大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 北斎に聞いてみろ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800276834

感想・レビュー・書評

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  • おしいれの奥の階段を通って、現代と江戸時代を行き来し、二重生活をおくっている優佳(おゆう)のシリーズ第4弾。
    これまでは、江戸で起こった事件を、現代の科学捜査を駆使して解決してきました。
    今回、初めて、現代で起こった疑惑を江戸で調べることになります。その疑惑というのは、葛飾北斎の絵の贋作疑惑です。これまでと違い、未来から持ち込まれた案件なので、江戸の人たちからすれば「おゆうは誰に頼まれて、何を調べているのだ」と、怪しさ満載です。未来人だとバレてはならないので、おゆうはピンチでした。
    ところが、贋作疑惑は、江戸で更に大きな事件に発展してしまいます。
    おゆうは、いつもの仲間、奉行所の同心の伝三郎たちと共に、事件の真相を探ります。
    北斎の肉筆画をめぐり、骨董屋、絵草紙屋、唐物屋、唐物問屋など、いろいろな人が関わり、何が真実で、何が嘘なのか、複雑にからまり、この難題をどのように解決していくのか、読み応えがありました。

  • 今回は、未来からの依頼がきっかけで事件がおきた感じなのかな?おゆうもかなり気にしている風だったので、「一緒に解決したろ!」っていう気持ちに私はなれました。
    まぁ、北斎が自分の思っていたイメージと違ったので、楽しかったです。あの頑固オヤジって言いたくなる(笑)凄いw娘さんがいるのを知らなくて、キャラクターが好きになりました。事件の真相も分かりそうで…分からないが続いていき、結末を読む時に凄く驚きました。「これは、分からんわ」って呟く程度には、意外な展開だったと思います。

  • 今回は、現代の依頼を過去へ持ち込むという展開で、疑いの目を向けられるは、有名人が次々に登場するはと、盛り沢山な内容です


    中々筋の読めない話の結末は、切ないものでした

  • 今までと逆バージョンの未来からの依頼の話。
    一昨年から去年、北斎やおえいのコトをテレビとかで見かけていたから、余計に興味がわきました。

  • シリーズ第4弾。
    これまでは江戸で起きた事件を、現代の科学で解明して来たが、今作は現代で依頼を受けた北斎の真贋を江戸で確かめると言う、なかなかトリッキーな展開。
    最初の頃のこのシリーズの女性の書き方にハラスメント的なものを感じていたが、シリーズが進むに連れ、そういったこともなくなり、だいぶ現実とのかい離もなくなってきたように思う。その分、物語自体を楽しむことが出来るようになった。
    展開自体は決してつまらないものではないが、結構ご都合主事なところがあるのは、この設定だとしようがないか…

  • 図書館で借りた本。
    江戸と現在を行き来する生活をしている関口優佳こと、おゆうの事件簿第4弾。
    今回は問題は現代では起こる。葛飾北斎の絵が偽物だと示す書が発見された。江戸の北斎本人に確認するよう依頼された優佳だったが、調べている間に殺人事件が起こるの

  • 2020.1.1読了
    八丁堀のおゆうシリーズ第4弾。
    えっもう4、と驚いてしまいました。
    とても都合のいいタイムスリップもの故に、いつバレるかハラハラドキドキ。

    持ち歩き本だったので、途中で振り返り読みを何度か。
    やっぱりミステリーは一気読みがいいかもしれない。

    でも楽しいので、続編も探そう!

  • シリーズ4作目。
    これまで江戸の事件を未来の科学で解決!の展開だったのを、未来の謎を江戸で解明!に趣向を変えてて面白かった!
    行って帰ってのタイムトラベル設定を充分に活かした展開。
    2、3作目が少しマンネリしてたので、とても楽しく読めた。北斎としっかり会話もしてるところも良い。
    ミステリとしても多くの伏線や、細かい謎もどんどん回収していくのがテンポ良かった。

  • 八丁堀おゆうシリーズ第4。
    今回は、現代で請け負った絵の本物証明。
    江戸で、葛飾北斎氏に聞くとは・・
    定番のシナリオに安心しながらも、殺人犯が証明されていく過程が楽しみ!
    伝三郎氏は、おゆうさんの不可思議さを感じていて、
    いつお互いの事情があらわにされるのかが待ち遠しくもあります。

  • ついに有名人を登場させましたか。
    にも関わらず登場人物の名前と関係性がやや複雑で少しずつ読んたために苦労し、最後の日記による解決は大雑把かつ都合が良過ぎてしっくりこない。
    上手く表現できませんが、もう少しシンプルな筋の方が良かったかな。

  • 2022.06.21

  • 良い。
    相変わらずの雰囲気。

  • 令和3年3月30日読了
    ちょっと色々人が入り乱れて、ややこしかった。
    でも、面白かった。

  • 江戸と東京の行き来で問題解決という手法だけでもおもしろいが、本作は問題の発端が斬新。宇田川も今後活躍する予感。

  • 今回のおゆうの捜査は、現代の依頼。宇田川からだった。
    新しい美術館を開くにあたって、北斎の肉筆画を目玉に据えたいがその真偽を鑑定依頼されたのであった。

    ちょうど、おゆうが住んでいる江戸の時代と重なることから、おゆうに依頼が。

    現代風に全て鑑定でというわけにはいかない。
    現地の仲間に疑われるからだ。

    そこで、知恵を絞って順序良く攻めることに。
    そんな中、北斎の娘で絵師の阿栄の助けられ。。。

    今回もスリリングなストーリーで楽しめる!

