経営に生かす易経

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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800912367

感想・レビュー・書評

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  • すべてが陽の卦からできている「乾為天」の龍の成長の物語と、全てが陰の卦からできている「坤為地」の牝馬の物語を通じて陰陽の関係を説き、「十二消長卦」を通じて陰陽が胎動しながら時々刻々変化していく有様が簡潔かつ具体的に説明されていておもしろい。

    『易経』を人生哲学、ビジネスの視点から説いた一冊。易経に初めて触れる人でもわかりやすく読める入門書になっている。

    さて、著者のいうように『易経』を占いの本としてだけでなく、生きていくための智慧の本として読むのは確かにおもしろそうなので、私も少しずつ読み始めることにする。

  •  「経営に生かす」とありますが、特に経営に限定したものではなく、易経の考え方を分かりやすく書いた著書と思います。

     易経は英語では「The Book of Changes」で、「変化の書」と呼べるのでしょうか。著者の本はほとんど読んでいるのですが、「竹村さん独特の」と書いたのは、易経の「乾為天」という卦で、龍の成長過程についての記述から始まるためです(竹村さんご自身もここに感銘を受けたとあります)。

     龍もいきなり高く飛び立つのではなく、「潜龍」となって田に潜みながら志を確立し、師から基礎を学んで「見龍」となり、それを実践しつつも常に反省を怠らない「終日乾乾」の時を経て、「躍龍」として天に昇ろうとし、遂には雲を呼び寄せ恵みの雨を降らせて人々を養う「飛龍」になるというものです。しかし、飛龍も驕り高ぶると雲を従えることができず「亢龍」というくだり龍となって「潜龍」に戻る、という「時の変化」を綴っています。

     時は変化するので、時流ではなく、その時にあった対応(これを「時中」と書かれています)をすることが大切で、冬に種を蒔いても無駄であり、尺取虫も伸びるためにはまず縮む時期が必要など、易経の考え方を分かりやすく記述しています。

     昨年1年は、個人的に色々とあったのですが、冬の時期は大地を養い、春の種まきに備えることが肝要でジタバタしないというこの著者の言葉には励まされたものです。

     陰と陽の捉え方もさまざまに書かれており、「時」について考えるのにはお薦めしたい一冊です。

  • 四書五経の中に、なぜ易経があるのか。それは私の中で、謎であった。中国の官吏登用の中で、なぜこの学問が必要なのかと。

    易経は占いと捉えがちだが数学や科学のもとであるし、もっと身近なところでいえば〈タイミング〉を読めということである。

    本著はビジネスを例に、勝機を考えることと、その考え方について述べている。

    しかしタイミングはビジネスに限らず、恋愛や結婚などのプライベートでも重要だ。要は、勝機を見なさいということであるから。

    また、万事は流転す。良いことも悪いことも、変化していく。良いことが続く時は慎み、周囲を助ける。悪いことが続く時、長くは続かない。開花する時を待ち、努力を重ねておくこと。

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著者プロフィール

易経研究家。東洋文化振興会相談役。
1949 年名古屋市生まれ。中国古典『易経』を、占いでなく古代の叡知の書としてわかりやすく紹介。全国の企業、官庁で講演やセミナーを開催している。『易経』全文を読むのに14 〜15年かけるNHK文化センター(名古屋)「現代に生きる『易経』入門」講座は今年で26年目になる。
主な著書に『超訳 易経 陽―乾為天―』『超訳 易経 陰―坤為地ほかー』(ともに新泉社)、『人生に生かす易経』『経営に生かす易経』『「易経」一日一言』、CDシリーズ『易経講座』1〜6(いずれも致知出版社)、『易経入門~64 の物語に学ぶ生き方』(CD 全13 巻/ユーキャン)などがある。

「2022年 『春の来ない冬はない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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