すいません、ほぼ日の経営。

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822257866

感想・レビュー・書評

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  • この本は詩だ.詩集だ.

    終わりの方で出てくる「夢に手足を」のようなダイレクトな詩だけじゃなくて,組織が子どもの自由にとらわらていたと気づいたときの違和感というか引っかかりに言葉を与えたのも同じ.ダースベイダーはお父さん役なんだというくだりも同じ.「いやな,うちのお父さんな,ダースベーダーやねん」の書き出しでなにか小説でもはじまりそうな予感すらさせる,歌のようなおしゃべり.

    良質なドキュメンタリーフィルム,キャメラはホンマタカシ.音楽は矢野顕子(ピアノ).を心の中でみた感じ.

  • ・水を飼う
    水槽の魚を元気付けるにはその子に何かするのではなくて、その子の環境、すなわち水をコントロールすることが大事という話。
    クルミド珈琲の影山さんの話を聞いてから、リーダー像が見えなくなったような気がしていたけど、そういうことかもな、と思った。
    みんながいきいきできるような場作りがリーダーには必要なのかも。

    ・天が見ている
    心が負けそうなときに思い出そう。

  • ほぼ日 2019年8月期通期決算

    売上高:54億6500万円(前年同期比+8.5%)
    営業利益:6億4000万円(同+13.8%)
    経常利益:6億3800万円(同+12.5%)
    純利益:4億4100万円(同+13.3%)

    売上高営業利益率11.71%
    ROE12.70%
    ROA13.10%
    自己資本比率71.37%
    有利子負債ゼロ

    18年8月時点での社員は 75名(39.7歳)。
    平均年収688万円 も立派。
    ひと言で言って、すごい。

  • 今は亡き雑誌「広告批評」の創刊者、天野祐吉を評して、「広告」を「文化」と「経済」に分け、まったく「経済」観点で「広告」を語らなかったことが、「広告批評」の存在意義であった、と言い切った人がいました。2009年、今から10年前、休刊になったのは「広告」を「文化」的側面から論ずる価値が減じたから、だと。その「広告批評」のスーパースターが糸井重里であり、コピーライター イトイは時代の寵児でもありました。今ではあまり呼ばれない「文化人」というジャンルの人として発する光はキラキラまぶしかったなぁ〜。しかし、活動のフィールドを広告制作者という立場から「ほぼ日刊イトイ新聞」というメディア運営という場所へ移していったことはインターネットとの出会いによるものでしょうし、それは「広告批評」が成立しなくなっていった時代の変化との相関なのだと思っていました。東京糸井重里事務所が、2017年に株式会社ほほ日としてジャスダックに上場したことも知っていましたが、本書で「文化人」糸井重里じゃなくて「経済人」糸井重里が、改めて目の前に立ち現れたような感じです。しかし、「幸福」な「資本主義」を語る彼の言葉は、昔ながら変わらずの、人間に対する深い洞察と優しさに溢れていました。それは、マス広告時代からインターネットメディア時代へ、制作者から経営者へ、環境の変化はありつつも、彼自身が「文化人」「経済人」という区分けではなく「生活人」として一貫しているからなのでしょう。「働き方」改革、「年功序列の崩壊、AIの登場、仕事の意味が激変している激変している今だからこそ、糸井社長の言葉は宝の山だと思いました。いっぱいメモしちゃいました。題名でも、すいません、といいながら多分、この経営者、そうとう強いかも。

  • 今や上場企業である「ほぼ日」の社長、糸井重里さんをインタビューして書かれた本。糸井さんの経営についての考え方がよく分かる。こういう誠実な社長さんばかりなら、仕事でメンタルをやられる社会人が減ると思う。

  • こんな経営者らしくない経営者はいないだろう。でも、こんな経営者が出てこないと、日本は息が詰まるだろうに。

  • 「ほぼ日」の社長・糸井重里さんが「ほぼ日」の経営について語ったインタビュー本。経営の本と言うと難しそうだけど、わかりやすく書かれていた。なるほどと思う言葉がたくさん出てくる。特に「これだ!」と思ったのは「ほぼ日」で大切にされている言葉、「誠実」と「貢献」。私自身、一緒に仕事をしていて「なんか合わないな」と思う人がいても、うまく説明できなかったんだけど、その人にはこの二つがないんだ、と目からウロコ。自分がそう思われないように私も「誠実」と「貢献」を掲げて仕事していこうと思う。

  • 経営に興味がある訳ではなく、人間糸井重里さんに興味があり読んでみたかった。
    いろいろな考えに共感と憧れを持ったが、会社の憲法の最初にくるのが、「やさしい」がくることが、糸井重里さんを理解するに充分だった。
    普通の企業では考えられないけど、後進のためには、こういう経営者を望むし、押し上げないといけない義務感を感じた。

