セブンス・サイン 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800290007

作品紹介・あらすじ

ドラマ化決定の大人気シリーズ、最新刊です!

山中で死んでいた男の死因は、餓死だった。
胃の中に大量の漆が見つかったことと、真新しい法衣を身に着けていたことから、
絵麻たちは男が何らかの儀式をしていたのではないかと疑う。
やがて絵麻と西野は男が出家していた宗教法人・神護浄霊会に辿りつく。
しかし、男を監禁したらしい教徒の取調べの最中、予想外の事態が起こって――。
いっぽう、幼い娘の脳腫瘍を祈祷によって治そうとしている母子を心配した西野は、
幼馴染で看護師の琴莉に相談する。

感想・レビュー・書評

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  • おろしたてのように白い着物を着て、餓死した死体が発見された。
    胃の中に漆があったことから、即身仏にしようとしていた疑いが出て……。

    行動心理学で嘘を見抜く、シリーズ第7作。

    全体的にテンポがよく、おもしろかった。
    筒井や綿貫とも、なんだかんだうまくやっていて、全体的にコミカルで楽しい。

    西野にまつわる変化も、新鮮でほほえましかった。

    今回は『犯罪心理分析班・八木小春』シリーズの塚原が登場。
    絵麻との関わりが描かれているのも、興味深かった。

  • セブンス・サインの題名はもしかしてシリーズ7作目という意味なのだろうか?それとも、隠された7つの行動があるのだろうか?

    危機に瀕した動物の行動の3つのF、硬直、逃避、戦闘、さらにもう一つ先にフェイス(信仰)が加わった。今回もウィンザー効果やカラーバス効果など、心理学的な事象が織り込まれていて楽しめた。

    後半で、エンマ様の元カレの塚本が再登場した場面から、何かが起こると期待が膨らむ。また絵麻が危険な目に遭うのだろうかと読み進めたが・・・。

    自己愛性パーソナリティ障害は身近にも存在する。程度の差はあれ、人の内面を蔑ろにして金や私利私欲に向かうのは人の常なのだろうか?もしそうであるなら、残念だと思う。新興宗教の教祖にはこうした人が素質があるのかもしれない。そして教祖のみが無宗教だったりして。

  • 相手のちょっとした無意識のしぐさからホントかウソかを見抜く行動心理捜査官の楯岡絵麻が活躍する警察もの。相棒の西野刑事やいろいろ絡んでくる筒井刑事と綿貫刑事や西野の同級生の琴莉など、お互いのやり取りがなかなか面白い。カルト宗教を巡る事件自体はそう新鮮味はない。楯岡が駆使する行動心理学の威力がすごいが、実際にこういうのを警察で使っているのだろうか。

  • シリーズ第7弾。
    今作は珍しく長編。
    新興宗教の信者と見られる男性が、河川敷で餓死死体で発見されることから、物語が始まる。
    すぐに身元は割れるが、死体の胃の中から漆が検出されたり、監禁された跡があったことから、教団の内部に捜査に入る楯岡たち。
    今作は現場と取調室が交互に描かれたり、西野の恋の模様が描かれたり、シリーズも新しい展開に。
    でも、筒井や綿貫などのキャラは健在で、安定のある面白さで、今作もラストまで一気読み。

  • シリーズ、第七弾。
    行動心理学の達人で、相手の僅かな仕草から嘘を見破る美人刑事『エンマ様』こと、楯岡絵麻。

    今回の事件は、河川敷で発見された餓死死体。
    胃の中から漆が見つかったことから、ある宗教団体の関与が...

    そして、容疑者と思われる団体幹部の2人を取り調べの途中で、とんでもない事件が...

    前半に、西野の幼なじみとの再会の話がありましたが、後半、こう絡んでくるとは...

    最後、西野の純粋さと朴訥さが描かれて、ほんわかしました。

  • 楯岡絵麻シリーズ。
    男性の餓死死体から宗教団体の陰謀まで。
    息をつかせぬスリリングな展開はこのシリーズの醍醐味。
    今回も夢中で一気読みしました。
    歌織ちゃんの優しさが切なかったですね。
    西野と琴莉のこれからも楽しみ。
    自分的スポットは何といっても塚本さん!
    このシリーズだと憎まれ役だけど。
    八木小春シリーズを読んだ後だと色んな意味で愛すべきキャラでテンションが上がってしまった(笑)

  • 前作に続いてまたも長編。読み応えあるのにサクサク読めました。
    犯罪心理分析班とのちょっとしたリンクもあり、佐藤青南ワールドがますます楽しみです。

  • 佐藤青南『セブンス・サイン 行動心理捜査官・楯岡絵麻』宝島社文庫。

    テレビドラマも好調なシリーズ第7作。お陰で楯岡絵麻や西野の姿がイメージしやすくなった。

    テレビドラマの原作に対して言うのも変なのだが、随分とテレビドラマを意識した描写や作りが目立つようになった。毎度お馴染みのなだめ行動にマイクロ・ジェスチャー、三つのFだけでは長編となると些か苦しく、中短編くらいが丁度良いかも知れない。

    山中で発見された男の変死体。楯岡絵麻の手に掛かれば発見者の医師の不倫も暴かれ、変死事件に関わる宗教団体の秘密さえ暴かれる。

  • 長編!!やっぱり読み応えあり。

    宗教系はやっぱり重いね
    みんな悪いと思ってないとゆーか
    いいことしてると思ってるところが怖い。

    弁護士まで信者で
    生田と佐々木に首吊らせて。
    生田は意識戻っても後遺症で話せんやろし
    完全犯罪に近い。

    まあ元帥が即身仏ってゆーんはいーわ
    因果応報って感じで
    けどちょっと香織子が役不足かな。
    殺しすぎやし。

    まさかまた塚本が絡んでくるとは
    相変わらずなサイコパス
    やり方も変わってない
    漆飲ませるとかとんでもないやつ
    二度と出てきて欲しくない。

  • エンマ様シリーズ。相変わらず安定の爽快な取り調べ。だけれど、今回はなかなかに難敵……?
    即身仏にも似た死者の謎を追ううちにたどり着いた新興宗教。一見、それほどの脅威には感じなかったものの、徐々に湧いてくるうさんくささ。やはり一筋縄ではいきませんね。良いにせよ悪いにせよ、信仰心が支えになっているというのは厄介なものなのかも。
    今回は西野の活躍が素晴らしいなあ。まあたしかにいい人だけれど、といつもは思うくらいでしたが。今回初めてかっこよいと思えたかも(笑)。そしてちょっといいこともある……かな?

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著者プロフィール

佐藤青南
一九七五年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、二〇一一年同作でデビュー。一六年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズ、絶対音感刑事・鳴海桜子が活躍する『連弾』『人格者』『残奏』など、著作多数。近著に『犬を盗む』『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』『ストラングラー 死刑囚の逆転』がある。

「2023年 『残奏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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