谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

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著者 : 柊サナカ
  • 宝島社 (2016年10月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800261533

谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想・レビュー・書評

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  • 谷中にある古いカメラ店を舞台に、カメラに関する日常の謎を解明するミステリ。
    カメラのことがたくさん出てくるので、カメラ好きな人にはオススメの本。
    主に家族に関する話。

  • 2016/11/5読了。
    実は以前から「古書店とか珈琲店とか文系女子好みの小商いの店を書名に冠して、カバーがセピアもしくは彩度低めな色調のコミックイラストになっている、ライトそうなミステリー」が目につくようになったなと思っていたのだ。ジャンルを構成するほどではないが、しかし複数の出版社が売れ筋と認識して模倣企画を行うだけの「筋」の形は確かにある。これはいったい何なのだろう、と。
    タイトルとカバーイラストだけで当て推量すると、おそらくはその古書店や珈琲店の店主が安楽椅子探偵、店員の女の子がワトソン役、場合によってはその二人の恋模様などが描かれるといった内容ではないか。店主はいわゆる世間の価値観やライフスタイルから少しずれたところに位置する草食系かもしくはクールイケメン、京極堂をすごくいい人もしくは常識人に寄せた感じ、のバリエーションのうちに収まる細身のキャラクターに違いない。事件は殺人などではなく日常の謎か歴史ミステリーに属する類のものであろう。しかし物語の主眼は謎の解決ではなく「恋」「心温まる」「ほろ苦い」「泣ける」のいずれかの演出に置かれているのではないか。等々と勝手に推測していたのだ。
    一度きちんと読んで確かめてみなければと思って手を出した一冊を数ページで投げ出して挫折した経験がある。本書で再挑戦してみようと思ったのは、「谷中」「レトロカメラ」「カメラ店」なら僕の趣味の範囲内だからだ。
    と、こんなふうに面倒くさいことを考える中年男は明らかに本書の対象読者ではない。それを承知の上で読んでみたところ、本書の限りでは上記の推測が当たっていることを確認できた。だがそれだけではなく、これがなかなか面白かったのだ。
    どんなジャンルの小説でも、それが小説になっている以上は、現実の様相を何らかの文法に従ってデフォルメして扱うものだし、その度合いや文法はジャンルや読者層によって異なる。本書は確かに中年男向けのものではなかったが、それはまあ文法さえつかめばどうということはないので評価の対象外とすると、なかなかよくできた読み物だったと思う。
    舞台が谷中の町である必然性はなかったが、事件はカメラ(およびその趣味)がきちんと絡むものだった。
    語り方や構成もなかなか凝っている。連作短編集を一冊の本としてまとめる仕掛けが内容面できちんと施されている。冒頭の場面や、幕間の小さなコラムが最終章にきちんと絡んでくる。この最終章にはちょっと叙述トリックめいた仕掛けもあって面白い。あと、読み終わってから気付いたのだが、本書はどうやらシリーズの二作目らしく、一作目の内容を知らない僕にはそこも味付けとなって程よいミステリーだった。

  • 【収録作品】カメラ売りの野良少女/来夏と不機嫌な来客1/鏡に消えたライカM3オリーブ/来夏と不機嫌な来客2/三月十四日、遺された光/来夏と不機嫌な来客3/その客は三度現れる/来夏と不機嫌な来客4/わたしはスパイ/来夏と不機嫌な来客5/君の笑顔を撮りたくて/来夏と不機嫌な来客6/ゆっくりと歯車は動き出す/ハンザキャノンと彼女の涙

  • 前作の感想文で「予言」した通り、とっとと購入(^ ^;
    相変わらず「ここがいい」と指摘できないが、
    読んでて不思議な心地よさがある(^ ^

    ただ、本作は前作ほど「練れてない」印象。
    読みながら「もしやこうかな」と予想した部分が、
    すべてその通りに進行していくという...
    身もふたもない言い方をすれば「先が読める」(^ ^;

