谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2016年10月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800261533
作品紹介・あらすじ
東京・谷中で三代続く今宮写真機店には、魔鏡に消えたカメラを探す男、スパイカメラを求める女性など、クセのある客ばかりが訪れる。認知症の老人が遺した写真や、何度も壊れてしまうカメラの謎など次々に舞い込む問題を、三代目店主の今宮とアルバイトの来夏が鮮やかに解決していく。ニコンF2、ライカM3、ハンザキヤノン…魅力的なクラシックカメラの名機とともに贈るシリーズ第二弾!
感想・レビュー・書評
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「谷中レトロカメラ店の謎日和」シリーズ第二弾。
今回も読み進める度にカメラの蘊蓄が出てきます。今宮さんの恋愛不器用さとは対照的で、恋の僅かな進展も微笑ましいです。次作も楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フィルムカメラ、懐かしいよなぁ。主人公たちの関係もレトロでいい。
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前作同様、やさしさに包まれた作品に仕上がっていると思います。ラストではまたも(こちらも前作同様)読者のミスリードを誘うストーリーが用意されていてさすがに焦りましたが…。
今回は各章の間にショートストーリーが挟まれており(ここの登場人物も重要なのですが)小気味よいテンポで読み進めることができます。
前作から通して読んでみて、なんとなくこれはビブリア古書堂のカメラ屋さん版といえる作品であるなと感じました(作者がそのような意図をもっていたかどうかはわかりませんが。もちろんよい意味での評価です)。
刊行からだいぶ時間が経過しているわけですが、続編はもうないのですかね? まだまだ二人の物語のつづきを読みたい、そんな気分にさせてくれる一冊でした。カメラ博物館もちょっぴり行ってみたくなりました。 -
二人がお互いに穏やかで優しく、ゆったりのんびりしているので、作品全体もそんな和やかな雰囲気。
事件もささやかな物で、その流れに上手くはまって人の優しさが際立ちます。
静かな恋も可愛らしい。 -
谷中にある古いカメラ店を舞台に、カメラに関する日常の謎を解明するミステリ。
カメラのことがたくさん出てくるので、カメラ好きな人にはオススメの本。
主に家族に関する話。 -
シリーズ2作目を当然の様に読む。
感覚的には前作とひとつなぎ。物語はゆっくりと、しかし怒濤
の展開(^^;)に。
今回もかなりニヤっとする名器モチーフのエピソード多々。
ニコンF2チタン、ライカM3、プララウベルマキナ67、コンタ
ックスIIaみたいな、“ザ・レトロカメラ”的なチョイスに加え、
スパイ用カメラのミノックスやマジレトロなハンザキヤノンま
で加えてくるあたり、実にマニア心をくすぐる。
そしてメインストーリーにはならないものの、僕自身も使って
いるローライ35やプラモデルカメラが登場。正直心が躍った。
前作でマニア以外の反応を気にした僕だが、ここまで読むと逆
の感情が芽生えてきた。もしかしたら、この作品を読むことで
フィルムカメラに興味を持つ層が増えるんじゃないか? そんな
気がしてきた。
なぜなら、各カメラから紡ぎ出される“ミステリー”が普通に
キラキラしているし、ゆっくりと着実に進むラブストーリー
展開も若年層が絶大に支持しそう。つまり「読み物」として非
常に優秀。ドラマにしてもいいかもしれない。
コレ、シリーズ略称を付けるとしたらなんなんだろうね?
今後絶対に必要になると思う。誰かが良い呼称を考えてくれる
といいな・・・。とにかくこの3日間、このシリーズのおかげで
本当に幸せでした。ありがとう!
願わくば、次作ではぜひOLYMPUS PEN-Fを採り上げて欲しい。
そんなエピソードが読めたら、きっと胸がいっぱいになると思
うので。 -
主人公二人の距離の近づき方と謎解きや出会いが、自然で優しい気持ちになる。クラシックカメラの魅力と蘊蓄にハマっている。次回作で完結らしいので、味わって読みたい。
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主人公の来夏と今宮さんの距離がゆっくり近付き、ほんわかします。最後の方で今宮さんの意外な過去と、来夏と今宮さんは知らずにすでに出逢っていた事が素敵でした。