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- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784812211229
感想・レビュー・書評
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この本は私の所属する大学の積載書庫に眠らされていたものだ。どうしてこれほどの良本が開架に置かれなかったのか、足らない頭を持つ私でさえこの本を読み終えた時には疑問に感じずにいられなかった。周知の通り、哲学は古代から続くものであるがそのニーズは効率主義が世の中を席巻するのとは反対に低下し続けていた。だがしかし哲学は複雑な現代において自己の精神を養うため、あるいは世界全体の問題を解決するために必要不可欠なファクターなのである。例えば環境倫理学は専門家たちによる演繹的な議論の結果に過ぎないが当事者である地元住民や民間企業、それから政府機関が道を踏み外さないように第三者として組み込まれる余地は大いにある。そして、本書では人間中心主義か人間非中心主義かを考えた時に人間もまた自然というシステムに組み込まれた一部であるから自然に貢献しなければならない。そしてその方法として自然を遠ざけたりするのではなく、人間の力を総動員する形で貢献しなければならないのである、という旨が記されている。これを読んで私は木材を海外から輸入してばかりいる日本を宇宙から見た姿を想像した。果たして人間は何を目指して生きるべきなのか、環境倫理学の参考の一部として、また現代の人間の生きる道すなわち哲学の最先端としてこの本は大いに貢献していると感じられた。
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