- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784813010463
感想・レビュー・書評
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受が儚げにみえて強い。親子二代に渡り初乃に執着するヤクザの組長、純愛を貫きヤクザに身を落とす男。両極端な二人の間で真実の愛を求めながら、実は翻弄していたのは初乃の方かもしれない。まるでお耽美昼ドラ大河を観ているような緊迫感、最後の最後まで落としどころが分からずBLでこんなにドキドキしながら読むのは木原小説以来かな。それくらい面白くて痛くて切なかった。純愛と執着はどう違うのか、BLというか恋愛の根本的なテーマな気がします。
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背表紙のあらすじと山本タカト先生のファンだったため購入。読んでる時の気分の良さと言ったらありゃしなかった。あらすじから分かっていたがキャラも内容もかなり良い。不思議な妖艶さを持ち合わせる主人公がヤクザの世界で淡い恋心を抱きながらどんどん不幸な目にあって最後に愛を知る。こんな良い(私好みの)シナリオ好きにならない訳がない。ただ、山本タカト先生の絵が苦手だよっていう人には頑張って読んでいただきたい一冊です。
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久しぶりに手に取った「その世界」が主軸の作品。
古のJUNE作品の流れを汲む作風…という印象はあったのだけど、途中で挫折しました。
気になったのは、ヤクザというものが単なるアイコンとして使用されているのか、この世界に必須の設定なのか…。そこは読み通していないので確認できませんが、用意された設定と小道具の全てが、どこまでこの世界の確立に必要なものだと感じられるかがキーだと思っているので、それを確認するまで読み通す気力がもらえなかったことが残念です。
というか、セクシャルなものを含む愛に焦点が当たりすぎるジャンルは体力気力ともに読み通せなくなったのかも。
山本タカトの絵も、以前ほどには見通せなくなったものなあ。 -
一言でいえば長きに渡る極道の愛憎劇なのだけど、終盤、主人公・初乃が自分の生き方に腹を括ってからは感動の名作に転じました。よく耐えたなぁ初乃。まだ寒い時期に咲き、闇の中でも香りで存在感のある、まさに梅の様です。組長・悦司の手紙にも胸を締め付けられました。
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山本タカト氏の挿絵に惹かれ購入。
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●男のくせに、どうして男を誘うんだ?●十三歳のとき、初乃は広域暴力団多岐川組に養子として引き取られた。表向きは大切な跡取り候補のひとりとして。だが、実際は組長でもあり養父でもある滝川悦造の愛人として監視され、歪んだ愛欲に晒される屈辱を倦みつつも、生きるためにはどうしようもなかった。そんなある日、初乃の前に真直ぐな目を持つ男・花村が現れ、ふたりは惹かれあうのだが。
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面白かった。BLというよりジュネっぽい話。
山本タカトさんのイラストが淫靡で最高です。 -
水原ワールド、全開・フルスロットルです
これでもかってほど、主人公が痛い目にあってます
色々痛いんですが、読み応えはあります
イラストは好き嫌いが割れそうな感じですが、この絵師さんでっ!と思いつく人もいないかもです
ラスト部分では救われてるのかな…
これから幸せになれるといいな… -
初めてBLで泣いた。
痛み、憎しみ、諦め、愛……
初乃の中に渦巻く様々な感情が、痛みを伴いながらも美しく収束されていくさまに、人の持つ根源的な強さみたいなものを感じた。
ラストの素晴らしさには読後しばらく浸っちゃいますね。
山本タカトさんの挿画もひたすらに眼福。
読めて良かったです。