  • すいません、ほぼ日の経営。

    ・僕は失敗してもそれは失敗じゃないと言っています。失敗したことでその理由が分かれば、ノウハウが溜まって、後からいろいろなことができるからです。

    ・「共感」は面白いです。ただそれだけだと、居心地は良いけれど、面白くはなりません。そこに「え、そうなの?」「知らなかった」と言う意外なものが混じってくる方が面白くなります。

    ・ほぼ日はマーケティングを行っていません。そのかわり自分がお客さんになったら本当に喜ぶかどうかを、本気で考えることにしています。自分はどんなことに嬉しんと思うんだろう、人がどんな時に嬉しいと思うんだろう、としつこく自問自答し続けると言うことです。

    ・ほぼ日の財産はお客さんからの「信用」です。

    ・骨董屋との付き合いと同じように、ハズレも含めて買うようにしています。相手の事情どうのハズレも含めて引き受けることが信用につながります。

    ・ 1番良いものだけを僕のところにくれ、損をしたくない、得をしたい、とだけ言う人とは、長く付き合えません。成功ばかりが続くわけでもないし失敗だけが続くわけでもない。両方あるんだと言うことを前提にすると、信頼関係が築けます。

    ・どんなミーティングだって「自分だったらこうする」と考えてから集まらないと意味がありません。個人練習なしで試合に出るようなものです。



    ・いつ自分が支えてもらう側になるかわかりません。自分が支えられるときは人を支える。それが社会と言うものです。会社も社会なので、「私がやるわよ」となっていけばいいですよね。

    ・「いい人ではないけれど、力がある」と言う理由だけで人を取る事はしないようにしています。自分だけでは、できないけれど、チームに良い影響与えるような選手も大事です。採用された選手も、「この地に来て良かったな」と思ってもらえる方がいいです。

    ・「どっか旅行に行こう、遊びに行こう」と言う時に「あいつも呼ぼうよ」と呼ばれる声をかけられる人がいます。その「あいつ」が欲しい人です。そういった人が家に入ってから「術」を覚えていけばよい。2人には「すぐやれそう」と言う人と、「今すぐにはできないけれど入れたい」と言う人が混じっています。

    ・ルールや基準を決めるときにうまくいかなくなる1番大きな原因は「平等ではないか」と言う問題に応えようとするからです。

    ・「糸井さんに褒められた」と喜ぶような組織にはしたくありません。これは重要なことで「糸井さんに褒められるのも、嬉しいな」くらいにしたいです。

    ・「ここでは生き生きできていない」という人がいたら、まず本人とよく話します。「やってみたら得意じゃなかった」とか、何か理由があることが少しわかって、別の部署に異動することもあるしよくよく話し合ってそうまって言うこともあります。動いた方が自然だよとなったら移動します。

    ・会社目的のある組織ですからやっぱり旗印がないとダメだと思います。目標が会社にある事はとても大事です。ただ、言葉にしてしまうとそれが会社を縛ってしまうこともあります。言葉にすることには、危なっかしいところがあります。ですから慎重にならなくてはいけないと思います。言葉に縛られてしまわないように、縛りようのない言葉を作るって言うのも方法です。

    ・それでも相手に言葉にしたのは「雪かき、祭りの寄付、峠の茶屋」というキーワードです。

    ・「それによって何が得られるんだ」と問われたときに「一周回って自分たちの利益になる」と説明することができます。情けは人のためならず、と言いますが最後は自分たちの利益になるんだといえます。加えて、それをすることで自分たちの心が落ち着く、安心して他の仕事に取り掛かれる、と言う副次的な効果まで含めて「自分たちの得になる」と説明できます。

    ・信頼できる人から「お前はできるよ」と言われたら、「できないかもしれない」と考える時間はなくなります。ここがとても大事です。「できるんだ。じゃぁ、どういったものを作ればいいんだろう」とすぐに、やる方向で考えられる、ようになりました。

    信頼している人から「頼まれる」という事は「あなたができる」と認めてくれた人がいる、ということです。頼まれた段階でできると思われている、ということです。

    これで「できないかもしれない」と考える時間を知らせます。

  • 働き場が楽しいって、いいなー

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著者プロフィール

ジャーナリスト1961年、新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステムに入社し、ファッションという視点から、企業や商品のブランドづくりに携わる。同社取締役、ifs未来研究所所長などを歴任し、2021年に退社。コミュニティー「偏愛百貨店」を立ち上げた。『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞出版)、『虎屋ブランド物語』(東洋経済新報社)、『TSUTAYAの謎』『すいません、ほぼ日の経営。』(以上、日経BP)など、著書は30冊を超える。毎朝3時に起きて原稿をつづる生活を30年にわたって続けている。

「2021年 『アパレルに未来はある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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