- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808708467
作品紹介・あらすじ
美術とは何なのか?この根源的な問題をはらみつつ20世紀美術は多様な展開を見せた。その「わかりにくさ」を「面白さ」に変える入門書の決定版。
感想・レビュー・書評
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20世紀の美術は、目まぐるしく変化する時代と同様に、様々な派、イズムが続々と出現し、そのスパンも5~10年と短い。20世紀の美術の源流は後期印象派、象徴主義、アール・ヌーヴォー、素朴派であり、そこからフォーヴィズム、キュビズム、オルフィスム、セクション・ドール、エコールド・パリ、ドイツ表現主義、未来主義、デ・スティル、シュープレマティスム、ロシア構成主義、ダダイズム、アメリカン・リアリズム、ヨーロッパ構成主義、ピュリスム、バウハウス、新即物主義、形而上絵画、シューレアリスム、アール・デコ、メキシコ壁画運動、アメリカン・シーン、現代彫刻、抽象表現主義、ポップアート、コンセプチュアル・アートと出現する。それぞれ、丁寧な解説と代表的な作品が挙げられていて、読んでいて非常に面白い。まさしく個の噴出と言っていいだろう。時代の動きにも影響はされているし、直前の美術運動への反動といった面も強い。
さて、1950年代にアイデア勝負のコンセプチュアル・アートが現れてから以降は一体どうなっているのだろうか。意外と新しい流れは現れていないのではないだろうか。それとも百花繚乱という状態であろうか。昨年2019年に愛知・トリエンナーレを見に行ったが、どう総括していいのか、いや出来ないのか。そのあたりも探求していきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本のおかげで、現代アートへの興味と魅力が倍増した。全くのシロウトにも魅力が伝わるような解説を心がけて工夫されている。楽し過ぎて、3回くらい読んでしまった。ただし、いかにもな現代アートではなく、「より古典的な」現代アート(つまり20世紀前半)までしか扱っていない。「いかにもな」方については、本書ほど簡易な入門書がないのが悲しいところ。
(なお、本書により足がかりを得たのちは、「20世紀の美術」「アート・ウォッチング」を初めとするもう少しお堅い図説を読み、「いかにもな」方へ進出を図っているところです!) -
様々な流派・イズムが乱立した20世紀の絵画の流れを簡潔にまとめてくれるありがたい一冊。
”芸術家は市民道徳や社会通念にとらわらない存在、アウトサイダーであるというロマン主義的なリベラリズム、ボヘミアニズムから、ダダイズムの壊し屋的なアナーキズム、あるいは徹底した反伝統主義を経て、今や自由をもてあまし、挑戦すべきタブーも、破壊、否定に値する偶像も見当たらず、前衛、が死語と化したのが現代である。”
手厳しい。。 -
概観するにはちょうどいい
1文が長い文章が多いので、もうちょい区切ったほうが読みやすいと思う -
自分用キーワード
ウィリアム・ドグーヴ・ド・ニュンク<盲目の家> ドラン<港の船、コリウール> アンリ・ルソー<飢えたライオン> ブラック<クラリネットのある静物> ドースブルフ<トランプをする人々> ピート・モンドリアン<菱形のコンポジション> ル・コルビュジエ<静物> ブランクーシ<空間の鳥> エルンスト<フランスの庭> マグリット<光の帝国> エドワード・ホッパー<ナイトホークス> ポロック<ブルー・ポール> -
近代から現代の美術史がわかる。