学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
- SBクリエイティブ (2022年9月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784815615833
作品紹介・あらすじ
【内容】
著者は、臨床経験30年以上の発達障害の専門家。未就学の幼児から成人まで多数の発達障害の人たちの診療に当たってきました。
発達障害の人たちの社会参加を難しくするのは、発達障害の特性よりも、身体症状、うつなどの二次障害によることが大きいと、著者は感じているそうです。
そして、小学校以降の発達障害の子の場合、学校生活の中で経験するストレスなどが要因となって、不登校などの問題が生じることも少なくありません。発達障害の支援で、最も重要なことは二次障害を予防すること、そして、二次障害が生じたときにその悪化を防ぐことです。そのためには、学校が子どもたちにとって楽しく学べる場である必要があります。
発達障害のお子さんは、「多数派」「平均値」「友だち」に合わせなくてもいい――とはいうものの、学校とは「多数派」「平均値」「友だち」に合わせるべき最たるところ。いったいどうやって、発達障害の子は学校と折り合いをつけていけばいいのか、じっくり考えていきたいと思います。
感想・レビュー・書評
-
少子化が進んでいます。学校は統合され数を減らしています。しかし、特別支援学級は増加の一途をたどり、特別支援学校の新設も相次いでいます。
学校は多様な特性を持った子どもたちが「共生」する場となっています。
私たちの学生時代とはかなり変化していることを感じます。そして、10人に一人、いや6人に一人が発達障害などの特性を持っていると言う医師もいます。HSPやLGTBQなども入れると今の時代どの特性にもかすらない人ってほとんどいないのでは…と思ってしまうのです。私はどっちかっていうとADHDかな?医師じゃないからわからないけど。
さて、学校では3つのステージを子どもたちが自由に行き来できることが大切とあります。
①ユニバーサルデザインの学級(通常級)
②それでも特別な配慮が必要な子への合理的配慮(通常級、特別支援級)
③個別の特別な教育(特別支援級)
先生たちも通常級と特別支援級両方できなくてはいけない時代になりました。いや、大変だ。
医療と家庭と学校が連携していく時代になっています。でも、世の中はそのスピードについていけてない部分もあります。「合理的配慮」は学校だけでなく職場でも法令で「義務化」されているそうです。
これからもどんどん変化していく学校、社会。
どう「共生社会」を創っていくのかが問われ続けています。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
しばらく積読になっていたけれど、今年度出会った子供たちの中で気になる子供がいたので、何か参考になることはないかと手に取りました。
とても解りやすく書かれていて、親の立場、先生の立場、協力して出来ること、と書かれているところは良かったです。
障害の有る無しに関係なしに、子供ひとり一人にあった環境で学べたら健やかに育っていくだろうな~と思いました。
また、書名には「発達障害」と書かれているけれど、そうでない通常学級に通う子供を持つ人が読んでも参考になるのではないかと思いました。 -
発達障害とそうじゃないとを分けての教育ではなく、ハイブリッド型の教育を推奨している。
家庭と学校とでサポートすることは当然必要で、それでも本人もつらい思いをすることもある。
向き合っていかなくてはならない問題だと改めて認識した。 -
精神科医の立場からの考えが述べられており、学校現場的な視点で考えると全面的に肯定できる主張ではないと思う。
「学校の標準の幅が狭い」という主張は正論ではあるが、子どもたちそれぞれに合わせた支援や指導を行なっていくためには、今の現場はあまりにも忙しく、人手が足りていない。
保険的に特別支援学級に入級させるという主張も現場的な視点で考えれば、限られたリソースの中で適切な場所に支援の手を割り振ることができなくなるという点ではかなり困った主張のように感じる。
学校現場にも変わらなければならないところはあるのは勿論わかるが、法律的な教室の設置基準や教員の配置基準などを変えて、余裕を持って子どもに関われるようにしなければ、本質的なところでは変わることはできない。 -
学校選びの基本的な考え方を学んだ。
学校選びを何を基準に考えて行った方が良いか、丁寧に説明されている。支援が必要な子ほど、早くから支援環境が整っている場所を選ぶこと(小学校1年4月〜支援を受けること)が大事だと改めて強く感じた。 -
発達障害の子を持つ親や、学校の先生にはぜひ読んでもらいたい本。どんなことを学校に期待すればよいのか。学校をどのような場にしていくのか。これからの学校教育をどのようなものにするのか。「おわりに」に書かれた「子どもたちを追いつめるのは、もうやめませんか?」の言葉が切実に感じられた。具体的には、親と学校のコミュニケーションの取り方がとても参考になる。「要求」ではなく「相談」。
-
固定概念を壊す
-
教師向けの内容が半分はあったので
読み応えは半分だった
その前のシリーズも読んでみる