「橋下維新」は3年で終わる ~民衆に「消費」される政治家たち (宝島社新書)
- 宝島社 (2012年10月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800201621
作品紹介・あらすじ
日本の戦後政治史上、最大のトリックスター「橋下徹」。「時代の気分」(ポピュラー・センチメント)に後押しされた「維新旋風」が既存政党の脅威となるなかで、その政治的本質はいまだベールに包まれている。橋下氏が用いる、世論を味方につけるための「宣伝の技術」は、歴史上「独裁者」と呼ばれたカエサル、ナポレオン、ヒトラーが用いたそれと酷似している。それでは日本にも「独裁政権」が誕生するのか-いまのところ、その答えは「ノー」である。民衆に「消費」される存在となった政治家たちが、短命に終わらぬために必要なものは何か。政治心理学の第一人者による「橋下論」決定版。
感想・レビュー・書評
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古来の独裁者、カエサル、ナポレオン、ヒトラーに橋下徹をなぞらえて分析した一冊。
2012年著。
彼らと比べて橋下が小粒なのは当然として、実際に彼らがどのようにして台頭して政権を握り、そして最終的には暗殺や敗北を帰したを考え、橋下の方向性を示している。
くしくもその3年後に大阪都構想で挫折して、政界引退をした今(復帰が噂されてるものの)、非常に説得力があった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルには終わるとあるが、中身は世論のコントロールを間違うと危険だよ。としか言ってない。
それはそれで良いのだが、タイトルの勢いには負けてます。本の品位を落としていると、思います。
さて、本書は主に世論、マスメディア、対決構造の演出、キーワードによる刷り込みといった政治における大衆イメージの生成手法について述べています。また、その効果、危うさをナポレオン、ヒトラー、もう一人(カエサル?)を引き合いに解説している。
とかく橋下氏と云うとその政治手法というかマスメディア露出によるイメージ戦略で語られることが多いと感じます。橋下氏の思想や政策について解説してくれるといいのだが。
本書に書かれていることはなにも橋下氏に限らない一般論と感じました。 -
橋下大阪市長の政治手法を、過去に独裁政権を作り出したカエサル、ナポレオン、ヒトラーのものと比較しながら、海外の政治学者の言説を取り入れつつ分析・検証した本。
毎日流される橋下氏のニュースをどう解釈すべきかの指針を与えてくれる意味で、これまでの礼賛本・批判本とは一線を画する優れたもの。
もう少し具体例を挙げながらの検証を取り入れれば、より素晴らしかったが、新書としては出色。