部下を育てるリーダーのレトリック

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  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249717

作品紹介・あらすじ

「最初は選手の期待に応えようと努力したが、彼らから返ってきたのは、不満の声と蔑むような舌打ちだった-」早稲田ラグビー史上「最もオーラのない監督」と言われた男の人心掌握・部下育成術。

感想・レビュー・書評

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  • 言っていることは間違いではないのだけれども、いかんせん体育会系のノリが前面に出すぎてしまってスローガン先行、精神論的な部分が多くて・・・。スポーツにおける自身の経験に裏打ちされている部分も多いのでしょうが、ターゲット読者であるビジネスマンが自分の仕事で同じノリで実践してうまくいくのかどうかはちょっと疑わしいなと感じました。

  • 『土は土に、花は花に徹しよう』
    中竹竜二氏が早大ラグビー部主将の時に言い続けた言葉。

    レトリックは修辞学
    様々な人にわかりやすく物事をつたえ、納得させ、人を動かすための必要なスキル。

    氏は、言葉の持つ意味を最大限発揮し、明確に示すことの大切さをこの本で経験した様々なエピソードを交えて教えてくれます。

    中でも印象的だったのが、
    『すごい人』より『できる人』になろう。
    ものごとに対して真摯に向き合う態度がある人。
    詰まらないことも自らの成長に繋げるためのキーワード。
    まだまだ自分には足りない部分だと痛感しました。

    自分自身を高めたい人、オススメです。

  • 部下を育てるときに語る言葉についてヒントになりそうなことをまとめた本。
    早稲田のラグビー部監督として、ゆるいリーダーシップ、リーダーシップよりフォロワーシップといったことで有名な著者。それをベースに、気づきを促したりやる気に火をつけたりといった実例を書かれているが、、

    全般ややありきたり。ただ、この人がこういうんだとかこれは使える、といった点をいくつか。

    頑張った。だからいいではなく、やはり結果は要る。結果にも責任を持たせる。
    正論は小声で言う。正論を言うなとは言わない。その度に玉砕していてはいけないので、小声で。
    見てやれる時間を有効に使うために、どこを見て欲しい?と問う。

  • 戦略的に鼓舞するという、忍耐と時間がかかる育てかた。時間的な許容との天秤の要素が多いが、相当練られた戦略。

  • ■レトリック

    A.苦手なことはやらなくていい:人には、その人にしかない「らしさ」がある。ステレオタイプな「理想像」を押しつけず、「君が持つ『らしさ』を生かして頑張れ」と励ませば、部下はポジティブに役割に向き合う。

    B.失敗することが若手の組織貢献だ:「若いうちにはチャレンジして失敗することが重要」という言葉は、失敗を恐れる若手には無責任な言葉に聞こえる。「失敗することが若手の組織貢献だ」と言う方が、チャレンジを促せる。

  • [読んだ理由]==================
    忘れた…。多分、リーダーシップ関連の本を検索してたら引っかかった、とかだとは思う。


    [読んだ後の感想]==============
    ラグビー監督ということで、選手と監督との関係が主な例として取り上げられてる。なので、主従関係や敵や勝敗が割と明確。そのまま仕事になぞらえるにはちょっと「ん?」と一呼吸考えないといけない例が多かった様に思う。ただ一部には共感できる話もあった。


    [備忘録]======================

    ■プロローグ:レトリックはリーダーの必修科目である


    ■第一章:気づきを与える言葉
    「「すごい人」より「できる人」になろう」
    「できる人」とはどんな人か。「あの人、できる人だね」という時、どんな人を指しているだろうか。きちんと準備して、抜かり無く問題を片付け、スケジュール通りに確実に成果を出す人。つまり「できる人」を正確に表現すると、「きちんと+やる人」ということになる。

    たかだか数年働いただけの社員が「学ぶことがない」はずがない。とは言え「誰からでも「効率的に」学べる」わけではない。だからこそ「学ぶことと学ぶ相手をマッチングさせよう」「学ぶ相手を間違っていないか」という言葉は重要な意味を持つ。

    「準備を失敗するということは、失敗を準備するということだ」
    準備の失敗とはなにか。大きく分けて「起こりうることの予測の間違い」と「起こりうることへの対処法の誤り」の2つだ。

    「迷えることは幸せなことだ」
    正しい迷い方を阻害する4つの「邪魔者」が立ちはだかっている。それは「目先の欲」「リスクへの不安」「他者からの引力」「意味のないプライド」である。これらは、複数の選択肢を前にした人の目を確実に曇らせる。


    ■第二章:部下の成長を促す言葉
    「トップに立つ人には、その人だけの振る舞いが有る」
    私はよくスキルは「点」であると説明している。店のスキルは、そのスキルが発揮できる瞬間にしか役に立たない。逆に「スタイル」は「線」だ。スキルを含めた点が線で結ばれた時、初めてどんな場面でも力を発揮できるようになる。言い換えれば、勝てる組織が持っているのは勝てるスタイルであり、成果が出せる人が使っているのも、成果が出せるスタイルだ。

    「思い切って、1日に回るお客さんの数を減らしてみよう」
    成功や成長のためには、ひたすら実践すればいいというわけではない。実践のためには準備、そして、実践後には振り返りが必要である。

    「未来の自分と話をしよう」
    大口顧客を競合に撮られた。その時「ああすればよかった」「次はこうしよう」で終わらせてはいけない。もう一度顧客を取り戻す、別の顧客を獲得する自分をイメージさせ、そのために「今、何をすべきか」を明らかにする。そこまでして初めて、失敗を具体的な学びに落としこむことができる。

