すいません、ほぼ日の経営。

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822257866

感想・レビュー・書評

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  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB27175152

    推薦コメント
    経営側だけでなく、働く側にもためになる本でした。

  • 妻が気に入っているものをたくさん販売している「ほぼ日」、糸井さんの存在の大きさもありますが、マーケティングの視点からしてもたくさんのツールを持っているなと感じた一冊でした

  • 『「いい人ではないけれど力がある」という理由だけで人をとることはないようにしています』P114

    『もともと働くのが嫌いで、人に命令されたり管理さえたりするのがいやで、がんばるときはがんばるつもりがあるし、試合があればぜひ勝ちたいという意地っぱりでもあって、人がよろこぶことをしていたいと考えるフリーの人間。こういう人間の扱いはめんどくさいのかもしれませんが、うまくつきあってもらえれば、「いい仕事しまっせ」の職人のようなものかもしれません』P276

  • ほぼ日の読者としては既視感のある内容もあったが、まとめて読むと気づく点も多かった。
    以下気になった箇所。
    ・集中したからいい結果が生まれるわけではない
     →もっといい考えがあるのでは?と問い続けることが大事
    ・遅刻しない人がだらしない人を非難しないように
     →きっちりすることが大事ではない
      現実にする力、お互いに認め合う関係
    ・課題→成果→貢献して喜ばれる→新しい機会が得られる
    ・行動指針
     やさしく、つよく、おもしろく
    ・クリエイティビティ3つの輪
     →読者の反応(集合)から洞察を引き出す
      自分たちの動機とすり合わせる(動機)
      新しいコンテンツを生み出す(実行)
    ・頼まれたら、できるということ
    ・利益や成長は結果であって、目的ではない
    ・予算が成長のために使われるのであれば、悪いことではない
     予算(=意味のない期待値)が目的ではない
    ・幸せを追求する環境を作る
     →メシを食えるように給料を払う
      +じぶんの幸せ(誰かに何かをしてあげる)
    ・じぶんのリーダーはじぶんだ
    ・夢に手足を、手足に夢を

  • 自分は「ほぼ日手帳」は使っておらず、他の手帳術を使い生活してますが、多くの方々が使っているので、きっと魅力が有るんだろうな…ちょっと手帳の事も書いてあるのかな…と、読み始めましたが、ほぼ経営の事でしたね。

    ほぼ日の社員の方々は働きやすい良い雰囲気でクリエイティブな仕事をされてるんだろうなぁ。と羨ましくなりました。糸井さんの先入観や常識に縛られないところや、良いものを徹底的に追及、深堀していくからこそ、皆さんに良いものを届けられるんでしょうね。自分もそういう先入観・常識にとらわれず、何か考えるときは頭の中フル稼働してアイデアを絞り出したいと思いました。

  •  糸井重里すごい。言っていること一つ一つに、紐づく世界標準の経営理論がある。

    ―ではいまは、人はなにに動かされるのでしょう。
     人によろこばれているという実感ではないでしょうか。あるいは仲間がうれしそうにしている、ということ。

     うちには、伝家の宝刀のような言葉が二つあって、「誠実」と「貢献」です。
     「誠実」については、「誠実は、姿勢である。弱くても、貧しくても、不勉強でも、誠実であることはできる」ということ。
     「貢献」については、「貢献は、よろこびである。貢献することで、人をよろこばせることができる。そして、じぶんがよろこぶことができる。貢献することにおいて、人は新しい機会を得る」です。
     そして、「誠実」と「貢献」では、「誠実」のほうが重要です。

    ―「信頼」は意図的に手に入れられないということですね。
     効率を優先したり、じぶんの成果を期待しすぎたりすると、「信頼」は失われてしまいます。だから長期的に見れば、テクニックで「信頼」は得られないし、たとえ得られたとしても、そういう「信頼」は当てにならない。「信頼」を得るには、農業のような地道な努力が必要です。手に入れるまでにとても時間がかかる。
     頭を使うだけではダメで、汗水たらして働いてできた農作物をよろこんでもらうということを何年も繰り返して初めて、「信頼」は手に入るものなんです。日々の積み重ねだから、「信頼」を得ることが目的になったらいけません。

    ■ほぼ日の行動指針
      やさしく
     私たちの会社が社会に受け入れられるための前提となるものです。
     相互に助け合うということ、自分や他人を「生きる」「生かす」ということです。

      つよく
     企画やアイデアやコンテンツを、会社として、組織として「実現」「実行」できること、現実に成り立たせることです。

      おもしろく
     新しい価値を生み出し、
     コンテンツとして成り立たせるということです。
     「ほぼ日刊イトイ新聞」や「TOBICHI」のように
     「場」を生み出し、ひとが「場」に集まる理由です。
     これが、ほぼ日の強みです。

     ほぼ日は、この言葉の順番もたいせつにしています。
     まず「やさしく」が、おおもとの前提にあり、
     「やさしく」を実現する力が「つよく」です。
     その上に、新しい価値となる「おもしろく」をどれだけ生み出せるかが、
     ほぼ日の特徴です。


     ぼくはもともとなにかを言葉にするのはちょっと信用ならないと思ってきました。けれど、人間は毎日雑多な生活の中で生きている。だからビジョンや社是、ミッション、理念といった「目標」が会社にあることは、とても大事だとも思っていました。会社は目的のある組織ですから、やっぱり旗印がないとダメなんです。


