「橋下維新」は3年で終わる ~民衆に「消費」される政治家たち (宝島社新書)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800201621

作品紹介・あらすじ

日本の戦後政治史上、最大のトリックスター「橋下徹」。「時代の気分」(ポピュラー・センチメント)に後押しされた「維新旋風」が既存政党の脅威となるなかで、その政治的本質はいまだベールに包まれている。橋下氏が用いる、世論を味方につけるための「宣伝の技術」は、歴史上「独裁者」と呼ばれたカエサル、ナポレオン、ヒトラーが用いたそれと酷似している。それでは日本にも「独裁政権」が誕生するのか-いまのところ、その答えは「ノー」である。民衆に「消費」される存在となった政治家たちが、短命に終わらぬために必要なものは何か。政治心理学の第一人者による「橋下論」決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 古来の独裁者、カエサル、ナポレオン、ヒトラーに橋下徹をなぞらえて分析した一冊。
    2012年著。

    彼らと比べて橋下が小粒なのは当然として、実際に彼らがどのようにして台頭して政権を握り、そして最終的には暗殺や敗北を帰したを考え、橋下の方向性を示している。

    くしくもその3年後に大阪都構想で挫折して、政界引退をした今(復帰が噂されてるものの)、非常に説得力があった。

  • タイトルには終わるとあるが、中身は世論のコントロールを間違うと危険だよ。としか言ってない。
    それはそれで良いのだが、タイトルの勢いには負けてます。本の品位を落としていると、思います。

    さて、本書は主に世論、マスメディア、対決構造の演出、キーワードによる刷り込みといった政治における大衆イメージの生成手法について述べています。また、その効果、危うさをナポレオン、ヒトラー、もう一人(カエサル?)を引き合いに解説している。

    とかく橋下氏と云うとその政治手法というかマスメディア露出によるイメージ戦略で語られることが多いと感じます。橋下氏の思想や政策について解説してくれるといいのだが。

    本書に書かれていることはなにも橋下氏に限らない一般論と感じました。

  • 橋下大阪市長の政治手法を、過去に独裁政権を作り出したカエサル、ナポレオン、ヒトラーのものと比較しながら、海外の政治学者の言説を取り入れつつ分析・検証した本。
    毎日流される橋下氏のニュースをどう解釈すべきかの指針を与えてくれる意味で、これまでの礼賛本・批判本とは一線を画する優れたもの。
    もう少し具体例を挙げながらの検証を取り入れれば、より素晴らしかったが、新書としては出色。

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著者プロフィール

川上和久(かわかみかずひさ)
東京都生まれ。東京大学文学部社会心理学科卒業、同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東海大学文学部助教授を経て、明治学院大学法学部教授、同学部長、副学長などを歴任。現在は国際医療福祉大学教授。公益財団法人明るい選挙推進協会評議員、東京都明るい選挙推進協議会委員などを務める。専攻は政治心理学、戦略コミュニケーション論。おもな著書に、『情報操作のトリック』(講談社現代新書)、『2大政党制は何をもたらすか』(ソフトバンク新書)など。「Nスタ」(TBS系)コメンテーターなど、テレビ出演も多数。

「2016年 『18歳選挙権ガイドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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