一千兆円の身代金

著者 :
  • 宝島社
3.20
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本棚登録 : 497
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800220509

作品紹介・あらすじ

日本政府に突きつけられた驚愕の要求-。「元副総理の孫を誘拐した。財政赤字と同額の一〇八五兆円を支払うか、さもなくば、巨額財政赤字を招いた責任を公式に謝罪し、速やかに具体的再建案を示せ」。前代未聞の要求にマスコミは騒然。警視庁は捜査一課特殊犯係を直ちに派遣し、国家の威信をかけた大捜査網を展開する。やがて捜査陣は、あるブログの存在に行き着くが…。感動と慟哭のラストが待ち受ける"憂国"誘拐サスペンス巨編!2014年第12回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • すごい主張があって、行動力のある主人公だなーって思った。リアルさはないけど、若者の投票率をあげるにはこの小説の事件くらいのインパクトは必要なのかな…

  • 冒頭
    今村敦士は青信号の交差点で立ち尽くしていた。皇居の桜並木に目を奪われる。春風を受けて、花びらが舞い上がっていた。壮観な桜吹雪。通称、桜田門と呼ばれる警視庁本庁舎前は言わずと知れた桜の名所だ。

    第12回「このミステリーがすごい」大賞受賞作。
    応募時は「ボクが9歳で革命家になった理由」だったらしいが、タイトル、内容とも修正、加筆されての出版になった。
    さすがに「ボクが------」では、児童文学か、YA小説と思われそうなので、インパクトのあるタイトルへの妥当な改変だと思う。
    とまあ、新人の応募する作品とは、かように様々なところに粗が見られるわけですな。
    この作品はタイトルがキャッチーなので、とりあえず読んでみようかなと思ったわけです。

    将来の日本に憂いを抱く若き革命家が閣僚の孫を誘拐し、一千兆円という日本の財政赤字に匹敵する身代金を政府に要求するという、一つ間違うと荒唐無稽な話なのだが、そこは多数の文献でよく調べたせいか、納得のいく仕上がりになっている。
    新人としては、文章もしっかりしている。
    刑事、記者、医師、教師、看護師、大学生、犯人など様々な登場人物の視点で章分けして読ませる文章構成は、さほどぶれもなく、なかなかに読みやすい。
    ただし、謎解きとして考えれば、この私でも、物語の後半に入ったあたりで、真犯人はこいつじゃないか? と薄々想像がつき始める。
    そこはちょっと弱いかな。
    それでもここまで仕上げたのは、応募時はもっとそこの浅い作品だったのだろうから、宝島社の編集担当者がよく修正したともいえるが。

    身体が拒否するほどの違和感を覚える作品ではなかった(新人の作品には“この人はどうしてもダメだ”というのが往々にしてある)ので、一層精進していただき、よりブラッシュアップされた次作に期待したいと思う。

    それにしても、ペンネームまで直した(直された?)のは何故なんだろう?
    気になって仕方がないのだが。

  • 話が上手く行き過ぎに感じます。
    ラストも物足りなく感じました。
    身代金の要求も無茶だと思いました。
    けど、それがこの小説の魅力かな。

  • 日本の借金問題の解決手段としてかつての大物政治家の孫の誘拐という手段をとった話。
    若い世代の声を政治に反映する、言葉だけでない実行を促すにはどうすれば良いのかを考えさせられた。
    財政に悩む公務員には非常に共感できる話だと思う。

  • 第12回「このミステリーがすごい!」大賞大賞受賞作。 間違いなく面白い。面白くはあるのですが、やはりこの展開には無理があると思いました。こんなパターンがひねくれたこのミス大賞審査員に支持されるとは意外。

  • 日本政府に突きつけられた驚愕の要求―。「元副総理の孫を誘拐した。財政赤字と同額の一〇八五兆円を支払うか、さもなくば、巨額財政赤字を招いた責任を公式に謝罪し、速やかに具体的再建案を示せ」。前代未聞の要求にマスコミは騒然。警視庁は捜査一課特殊犯係を直ちに派遣し、国家の威信をかけた大捜査網を展開する。やがて捜査陣は、あるブログの存在に行き着くが…。感動と慟哭のラストが待ち受ける“憂国”誘拐サスペンス巨編!2014年第12回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。

  • アイデアは良し

  • このミス大賞受賞作。元副総理の孫の誘拐。身代金は一千兆円。視点は様々な人の間を動き、少しずつ全体像を見せてくれる手法は読み手を惹きつけるのに上手いと思います。ミステリとしては途中でおよそのところは見えてきてしまいましたが、社会派としてはいいところを突いてきたな、と思いました。大変難しい問題でなかなか変わることではないかもしれませんが、若い人にこそ考えてもらいたいことでありこの本を読むことで考えるいい機会になるかもしれません。もちろんあと一息と思う部分もありますが今後の作品が楽しみです。

  • 元副総理の孫が誘拐され、政府に対するとんでもない要求がなされる所から展開される物語。
    ミステリー大賞受賞作とのことで、話の展開や決着がどのようになされるのか期待していたのだが、革命係側の都合良すぎる出会いとか、未成年の主張みたいな正義感とか、何だコレ感が強く感じられてしまった。
    題材は面白いと思うので、もっと練りこんで欲しかった。

  • 2013年 「このミステリーがすごい大賞」大賞受賞作品。

    元副総理の孫が誘拐され、国の財政赤字に相当する身代金1千兆円または財政赤字の具体的な対応策の提示が要求される。

    誘拐事件を通して日本の財政危機を問題提起する社会派作品。借金財政を政治家や官僚だけに求める主張はかなり無理がありますが、小説でも徐々に共感を呼んで行くところは現実味が感じられます。

    身代金は払われるのか?犯人は誰なのか?警察はどうやって犯人にたどり着くのか?誘拐された孫がは無事なのか?

    誘拐被害者の父と誘拐犯の協力者の不倫関係から徐々に犯人に迫ります。

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