     会社の仕事には、直接は利益につながりにくいけれど、やったほうがいいことも含まれる。そういうことをじぶんに理解させ、社内外の人たちにもわかってもらおうと思ったんです。
     思いついた一つのイメージは雪かきです。
     あるお店が、じぶんの店の隣まで雪かきをするのは、損得で判断すれば損かもしれません。けれど会社としてやっておかしいことでありません。
     店に来る人が歩きやすいようにするのは、その会社の仕事です。そしてじぶんの店の前だけ、きっかりと線を引いて雪かきするのはダメなわけで、お互いのエリアを外れてもやるべきものでしょう。
     もう一つのイメージは、お祭りの寄付。
     京都や地方の町を見ていると、お祭りで使う山車を保管したり、補修したりする仕事に、結構なお金と労力がかかっています。町で商売をしている人はみんなそれにかかわっていて、手間をかけられない会社は寄付という形で手伝っていたりします。
     もうひとつが峠の茶屋。
     これも維持するのは大変だけれど、本当に必要としてくれる人のために、やめないで続けていくことが大事です。「もうからないからやらない」ではなくて、「それが私たちの社会的使命だと思ってやっています」という考え方はあるんじゃないかと思いました。

     
     一般的な組織図は、資本市場向けの言葉に翻訳したものですが、実体は人体模型図のような形で動いています。
     内臓は、それぞれの臓器がお互いに信号を出し合い、信号を受け取り合うことで全体が動いているそうです。ぼくは内臓のように、それぞれのチームがそれぞれ自律的に動いて関係し合う仕組みが、うちに合っていると思ったんです。

     みんなが生き生きしてくれたらいいな、という思いがありました。誰かの命令で動くのではなく、じぶんの頭で考えた「これはやりたい」という思いが、誰かの「これはやりたい」と組み合わさっていくのが一番いいですから。

     …船の構造から着想しました。船の構造のように会社の組織を考えてみたらどうだろう、と。
     乗組員の中にはジャガイモをむいている人もいるわけですが、だからといって「お前はジャガイモむきだ」とバカにされてはいけません。そういうことを、みんながわかるにはどうしたらいいのかと言えば、人体にたとえるのがいいと思ったんです。
     内臓の話なら、どれが大事でどれが大事ではないということはなくなります。
     「腎臓はなくてもいいです」とは言えませんよね。「腎臓が傷んだときには別の臓器が代用するようになる」という説明もできます。「片方の肺を取ったけれど、それで別の臓器が鍛えられました」ということだってあるはずです。そういった補い合いも含めて、組織を人体にたとえると、みんながわかりやすくなると思ったんです。


     上場するにあたってぼくが話したのは、「こうすればもうかる」ということではなく、「こうすれば人がよろこぶ」ということでした。それが株式市場の常識からはずれていても、ほぼ日がいまやっていること、これからやろうとしていること、あるいは絶対にやりたくないことなどを話して、聞いてもらいました。
     なにごとも大事なのは、根っこです。ほぼ日の事業のベースにあるのは、いつの時代も「人によろこんでもらえるか」ということです。


    ―ほぼ日では、毎週水曜に「水曜ミーティング」を開いて、糸井さんが社員に向けて一時間ほど話しています。
     毎週開く正式なミーティングで、とにかくぼくは話し続けています。
     僕にとっては水曜ミーティングを軸にして一週間暮らしていると言えるくらい大事なことです。「次の水曜日には何を話すのか」「このことはぜひ言おう」とずっと考えているから、それは大変です。
     でもいろいろなことを根づかせるには、一つひとつの仕事の中で刻みつけることが大切なんです。仕事の中で「これはいいね」「これはダメだよね」ということを繰り返していって、いい悪いにものさしを持つこと。それを日々続けることで、ほぼ日の風土ができてていくのだと思っています。

  • 2020.8.6

    理想論に終わらせない為の強さがこの会社にはあるのだろう。

    サービス業に従事するものとして、ここまでは不可能だが、誠実な商売をしたいものである。

    しかし、
    ほぼ日みたいな共同体ばかりでも疲れる気はするのはなぜだろう。なにか違和感がある。

  • 生き方について考えさせられた。
    この本を読んで、何か書かなきゃいけないと思った。

  • 糸井さんの経営に対するスタンス。
    人材育成や作りたい会社の空気感とか、らしくて誠実に向き合う姿が素敵だなぁと思います。
    フリーから組織にチャレンジして20年、企業はSDGSとかESG投資とか期待役割が微妙に変わる潮流が大きくうねり出して、その二つのタイミングが相まってこの会社が在るのかなぁ。

  • 糸井さん個人の存在から会社化されていく過程における、事業、人、組織、上場、社長について。

    経営とは、様々なジレンマの紡ぎあいであるけれど、それをどのように考え、どう表現するか、が会社のカラーになるのだなと改めて。刺激をもらった。

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著者プロフィール

ジャーナリスト1961年、新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステムに入社し、ファッションという視点から、企業や商品のブランドづくりに携わる。同社取締役、ifs未来研究所所長などを歴任し、2021年に退社。コミュニティー「偏愛百貨店」を立ち上げた。『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞出版)、『虎屋ブランド物語』(東洋経済新報社)、『TSUTAYAの謎』『すいません、ほぼ日の経営。』(以上、日経BP)など、著書は30冊を超える。毎朝3時に起きて原稿をつづる生活を30年にわたって続けている。

「2021年 『アパレルに未来はある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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