    全くの私の妄想ですが...
    大して期待されてなかった前作が思いの外売れたので、
    慌てて続編を書け、と言われて急いで書いた、
    というような印象を受けてしまって(^ ^;

    その分星一つ減らして、4つとさせていただきました。

  • 谷中レトロカメラ店第二弾。
    引き続き、カメラや写真にまつわる謎を、カメラ店の店主とアルバイトの女性が解いていく。
    前の巻からこの二人がくっつくかくっつかないかと言うのも見所だったと思うのですが、この間で少し進展と言う感じ。
    成人してる割に(?)ゆっくり進んでいく二人は、谷中やレトロカメラのもつゆったりした雰囲気と似てる。

    それから、今回はカメラの蘊蓄もパワーアップしてた感じ。
    中でも一番面白かったのは、ダゲレオタイプというカメラの話。
    このカメラで撮った写真は構造上弱いので、通常はガラスの被膜で保護する。それがまるで鏡のような仕上がりになる。ずっと静止しているものしか写せないうえ、できた写真はガッチリ保護されるので、遺体の顔を映すのに使われた。
    そのガラス保護の写真が古くなり、心霊写真と言われてしまう……。
    これは知らなかった。死体専門のカメラとは、なかなか切なくて美しいです。

    ストーリー的に一番良かったのは、店主今宮ごと買い取った女性のお客さんの話。
    浮気調査と見せかけて、家庭を捨てたのは自分だったというのがなんとも。

    続くとも終わるとも書いてなかったのですが、どうなるのでしょうか。
    もし次があるなら、谷中という地理を活かした話も見てみたいかなー。

  • シリーズ2作目を当然の様に読む。
    感覚的には前作とひとつなぎ。物語はゆっくりと、しかし怒濤
    の展開(^^;)に。

    今回もかなりニヤっとする名器モチーフのエピソード多々。
    ニコンF2チタン、ライカM3、プララウベルマキナ67、コンタ
    ックスIIaみたいな、“ザ・レトロカメラ”的なチョイスに加え、
    スパイ用カメラのミノックスやマジレトロなハンザキヤノンま
    で加えてくるあたり、実にマニア心をくすぐる。
    そしてメインストーリーにはならないものの、僕自身も使って
    いるローライ35やプラモデルカメラが登場。正直心が躍った。

    前作でマニア以外の反応を気にした僕だが、ここまで読むと逆
    の感情が芽生えてきた。もしかしたら、この作品を読むことで
    フィルムカメラに興味を持つ層が増えるんじゃないか? そんな
    気がしてきた。

    なぜなら、各カメラから紡ぎ出される“ミステリー”が普通に
    キラキラしているし、ゆっくりと着実に進むラブストーリー
    展開も若年層が絶大に支持しそう。つまり「読み物」として非
    常に優秀。ドラマにしてもいいかもしれない。

    コレ、シリーズ略称を付けるとしたらなんなんだろうね?
    今後絶対に必要になると思う。誰かが良い呼称を考えてくれる
    といいな・・・。とにかくこの3日間、このシリーズのおかげで
    本当に幸せでした。ありがとう!

    願わくば、次作ではぜひOLYMPUS PEN-Fを採り上げて欲しい。
    そんなエピソードが読めたら、きっと胸がいっぱいになると思
    うので。

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谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の作品紹介

東京・谷中で三代続く今宮写真機店には、魔鏡に消えたカメラを探す男、スパイカメラを求める女性など、クセのある客ばかりが訪れる。認知症の老人が遺した写真や、何度も壊れてしまうカメラの謎など次々に舞い込む問題を、三代目店主の今宮とアルバイトの来夏が鮮やかに解決していく。ニコンF2、ライカM3、ハンザキヤノン…魅力的なクラシックカメラの名機とともに贈るシリーズ第二弾!

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