- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822243647
作品紹介・あらすじ
お役所任せじゃ、もうダメだ。障害者も、自分で稼いで社会に出よう!「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親が挑むほんとうのノーマライゼーションの道。
感想・レビュー・書評
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良書。
福祉関係者、福祉に興味ある人ならばぜひ読んでもらいたい一冊である。
そういった方には、少し耳の痛い話が随所に出てくるかもしれないが、
僕自身思い当たる所があるだけにぜひ読んでもらいたい。
重要な部分が何度も繰り返し書いてあるので、きっちり頭に入り、また読みやすい。
ただ、小倉昌男氏自身にかなりの資金力があったからこそ、このような事が出来たのだろうとは思う。 -
【ノーマライゼーション】
本書の著者、小倉昌男さんのことを知っていますか? 彼の父は大和運輸(現ヤマト運輸)を創業した人である。そのヤマト運輸の経営に危機が訪れた時に、宅急便の案を取り上げた。その宅急便こそが、誰もが知る「クロネコヤマトの宅急便」であり、彼はその生みの親である。ヤマト運輸では会長を務めていたようだが、その後、ヤマト福祉財団の理事長となっている。
ヤマト福祉財団とは、障害者の援助を行う財団である。皆さんは、障害者の自立とは何だと思いますか?これが、この財団を設立した一つの課題である。障害者の方は、家族が面倒をみていることが多い。自立させたいと思ってはいても、心配でなかなか自立させることができない親御さんが多いのではないか。私も街で、両親と買い物をしたり、散歩をしたりしている障害者を見かけることがある。家族がついていれば安心だし、何かあってもすぐに対応することができる。だが、それでは自立とはかけ離れてしまう。
そこで、障害者のための「共同作業所」という就労施設がある。それは、障害を持った子供たちに、実際に職業を教えて、お金を稼いでいるものだ。それは、自立に繋がる第一歩のように感じる。だが、その作業所では障害を持った人たちに、毎日朝から晩まで働いたとしても「月給一万円」しか払っていないという。それに対し、著者は「経営する概念」が欠けていると述べている。「経営」と聞くと、企業が必要とするものと捉える人が多いのではないか。私もそのように捉える。だが、それは障害者のための共同作業所にも必要だという。そのように著者が考えるのは、自分がヤマト運輸で経験した「経営」の苦労があったからである。
だが、日本では「ノーマライゼーション」とは遠いものとなっている。社会では、障害者に対する差別があり、外に出ることができない人もいたという。今では、バリアフリーというものがあり、障害のある人でも暮らしやすいような工夫がされているのを見る。私は、障害者が自立するのには、差別をなくし、満足してもらうことが「ノーマライゼーション」につながるものだと考える。
著者は、自分だけではなく、相手の立場を考えて、挑戦してみる。その熱意があったからこそ、行動に移すことができたのである。本書は、あとがきで著者も述べていたが、障害福祉の関係者の方はぜひ読んでもらいたい。また、経営について興味がある者も一度読んでもらいたい本である。 -
障害者の月給1万円からの脱出、その一番良い方法は?
まず給与を一定金額渡す、それからその金額を払うにはどうする事が必要かを考える。
この考えは我々が仕事をしていく上でとても重要な考え方だと思う。つまり、まずあるべき姿があり、それに向かって行動をする。我々の仕事に関していえば、大事な事はそのあるべき姿の確立だ。 -
副題は『障害者の月給1万円からの脱出』。ヤマト運輸の経営者として、かつて宅急便で物流業界に革命を起こした小倉昌男氏が、障害者の方々が置かれた状況を変えるべく、考え実行した内容が綴られている。福祉にとどまらず、企業のあり方についても考えさせられる1冊である。
第1章 障害者の自立を目指そう!私の福祉革命
第2章 福祉を変える経済学
第3章 福祉を変える経営学
第4章 先進共同作業所の経営に学ぼう -
369.27
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重複が多いのが難点ですが、理念や主張が素晴らしい。
宅急便でおなじみの小倉さんですが、
今回は福祉の本ですね。
まず、欠点は何度も同じ話が出てくること。
内容がいいから我慢出来ますが、結構酷いレベルです。
それは目をつぶるとして、理念と主張と行いは最高です。
小倉さんレベルなら福祉施設に寄附して終了でもおかしくないのに、福祉施設に「お金を儲けろ!」というのが只者じゃない。
・いいものを作ることより、売ることが大事
・障害者の給料を一万円から三万円に上げるには、明日から払えばいい
・障害者だから月給一万円でもいいなんておかしい。お金を儲けることを考えろ
つまり、つまらないものを作って、バザーで善意の人に買ってもらって、申し訳なく生きるのではなく、売れそうなものを作り、お金を稼ぎ、それを堂々と好きなことに使うのが真の障害者の幸せだろう、という主張です。
この人は、みんなが見過ごしている本質を見抜く目を持っているのでしょうね。
障害者だから可哀想、助けてあげようではなく、一般企業に就職させるのが真のノーマライゼーションってなかなか言えないと思う。
理論や効率は追求しつつも、人の弱さや感情をないがしろにしない。
まさに真の経営者の理想像を見た気がします。
また、理想を語るのではなく、試して、失敗して、またチャレンジして、結果を出してと、実践している人だからこそ言葉にも重みがあり、心に響きます。
重複が多いので買うのは薦めませんが、図書館で借りてでも一度に読むべき本です。
学者や評論家のビジネス本より余程タメになります。
かなりオススメです。 -
わたしの夢とミッションと作りたい世界がつながった!続きはスマノで。
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著者紹介はするまでもないと思いますが、ヤマト運輸の社長・会長を歴任された、故小倉昌男さんのご著書です。2003年10月が初版ですから、いまから11年前の本ということになります。
ヤマト運輸の会長を退任後、ヤマト福祉財団を設立されました。そこで行われてきた、障害者就労施設の施設長や職員向け「経営パワーアップセミナー」の内容を中心にまとめられたご本です。
<目次 >
第1章 障害者の自立を目指そう!私の福祉革命
第2章 福祉を変える経済学
第3章 福祉を変える経営学
第4章 先進共同作業所の経営に学ぼう
福祉について書かれた本であると同時に、あるいはそれ以上に、「経営の入門書」と捉えたほうがいいと思います。
http://amba.to/1oKTV6G