- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799310687
感想・レビュー・書評
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山田昌弘との共著『「婚活」時代』をベストセラーにし、「婚活」を流行語にした著者が、東日本大震災が女性たちのライフスタイルに与えた影響を探った本。タイトルのとおり、結婚・恋愛をめぐる変化におもに光が当てられている。
「取材対象者は、私がずっとウォッチしている首都圏の女性たち中心で、力及ばすこの本には直接被災地の女性のインタビューまでは入っていない」と、「プロローグ」にある。
「大震災についての本を書くのに、被災地に取材にも行かないとはどういう了見か?」と言いたくなるが、まあ、こういう割り切り方もアリかもしれない。“被災地以外ですら、震災を機に女性たちの心に大きな変化が起きていること”が本書のテーマなのだから。
3・11以降、婚約・結婚指輪の売り上げが急伸しているとか、結婚情報サービス会社の資料請求数が急増している、という話は、新聞などで何度か見た。
結婚だけではなく離婚も増えており、子どもを持たない選択をしてきたカップルが子どもを作る例も増えているらしい。
そうした現象に象徴される女性たちの震災後の変化を、たくさんのインタビューから浮き彫りにした本である。
企画としては面白いし、女性たちの声を記録した資料としての価値はあるのだが、著者の分析がなんとも薄っぺら。
「大震災以降、女性たちの結婚願望が強まっている。一方では夫婦の価値観の違いがあらわになり、離婚するケースも増えている。それはなぜでしょう?」と問われたとき、誰もが思いつく程度のことしか書かれていないのだ。
要するに本書は、雑誌の単発記事にするくらいが関の山の内容なのである。それをあの手この手で水増しして(対談を入れたり、たくさんの震災関連書からの引用をちりばめたり)、無理くり一冊の本にしている。そんな印象を受けた。
まあ、それでもいくつか有益な情報が得られたので、よしとしよう。
そのうちの一つは、2002年にアメリカで、「自然災害の後は、結婚、出産、離婚などが増加する。生命を脅かすような自然災害の後に人は自らのライフコースを変更するような重大な行動をとる」という論文が出ていた、という話。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人の行動は、大きな震災で変わることがある
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価格.com 婚という言葉が面白い。
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婚活時代ほどの衝撃はなかったけど、まあまあ面白かった。もし東京に住んでて、独身だったら、結婚するか実家に戻るか真剣に考えるだろうなあと思っていたので、共感できた。
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「婚活時代」ほどの面白さや読み終わったあとの充足感はなかったが、徐々に日常に戻りつつある今、東日本大震災が日本に与えた影響を改めて感じさせられた。多くの人たちの人生を変えた震災。敏感に、柔軟に反応したのは女性だった。私は「結婚=女の幸せ」とは全く思えない人間なので、震災をきっかけに婚活を始めようという気もさらさらないが、それでも、自分や自分の親を心のそこから心配してくれる他人の存在というのは貴重であり、居て欲しいとも思う。ひとつ言えることは、この不安でいっぱいの時代、みんな確かな心の支えを必要としている。
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まぁ,特に新しいこともないけれども。ジャーナリストの仕事ってこういう感じだよね。ネタは振るけど深掘りしたければ自分でどうぞみたいな。改めて,『婚活時代』は山田センセイとのバランスが良かったんだな。個人的な好みの問題ですけれども。
この震災でも99%の日本人は変わらない。でも0.01%が明治維新を起こしたように,ごく一部の日本人の意識が変わったことは,後々意味をもつかもしれない,というのは示唆的だった。100年後から見れば,1945年の後に刻まれる最初の節目なのかもしれない。まぁ,いつの時代の人もそう思って生きてきたんだろうけどw
大きな物語が失効して,全ての価値が相対化した後に,信じられるものは家族しかないという方向へ向かうのは,単に反動的なだけじゃないのか?それとも,これが『リトル・ピープル』でいう「いま・ここ」に潜るってことなのか?そこの違いがよく分からない。相対主義を内在的に超越するって言うのは簡単だけど,実際どうするのがそれなんだ? -
震災後、結婚や離婚、新たな出会いと別れ(主に男女の)など、人間関係の見直し・一新などに踏み切った人が多かったという。
その根底にあるのが、「いざというとき」がものすごくリアリティをもったものになったということだ。
「ひとごとではない」と私自身思ったし、そう思った人はものすごく多いんじゃないだろうか。 -
震災があったときは30キロくらい離れているところで仕事してた。一番最初に考えたのは両親のことだ。結婚、恋人もいなかったから。電話、メールをしても繋がらない。とにかく歩いて帰った。仕事してたところはテレビがなく状況がわからず、地震があってから二時間後に終わって駅に行ったらJRのシャッターが閉まってて大量の人がいた。この時点で事の重大さに気づいた。両親と連絡が取れ合流した時はすごくほっとした。後で思うと、いざという時家まで歩くのに躊躇しなかった。元カノ、好きだった女の子のことを気にならなかったのは、なんというか好きだと思ってた気持ちはもう失われていたのかなって今になって認識してしまったかな。
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被災していない故にあまり共感出来てないのかもしれないけれど、長々と講釈してたいして中身はないという印象。そもそも「震災婚」と銘打ってるのに、こどものいるママの話とか関係ないじゃんって思うし。しかも圧倒的に女性の意見ばっかり。
同著者の「婚活時代」にあやかってのタイトル(というか「婚」とつければある程度の売れるからかもしれないけど)かと邪推したくなる。『震災後女性はどう変わったか』というタイトルのが的確、且つ、読まなかったのになぁ・・・。
唯一納得出来たのは「日本政府は有事のとき頼りにならない」ってコトくらいか。