  •  阿栄……宮崎あおいがドラマでやってた人だ!
     「未来の人から頼まれました」なんて言えないから、依頼人のことが言えず、伝三郎たちに疑われてしまうおゆう。
     江戸の寒さに耐えられず着物の下にヒートテックのインナーを着こんだり、美人画のモデルをたのまれたり……この巻もおもしろかった。

  • 第四弾
    途中からの読み始め、大筋問題無し
    北斎の絵の真贋を頼まれ江戸時代に戻り操作することに
    若き日の北斎の弟子仲間が起こした真贋事件
    背後に阿蘭陀商館も絡む事件に
    実際は親子の情愛?
    しかも恋人の同心も一方通行の江戸へ

  • いくらお金に困っているからといって、安易に引き受けるものではないですよ。
    江戸時代で北斎の絵の真贋がわかったところで、それをどう現代の人間に説明するのか。それが一番難問なのでは?
    どう考えても何かしらの細工が必要になってしまうのだから、まずその解決策を見つけてからではないと、引き受けたらダメでしょう。

    …と、まず突っ込みたい(笑)
    一巻で、おゆうが江戸で行動することについて歴史が変わるやら何やら宇田川と話し合ったりもしたというのに、今回の終わらせ方は歴史というか何か変えちゃってないですか?という感想です。

    今回は何やら聡い女性が目立ちましたね。何かを察して無理矢理話を合わせてきた阿栄さんとか、おゆうの寸劇を不審に思いながらも余計なことは言わず、視線だけで理解して答える女中さん。賢すぎる。

    相変わらず、事件の背後というか黒幕とかというか、今回はカピタンのことまで絡めて物語を作っているのが面白いです。ただの真贋騒ぎからの殺人事件ではないのがいい。
    今回は伝三郎との間柄にも何の変化もなく、伝三郎がおゆうに対して何やら仕掛けることもなく、何にもなかったのは残念。…おゆうは雰囲気を大事にしてヒートテック着ないで待ってる時もあるのにね(笑)

  • 今回は今までと逆で未来で依頼を請け負い、過去で調べるという物。内容はオープン予定の美術館の目玉である北斎の絵に贋作の疑いが出てきたので真偽をはっき依させること。
    江戸時代の北斎に聞けばはっきりするかと思いきや、調べ始めた途端に怪しい動きをしていた関係者が殺されてしまうし、おゆうは伝三郎等江戸の仲間に依頼主を明かせないし今回は孤軍奮闘する場面もあります。
    じれったいのがおゆうと伝三郎の仲。お互い想いあっているのに、おゆうは自分が未来から来た人間だという事で秘密を抱えた自分では駄目だ、と一歩踏み出せない。実は伝三郎はおゆうが未来の人間だと気づいているのですが、この時代で何をしようとしているのかわからない、という感じでこちらも足踏み状態。
    この感じがいいのかもしれないけど、シリーズものでこれをずっとやられると飽きてくる要素にもなるので、どっかで明かすのかなぁ?

  • シリーズ4作目。今回はなんと現代に残る北斎の絵の真贋を宇田川に頼まれて江戸で調査することになります。北斎に聞いてみろって、本人に会えてもそんなわけにもいかないので、不審がられながらもおゆうは奔走します。たとえ真贋がわかったところで、現代の人にそれを納得させるにはどうすれば?…今回もよく考えられていて夢中で楽しみました。最後にあることが自分のせいで起きたのではないかと後悔するおゆうに伝三郎がかけた言葉が印象的です。最近、すこし後悔したことがあり、この言葉に少しだけ救われました。「遡りゃ、きりがねえ。人ってのはな、その場その場でいろんな道を選ぶ。それが間違ってることなんざ、いくらでもあるさ。そういうことの積み重ねで世の中は回ってるんだ。前に戻ってやり直しても、その次にはまた別の間違いを仕出かしているかも知れねえ。それを気に病んでも仕方ねえんだ」

  • いつも分析を頼んでいる友人からの依頼(?)で
    その絵が本物か確かめる事に。

    事件がなく平和…と思ったら、主人公が聞いた翌日に
    事件が起こってしまったという状態。
    しかも何を調査していたのか、も喋れない、困った状況。

    聞いた事によって、何が起こってどうしてしまったのか。
    何やらもう、色々ぐるぐるになってしまっていますが
    そんな結末か、という落ちでした。
    まぁ確かに、こういう事はあるな、と思いましたけど
    もう片方の落ちは…やってしまう、かも知れません。

