- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784813011019
感想・レビュー・書評
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確か、秋に四冊目が出て最後とか言うのを聞いた。全部出てから一気に買って読もうと企む(笑)
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切ないとか痛いとか。効果的に盛り上げてくれます。
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椎葉と同じ立場にいる刑事・永倉との繋がりを通して、椎葉は自分の立場に悩む。エスである宗近と、どう向き合っていくのか。悩み、迷いながら、それでも自分の心を強く律していく椎葉の強さと脆さが危うくて辛い。
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ドラマCDを所持
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1巻よりも椎葉の苦悩が際立っている気がする、どこまで行くのかこの二人の関係は…
続きが気になる1冊です -
●感想● </br>
最初に言っておきますがネタバレしてますので承知しておいてください。できれば、これからこの本を読もうとお考えの方には、この感想を読むことをお奨めしません。
何の情報もなしで前作の<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?path=ASIN/4813010431&link_code=as2&camp=247&tag=makishome09-22&creative=1211">エス</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=makishome09-22&l=as2&o=9&a=4813010431" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />を読んだうえで、この本を読むことをお奨めします。</br>
良くできていて、BLというカテゴリーで片付けるには勿体ないお話です。純粋に愛だ恋だとかエロだとか言う次元のお話ではありません。
一番初めに登場する3人が誰なのか”宗近と椎葉でない”ことは明瞭なんだけど・・・。”特に組み敷かれている男”と”静観する男”。常にこのことが頭の片隅にありました。パズルが解けるように、ある瞬間3人の謎が解ったときにはもう、やられてましたね。この場面以外にもたくさんの伏線があり、その時は???なんだけど読み進めるうちの「あの時のことだ・・・」と気づくことが多い。「そんなこと無いだろ!」って突っ込みたくなる話の詰めの甘さも、この作品に関してはないのです。・・・っていうか、逆に緩めてもいいんじゃないかって位厳しい。冒頭の引っ張り方もそうなんだけど、最初に抱き合う二人(宗近×椎葉)とラストに抱き合う二人の違い、ラストの咬み痕・・・のクダリにはもう完敗。椎葉の心の中にいろんな咬み跡を残した永倉「だからタイトルが〜・・・」って。</br>
今回常に相対するものがあって、表と裏の立場とか思いが交差してます。エスと寝る椎葉と、手を出さない永倉。椎葉と義兄、浅川、上司の高崎・・・皆、思いは一緒でも立場が違えば感情を表に出せないこともあるし、思いのぶつけ方も違う。まして宗近とはどんなに好きになっても、全てを捨てなくては交わる道はない。
<blockquote>「荷物を置いたなら、帰れ」</br>
椎葉を見据えたまま振り向きもせず、宗近が冷たく命令する。だか鹿目は立ち去らなかった。</br>
「何をしているんだ。早く出ていけ」</br>
「・・・奎吾さん」</br>
いつも社長と呼びかけている鹿目が、宗近を名前で呼んだ。宗近がゆっくりと鹿目を振り返る。</br>
「お願いです。やめてください」</br>
見つめ合うふたりの間に、緊張感のある短い沈黙が訪れる。先に緊張を破ったのは宗近の方だった。かすかな苦笑いを浮かべて、小さく首を振る。</br>
「鹿目。これはお前が思っているようなこととは違うんだ。・・・決めるのは椎葉だからな。俺じゃない。俺はこいつが答えを出すのを待つだけだ」</br>
どういう意味なのか椎葉には理解できなかったが、鹿目には宗高が言いたいことが理解できたようだった。その証拠に宗近に頭を下げ、鹿目は踵を返した。</br>
部屋を出ていきしな、鹿目は一瞬だけ二人を振り返り、痛ましそうな眼差しを送ってきたが、それが果たしてどちらに向けられたものなのか椎葉にはわからなかった。
</blockquote>
この時の鹿目の行動がスゴく気になってまして・・・。
何故、宗近が豹変して暴力をふるったのか、その場面では解からなくて、だからこそ鹿目のセリフがどうしても気になってて。結局、悩む椎葉を自分から退かせるように仕向けようとした宗近の心情を察したのか、思い合っていながらこんな風にしかなれない二人を思ったのか・・・。
<blockquote>「・・・あんたが真生を抱かなかったのは正解だ。エスと寝るなんて自殺行為でしかない。自分で自分の首を少しずつ絞めてるみたいだよ・・・」</br>
今の椎葉は腑抜け同然だった。宗近の行為に打ちのめされ、永倉に痛いところを突かれ、弱い心がむき出しになっている。みっとない姿を永倉にさらけ出すことに苦痛を感じなかった。それどころか自分を貶める言葉を吐くことで、自虐的な快感すら味わっている。</br>
