なぜ、日本人はマネジメントが苦手なのか

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  • 中経出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806139935

感想・レビュー・書評

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  • マネジメント理論はともかく,官僚としての経験談が面白い.モラルについて長く書いてあるが,ちょっと愚痴っぽいというか,精緻さを欠いているように思われる.教育改革には関わったようで,具体的かつ詳しいが,それ以外には割と雑なロジックだったりする.それでも仕事できるのねという感じだった.

  • 仕事をしている中で
    全く予想しないアクシデントが発生した場合、
    感情的になってしまい、よい対応ができない場合があります。

    日本人は欧米人に比べると比較的感情的になりやすく
    ロジカルな判断が苦手のようです。


    本日ご紹介する本は、

    感情的かつ抽象的になりがちな日本的マネジメントを正し、
    より冷静かつロジカルなアプローチで目標達成する方法を、
    Ph.P手法という理論をもとに解説した1冊。

    ポイントは
    「感情とロジカル」

    目標達成で大切なのは
    いかに事前に成功する確率を上げることができるか。

    そのためには、感情で判断するのではなく
    あくまでも理論的に判断し、準備する必要があります。


    「コンピュータゲーム」

    本書ではマネジメントは、
    コンピュータゲームと同じだと言っています。

    例えば、攻撃してくるキャラクターの性格や武器について、
    けしからんと怒っても始まらない。

    仕事上で、お客さんの性格が悪い、メンバーの能力が足りない
    と悩んでもしかたがありません。

    その中でどう戦うかをコントロールすることに
    注力する必要があります。

    的を得た、面白い比喩だと思いました。


    「手段を考える」

    ”手段の案を考えるときには、実行可能性を考えるな”
    と言います。

    手段の案を出す時に、出来ると思えることしか出さなければ
    大したアイデアが出るはずがありません。

    振り返って見ますと、アイデアを出すときには
    たいてい、現実的にできそうな案を1つか2つ出すぐらいです。

    アイデアと実際にやるのとは分離して考えないといけないな
    と思いました。


    「リスクマネジメントの3原則」

    ①悪いことはある確率で必ず起こると思っておく
    ②悪いことが起こる確率を下げる努力をする
    ③悪いことが起こった場合の対応をあらかじめ準備しておく

    日頃の忙しい中では、なかなか出来ていないことです。

    日頃、忙しいことを言い訳にできていないので、
    忙しくなくてもできていません。

    本来の仕事以外のことが、どれだけできるかで
    結果が違ってくるんだろうと思いました。

    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    日本人は具体的な目標を設定して、それをロジカルに達成していくということが苦手
    目標も手段も「上」から「命じられる」のであれば、自由もないかわりに、責任もなく、言われたことをするだけ
    上位のマネジメントにおける「手段」が、下位のマネジメントでは目標になる
    長引く不況の根本原因のひとつは、労働生産性の低さ
    意志や心に原因を求めてしまうと、システムに関する原因が見えなくなる
    あらゆる仕事に共通して最も重要なことは「間に合うこと」
    手段の案を考えるときには、実行可能性を考えるな
    「違反者はある確率で必ず出現する」という前提に立たなければならない
    マネジメント=結果がでたら「目標」と比較しなければならない
    悲観的に準備し、楽観的に実施せよ=できるだけ悪いこを想定し、自信を持って進める
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    「Ph.P手法」とは何か?―PDCAはもう古い!
    1 「現状」をつかむ―地球温暖化は本当に「全員共通の問題」なのか?
    2 「原因」を探す―鉄道事故は「運転手の緊張感の欠如」のせいか?
    3 「目標」を定める―「活性化する」とは何のことか?
    4 「手段」を選ぶ―「駐車違反の一掃」にはどうしたらいいか?
    5 みんなの「合意」をつくる―「少数意見の尊重」とは何か?
    6 手段を「実施」する―「消えた年金」の問題はどこで発生したか?
    7 結果と目標を「比較」する―「評価指標」をつくるな
    「リスク」と「クライシス」のマネジメント―戦う前から負けていたミッドウェー
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image01.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/83b055fc04f8ec52.png
     

  • そもそも「日本人はマネジメントが苦手なのか」というところを実感がありませんが、副題の「「PDCA」ではダメ、「Ph.P手法」で考えよう」という文言に惹かれ読んでみました。
    ネタバレになるのであまり書けませんが、感想としては有名な「PDCA」の考え方に「Ph.P手法」を(部分的に)組み合わせてみたらいいのではないかと思いました。

  • 現状の把握,原因の特定,目標の設定,手段の選択,結果と目的の比較からなるPhPサイクルの各プロセスについての解説。このなかで価値観に左右されるのは目的だけ,という点は重要。現状把握や原因特定を共有するためには議論を尽くすことが原則だろうけど,認知バイアスによる阻害が問題なのではと思う。

  • ゴーン 日本人マネジメントの欠陥 予測と希望の混同
    日本人はイメージに流されて現実を見誤りやすい
    事の本質は、人はその欲求の方向にしか動かない
    朝青龍 品格というモラルはルールではない
    要するに日本は、自由も民主主義も機能しない国であり、自由やルールや権利や責任が理解されていない国なのだ。超ルール的正義としての世間様モラル基準が支配する国なのである
    自分は現実を完全には把握できていないだろうという認識を常に持て
    日産自動車は、なぜ日産の車が売れなくなってきたか、という原因を特性せずに対策を講じていた
    モラルハザードは安心館がもたらす気の緩みという意味であり、倫理やモラルとは無関係の概念である。日本人の多くは倫理観の欠如と勘違いしている
    意識や心に原因をもとめてしまうと、そこで思考が停止してしまい、システムに関する原因がみえなくなる
    特になにもしていない、は因果関係をつかんでいない証拠
    いつまでにがなければ目標とはいえない
    切り捨てるものもきめないとだめ
    よいマネジメントとは、すべての人々がその欲求の方向にむかっていくと、全体が自然に目標の方向にむかっていくというもの
    人の意識は結果として変わる
    政治とは経済問題を倫理問題にすり替える技術のことだ
    日本国内でなんらかの対立が生じたときは、世間の人々やマスコミからかわいそうと思われたほうが勝ち
    上が横暴より、上が決めないという問題
    軍事マネジメントでは英雄の活躍で勝った作戦は失敗
    アセスメント 事前によしあしをきめる
    エヴァリュエーション 事後に良し悪しを検証する
    アプリシエーション 事後によきものと認める
    リスクとは将来の不確実な危険の存在
    クライシス 現在の明白な危機の存在
    クライシスマネジメント 情報と権限の集中が大事
    リスクマネジメント 達成不可能な目標への対応
    リスクマネジメントの三原則
     悪いことはある確率で必ずおこるという前提にたつ
     悪いことがおこる確率をできるだけ下げるという努力をする
     悪いことが起こった場合の対応をあらかじめ準備しておく

  • マネジメントを成功させる7つのステップ
    •現状把握 •原因特定 •目標設定 •手段選択 •集団意思形成 •手段実施の確保 •結果と目標の比較

    ○人は自分がうれしい結果へしか行動しない
    ○ルールを守っているかで判断する。モラルは人によって違う
    ○「達成可能」で「具体的」で「切り捨て(選択)された」目標設定
    ○メンバーの「意識改革」を手段にしてはならない
    ○手段と目標を明確に切り分けて意識する

    目次から拾った見出し↑

    無意識に行動していることを、意識下におき、「目標」と「手段」を明確化することが大事。
    上下関係からくる「目標」と「手段」の階層化構造と各階層のメンバーの目的意識を認識することで見えてくる

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