    「自分のどこを見てほしい?」
    「1日に5分しか君のことを見ていられないとするならば、どこを見ていてほしい?」上司は部下に先ず、こう問いかけるべきだ。そして、部下が見てほしいというポイントが、成長という観点に照らしてずれている場合は、きちんと議論し、修正してやることが上司の役割だ。


    ■第三章:チーム力を高める言葉
    「相手よりも先に挨拶しよう」
    挨拶をする際、加えて心がけるべきことは「相手よりも先に挨拶する」ことである。先に挨拶をすることに慣れておくと、どんな場面でも気づいたことをすぐに言葉として発する癖がつく。「それ、いいですね」「その本、なんですか?」といった言葉を自分から発すれば、必ずコミュニケーションが生まれる。

    「君たちが覚えていないのは私の責任だ」
    覚えていないことを攻めたところで、意味は無い。覚えられないのは、浸透させる工夫が足りないからだ。つまり、浸透させる側である上司の責任ということになる。

    「相手に期待するな」
    相手がいいパスを出してくれること、相手がきちんとパスを受けてくれることを期待していては、想定内の場面でしか高いパフォーマンスを上げられない。ビジネスで言えば、有る特定のコンディションにおいてのみ、力を発揮できる人材にしかなりえない。

  • ■書名

    書名:部下を育てる リーダーのレトリック
    著者:中竹 竜二

    ■概要

    あなたは何気ない一言で若手を潰していませんか――。
    「リーダーは言葉を熟慮し、駆使すべき」の信念で、ラグビー選手の
    指導・育成に当たり、早稲田大学、U20日本代表で成果を上げて
    きた筆者が、若手のやる気を引き出す言葉のかけ方を具体的に指
    南する。

    日本の管理職が普段、部下に投げかけている言葉にいかに間違い
    が多いか。筆者はラグビーチームでの実例を引きながら、「常識のウ
    ソ」を明らかにする。
    部下の心に本当に刺さる指示、助言をしたいのなら、通り一遍の言
    い方ではダメ。真意をわかりやすく伝え、相手を納得させ、動かすた
    めには、より効果的な言語表現(レトリック)を常に考える必要がある
    ――。ともすると、マイナスのイメージでとらえられることもある「レトリッ
    ク」が、「今やリーダーの必修科目になった」と筆者は言う。

    「最初は選手の期待に応えようと努力したが、彼らから返ってきたのは、
    不満の声と蔑むような舌打ちだった――」。早稲田ラグビー史上「最
    もオーラのない監督」と言われた筆者は、監督就任当初の苦しい胸
    の内を、本書でこう振り返っている。
    誰もが認める「カリスマ」だった前任者との埋めがたい落差。それを痛感
    する中で、筆者は「リーダーが正解を示さなくても、部下が自律的に動
    いて成果を上げる組織」「叱らずに、若手のモチベーションを高めるマネ
    ジメント」を探求していく。本書で紹介される言葉は、そのエッセンスとも
    言えるものだ。「部下に気づきを与える」「成長を促す」「チーム力を高
    める」という3つの切り口から考え出された51のレトリック。部下育成に
    悩む多くのリーダー、マネジャーにとって、明日から役立つ教材になるは
    ずだ。
    (From amazon)

    ■気になった点

    ・言わなくてもわかるというのは幻想にすぎず、
     同じ組織の人の価値観も1つではなくなってい
     る。

    ・部下に何を伝えたいのか、メッセージを整理する。
     その上でどんな言葉で言われると、より納得でき
     るのか、相手の立場で考え抜く。

    ・「君がもつ「らしさ」、スタイルを生かして頑張れ」。
     そう励ますだけで、彼らはストレスから解放され、
     ポジティブに役割に向き合うようになる。

    ・目標は決めても、どう到達するか?という具体的な道のり
     を話し合うことは、少ないと思う。これではいけない。
     目標を決めるとき、本人のビジョンとそこに向かうストーリ
     は事前に考えてきてもらう。そして問いかける。そこに
     君らしさはあるか?と。

    ・準備を失敗するということは、失敗を準備するということ。

    ・準備の失敗は、「起こり得ることの予測間違い」「起こり得る
     ことへの対処法の過ち」という2つがある。

    ・仕事で突き抜けようと思ったとき、スキル以上に、習慣や
     基本的な立ち振る舞いが大切だ。

    ・成果を出せる、その人らしい振る舞いをいかに引き出すか。
     それも上司の腕の見せ所である。

    ・選手が急に成長したとしても、それが監督の指導によるも
     のと過信してはならない。この前提に立つことこそ、人材
     育成のスタートラインだ。

    ・「1日5分しか君のことを見られないとしたら、どこを
     見てほしい」

    ・君の成長につながる行動を、私は毎日きちんと見ている。
     だから頑張れ。そう言うことで、部下はそこに力を注ぎ
     行動を改善していく。

  • 早稲田大学ラグビー部の元監督である著者による、いわゆる普通の人によるリーダーシップの発揮の仕方、チームの作り方についての本。前任が清宮さんなので、中竹さんにとっては重圧があったと思うが、自分にできるリーダーシップを心がけ、選手自らに考えさせるようにしたのが結果的にチーム力を高めることになった。これは、広く活用すべき考え方だと思う。答えを求める部下に、「正解はなく、自分で考える」ことを伝えることが、チーム力の向上につながるのだと思う。そのためにも、自分は正解を持ち得ていないと、正直に告白することは大切。権威に守られたリーダーシップなど意味はなく、本当にチーム力を高め、成果につなげることを真剣に考えることが、真のリーダーシップということだと思う。

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著者プロフィール

株式会社チームボックス代表取締役
日本ラグビーフットボール協会理事

1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年、日本ラグビーフットボール協会「コーチのコーチ」、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。
ほかに、一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 など。
著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』(CCCメディアハウス)など多数。

「2020年 『どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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