「俺は、宗近に抱かれているうちに、おかしくなったのかもしれない・・・。あんたは俺を汚れていないって言ったけど、そうじゃない。俺は汚い。とっくに汚れちまってる。なのに他人にそれを知られたくなくて、きれいな仮面を被って生きてるんだ。だけど、もう駄目だ・・・。中から腐っていく。汚れて、汚れて、いつかみんなに後ろ指さされて、軽蔑されて、俺はもう・・・」</br>
椎葉は軽い錯乱状態に陥っていた。昨夜からの緊張の糸が切れ、押さえ込んでいた恐怖や不安が一気に流れ出したのだ。</br>
「このままだと、どこまでも落ちていく。どうすればいい。自分で自分がわからない・・・。怖い、これ以上何も感じたくない・・・。もう許してくれ、宗近・・・俺は、俺はお前を−−」</br>
「椎葉」</br>
小刻みに揺れる椎葉の体を、永倉が包み込むように抱きしめた。男の力に本能的な恐怖が沸き身を捩ったが、永倉はしっかりと抱いて話そうとしない。</br>
「お前は汚れてなんていない。誰に抱かれても、どんなことをされても、ちっとも汚れてなんかいない。大丈夫だ。心配なんていらねぇよ。お前は俺みたいに堕ちたりしない。ちゃんと踏み止まって、塀の内側に堕ちないで歩いていけるさ。大丈夫だ。大丈夫だ・・・」
</blockquote>
最初は、永倉が嫌いで嫌いで。椎葉のホモがバレて苛められるのか・・・なんて思ったけど、もちろんそんな甘っちょろい話ではなくて。逆に小鳥遊の気持ちは分かり易かったんだけど。永倉は椎葉を通して真生を感じる、真生は椎葉を通して永倉を感じる。シンクロするように椎葉も二人の間でどうすることもできずに悩む。椎葉も宗近に言えない気持ちを永倉にぶつけ、永倉も真生に言えない気持ちを椎葉にぶつけて・・・エスと刑事の境界線が二人を苦しめる。悩みの原点は宗近の”俺を裏切れないのと同じくらい自分自身も裏切れないんだろう?”のセリフ通りですね。どことなく真生も永倉も自分から死を選ぶような気がずっとしてて・・・でもそれよりも無情な終わり方でしたが。真生が武器庫のことを知っていたのは気づいてたし、真生の心情から隠し通すだろうことも理解できてたので私は彼を責めることはできないですね。
ラストの挿絵がスゴくスゴく好きです。一瞬だけでも、せめてベットの上だけでも幸せな二人でいて欲しいな・・・と思えるんですよ。
また来年2月にこの先の二人が読めること、楽しみにしてます。</br>
<a href="http://www.taiyo-pub.co.jp/b_garden/event/es_tokusyu/main.html" target="_blank">大洋図書さんで「エス」特集やってます</a>、是非!見といて損はないですよ。
特に『<a href="http://www.taiyo-pub.co.jp/b_garden/event/es_tokusyu/sleep.html" target="_blank">sleeping beast』宗近視点のオマケ</a>は必見!ラストで椎葉が泣きじゃくった後・・・のお話。宗近の本心に泣きました。宗近の登場が少なかった今回、貴重です。無防備な椎葉も貴重ですが・・・。プリントアウトしときたいけど壊れてるんだなぁ〜。
PS・あまりのこの話に入りすぎて、同時に買った某刑事×ヤクザものが読めなくなった・・・薄っぺらく思えちゃったんですよ。あの人すぐ殺しちゃうんでね。多分、今回報復でしょ・・・。</br>
●あらすじ●</br>
どこまで身体を開けばいい?どこまで心を許せばいい?
警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対5課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。その操作方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点が置かれている。そんなある日、大物ヤクザである宗近をエスとし、自分の身体を餌に情報を得る椎葉に、上司からの命令が下った。それは同僚の刑事である永倉の援護をするというものだった!刑事とエス。それは運命を共有する関係でありながら、決して相容れない存在でもある。英田サキが贈る孤独に生きる男達の歪で鮮烈な愛の物語。 </br>
●シリーズ刊●</br>
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?path=ASIN/4813010431&link_code=as2&camp=247&tag=makishome09-22&creative=1211">エス</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=makishome09-22&l=as2&o=9&a=4813010431" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /> -
宗近奎吾(33)×椎葉昌紀(29)。同僚の永倉のサポートで永倉のエス・小鳥遊真生(20)とかかわることになる・・・。宗近、いい男ですよ。永倉もよく知ると、結構いけます(笑)。切ない恋ですよ〜。
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シリーズ2作目。CDも出るらしいよ
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S系列第二作
配对:?道头目辅佐人兼企业干部(32岁)X组织犯罪对策第五课刑警(28岁)
星:4.7