    そして毎度おなじみ(?)主人公の疑われている事ですが
    組織にまで発展してきています。
    これはこれで、想像力豊かだな、と。
    でもまぁ、怪しいですから。

  • 祖母から譲り受けた江戸へ通じる不思議な家で江戸ではおゆうとして二重生活をしている元OL関口優佳。江戸で事件が起きる度、力を借りている民間分析ラボの友人宇田川聡史から頼みがあると呼び出され請け負ったのはー

    ◆うわ-、ついに北斎なんか出してきちゃったよ!いくらなんでも時代があってるからって本人に聞くって(笑)でも、そりゃ「同じ町内」にいるなら会ってみたい...。阿栄ちゃんが気さくでいながら鋭い子でさすが。こうなると朝井まかての眩も読みたいけど、先にこっちのライトな方で正解かも(笑)伝三郎も博学だなぁ...

  • 八丁堀のおゆうシリーズ、4作目。

    今回は、現代で起こった贋作疑惑を江戸時代で検証することに。タイトル通り、葛飾北斎が登場するということで楽しみしかないわ、なんて思いつつ読んだ。贋作のからくりはちょっとややこしかったが、元々の設定自体好みでもあり、やはり楽しく、面白く読めた。江戸の時代で得た真相を、如何にして現代にもたらすか、最後のとっておきの技にはビックリ!と同時にニヤついちゃう。歴史上の人物のこういう使い方、大好物だわぁ。
    正直、現代の捜査では指紋とDNA鑑定くらいしか今のところないような気もするけど、次作は空飛ぶアレが出てくる感じ?楽しみデス。

  • シリーズの第四弾になるのかな(^ ^
    お馴染みのシチュエーションで、お馴染みのキャラ、
    もはや「定型化」した最後の鵜飼様のモノローグ(^ ^;
    まぁ、安心して読めるエンタメ作品でした(^ ^

    例によってミステリなので、細かいことは書けず(^ ^;
    ただちょっと今回は、ナゾが込み入っていて...
    というか、はっきり言って「面倒くさくて」(^ ^;
    私のアルコール漬けの脳細胞では、
    所々ついて行かれなくなりまして(^ ^;
    もちろん、あっしが悪いんですが(^ ^;

    作者もそれは招致しているらしく、
    作中で登場人物も何度も首をひねってるし、
    やや「説明くさい」セリフも多い印象。
    もうちょっと分かりやすいと読みやすいのになぁ...
    と思った分、☆一つ減じてみました(^ ^;

  • 続編だと知らずに購入したためなぜ過去へ行けるのかがわからなかった。北斎親子が生き生きと描かれていて実際はこんな感じだったのではと感じるほど。

  • タイトル道理、北斎に聞けばすべて丸く収まるのにそうも言ってられない。
    面白いのだけれど、伝三郎よりも私、ラボの彼のほうが好きです。

  • 今回はストーリーの流れが新しかった。
    事件の起点は現代。
    歴史的有名人が出て来る。

    2018.2.21

  • 現代の優佳の金銭問題とか、ただ現代と江戸を往き来してるだけじゃ解決しない事件パターンとか、巻を追うごとに作者の工夫(苦労?)がかいまみえて、おもしろい。

    今回は、現代で見つかった北斎の絵が本物かどうかを調べる、という、現代で請け負った依頼。
    江戸の北斎本人に聞けば済むかと思いきや、そう簡単にはいかない。仲立ちになった何人かがいなくなっていたり殺されたり……しかも、おゆうは伝三郎に、なぜ北斎の絵を調べていたか説明できず、しんどい思いもする。
    贋作のやり取りはちょっとごちゃごちゃしていたが、事件そのものは単純で、犯人も分かりやすかった。
    でも、この話は、その周辺関係のエピソードがおもしろい。北斎や阿栄なんて有名人としゃべってお茶して、最後は滝沢馬琴なんか出てきちゃって、ウルトラCな着地の仕方だった。

    おゆうと伝三郎の仲がいっこうに進まないのも、もはやネタとなっているので、様式美。このまま進展しないでぐたぐたおもしろく引っ張ってくれてもいいけどな~~

  • NHK-BSプレミアムでTVドラマにしてほしい。
    高橋光臣君と波留さんで。
    それにしても、書店に置いてないことが多いですな。

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著者プロフィール

一九六〇年、和歌山県生まれ。中央大学法学部卒業。第十三回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉となった、『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』で二〇一五年デビュー。同作はシリーズ化され、人気を博す。一八年、『阪堺電車177号の追憶』で第六回大阪ほんま本大賞受賞。他に『開化鐵道探偵』『軍艦探偵』『江戸の闇風』『途中下車はできません』『鷹の城』など著書多数。

「2023年 『江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ 隣人の陰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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