退屈な大企業に支配された業界に、新風を吹き込む存在として位置づけたかった
最初の一回で成功させる
フロッグのようなコンサルタント(コンサルタントとしてのアイデンティティを持っているのか)
第四列戦略~戦略的に予備を持つ
優れた創造的な戦略とは、会社の潜在的なチャンスがどういう外的な、コントロール出来ない要因の影響をうけるかを踏まえたものである
勝てる戦略とは、その企業のオーナーシップと実権を持つ人間の価値観や信念に基づくものだ
新しいテクノロジーではなく既存の資源を使って、顧客を満足させられるイノベーション
エリートの【創造的なアイデア】をそのまま会社に取り入れることは出来ない. 創造的な戦略を成功させるためには、それを皆が理解しているという文化的な基板がなくてはならない
最高のものだけを
一番でなくては意味が無い
この新しい装置によってどういう新しい戦略が可能になるかという一点に的を絞ってプレゼンをした
本当に新しいものを生み出すためには、激しい感情的な対立を乗り越えなくてはならない
クライアントの財務状況に応じたデザインを考える
私たちの仕事はすべて、優良企業をクライアントに持てるかどうかに掛かっている
有名になる.一番になることで
過去の成功を単純に繰り返すのでなく、クライアントに一番必要なものを創りだそう
大きな成功を収めてきた.これは過去にひどい失敗を経験したおかげだ。
イノベーション企業:財務的に無駄がない、リーダーが好奇心旺盛で絶対にあきらめない人間だ(これが一番肝心)
イノベの3ステップ:基礎作業、創造的なコラボ、マーケティング。まずは準備と事前調査が大事
会社とそのコンサルタントはまず、会社の組織や目標や課題について、はっきりと把握しなくてはならない
デザイナーが大企業との仕事を成功させるためには、その会社や部門の外部にも協力者を見つけられるよう、広範囲に信頼できる人脈を築く必要がある
独力では出来ないことがあることを自覚すると共に、コンサル任せにせず、イノベーションの実現のために自らも力を尽くそうとするクライアントを見つける
プレゼンという従来の広告代理店スタイルの売り込みは非効率
理想的には、共同作業のチームには、そのビジネスに関係するすべての部門の人間が加わるべき
新しいアイデアは大事だが、その重要性はアイデアを選別するときに必要な事業の目標や、アイデアを発展させるためのプロセスと全く変わらない
結果ではなく、創造のプロセス、つまり一人ひとりが自分の頭で考えることに重点を置く.そうすることで結果を恐れずに、プロセスを楽しめる
フロッグTHINK:(アイデアづくりのプロセス、【私たちのコラボレーションでは、毎回、用いられている】)基本コンセプト:利用可能なあらゆる情報や知識を集め、それをすべて本質的な要素に【分解】する
e.g.飲料用ボトルをデザインするとき、アイデアの源泉となる本質的な要素は、機能性やいためではなく、喉の渇きだ.新しいアイデアは大概、目の前にあるものの中に隠されているので、肝心なのは、それを見つけられるかどうかだ。
アイデアの質が低下し、ありふれたものになってきたら、リーダーはセッションを終了させる.少し休憩を挟んだ後、改めて出されたアイデアを振り返って採点や投票を行う.
「ライバル企業にこのアイデアを取られた場合を想像してください」
イノベのデザインやマーケにおいては、必ず、頼りになるのは金より人間
トライバルに考え、そしてグローバルになる
オープンソースネットワーク
まずはじめに類似した製品や技術を研究し、それを自分たちのデザインの出発点にする。基本的な原則は至って単純:いいものを探して、それをより良いものにしよう。そしてもっと有意義で、創造的な活用の仕方を見つけよう
新しいものより、より良いものが必要な場合もある
現場で製品を作っている人たちと出来る限り緊密に協力して、製品のデザインを手掛ける
すべての関係者が積極的に参加し協力することがスマートソーシングの成功には書かせない
個人生産の時代、Fab-Lab
私たちは生き残るために、狂ったように働かなくてはならなかった
科学やビジネスの中心に、人間の幸福を据えるべきだ -
禅 2010/09/14
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デザインは、世界を救うのか?
デザイナーとしての著者が自身のキャリアをかけて、
デザイン主導の戦略が持続可能なビジネスとして、
世の中に貢献する術を提示している。
著者の過去の事例や、スティーブ・ジョブズとの仕事に言及して、
どのようにイノベーションが起こるのか、起こすのかが描かれている。
著者の自伝であり、思想の表れである。
トップデザイナーであり、経営者は世界を変えている。
これから先の世界に対してどう関わったらいいのか。
ということの大きなヒントになり得ると思う。 -
著者はアップルなどの有名ブランドのデザインを手がけたフロッグ社H. Esslinger氏。今まで自分が手がけてきたプロジェクトを解説しながら、ビジネスをデザインするためには何が必要かを書いている。分野ものづくりが中心。これからのものづくりの展望、期待が書かれている。メーカーに携わる方におすすめの一冊。
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アップル、SAP、マイクロソフト、ルフトハンザ航空、ディズニー、ルイビトンなど、デザインを重視し、イノベーションを起こしたグローバルブランドのデザインを手がけたフロッグ社H. Esslinger氏渾身の書。「ビジネス」「デザイン」に加えて「持続可能性」という、一見ばらばらにとられられがちな3つの軸をイノベーションの実践の主軸に捉えている点はこれまで少なくとも手にとった本には見当たらなく、非常に共感を呼んだ。
このフロッグ社がグローバルデザインコンペを勝ち抜き、1984年に生まれたアップル社Macintosh SEをきっかけに、世界中で「デザイン」がビジネス戦略の要に位置付けられ、新しい文化の創造をもたらした。
その一方で、近年、大量生産される模倣品に埋め尽くされたフラット化、コモディティ化する市場で価格は下がり、利益は減少し、個性が失われる中、現状を打破するビジネスモデルが求められている。それが、本書のタイトルでもある「デザインイノベーション」による戦略なのだ。
「デザインとは優れたビジネス戦略の一部であって、芸術ではない」。
という前提に立つ著者は、主に、
1. イノベーション主導のビジネス戦略に、企業とデザイナーがお互いのバウンダリーを超えて、いかに協力していけるかがテーマ
2. デザインによるイノベーションにはステップやプロセスがある
3. デザインは大量消費を促す力があり、デザイン主導の戦略においては持続可能なもの作り、デザインが戦略の核になる
ということを論じている。
特に、3番目の持続可能性については、これからの時代消費者が環境負荷の低い製品を購入することは大前提としたうえで、オープンソース、モジュール化、製造拠点の見直しなどトータルな環境負荷削減のための生産モデルへの移行の提言とともに、昨今の政治経済の変化を歴史的チャンスととらえ、行動を起こすよう促している。
これまでになく危機的な状況を打開するためには、自らの狭い範疇に留まり傍観するのではなく、グローバルな視点でものづくりやデザインの在り方を前向きに考え、参加していく必要があるのではと感じた。経営者、マーケッター、デザイナー、開発者などすべての業種におすすめしたい1冊。 -
『社会のごく一部から「文化的な指導者」と仰がれるだけの存在にはなりたくなかった』という著者の熱いメッセージ。理想の本質を追求する姿勢が刺激的。