青い犬の目―死をめぐる11の短篇 (福武文庫)

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制作 : Garcia Marquez  井上 義一 
  • 福武書店 (1994年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828832937

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青い犬の目―死をめぐる11の短篇 (福武文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 今さらマルケスの未読の文庫に出会うとはラッキー!と思ったんだけど、何かハマらんかった。幻想的な雰囲気はわかるんだけど、もうちょっとストーリーがほしいかな。マルケスは長編の方がおいらにはあってるのか。いや、エレンディラは良かった記憶があるな。これが単にハマらんかっただけか。

  • 全く面白くない。感受性の問題かな。

  • マルケスが「百年の孤独」を書く前の初期の作品で、文体や構成がかなり違う。先日の「美しい水死人」と比べれば短編としての出来や貫録は雲泥の差。あまり印象に残らないぼやけた輪郭の小説が多く、ガルシア・マルケスも最初からあのスタイルを持っていたわけではないんだなと思う。

  • ■ 春樹論
     「Amazon.co.jp: 青い犬の目―死をめぐる11の短篇 (福武文庫): ガルシア マルケス, Garcia Marquez, 井上 義一: 本」、読了。素晴らしかった。何度でも読み返したくなる。


     アメリカ文学の影響はつとに知られている村上春樹だけれども、僕は(当代の作家なら避けては通れない里程標ではあろうが)マルケスの影響もかなりあるなとこの短編集を読んで思った。春樹の短編の中にも真意が分かりにくいものがよくあるが、それも「マルケス流を狙ってみました」と注釈をつけるなら、すっと通る部分があるような気がする。特に「マコンドに降る~」という最後に収められた一編などは、『眠り』といった印象深い作品や、加納姉妹のモノローグの雰囲気にかなり近しいものがあるように思う。


     それだけではただの印象論だろうと思われる向きにはこんなお遊びはどうだろう。


       garcia marquez


     これを並べ替えてみる。


       muraqa[m]i gar[u]cze


     スペイン風に「g」を「ハ行」で読めば(多分、頭ではそうは読まないだろうな…。「Jorge」は「ホルヘ」であるが、「Gabriel」は「ガブリエル」であって「ハブリエル」ではない)、かなり「ムラカミハルキ」に近くなる(もっと良い並べ方があるかもしれない。ポルトガル流に「r」を「ハ行」的に解釈するなど)。しかし、趣味の悪い冗談はこれくらいにしておこう。

    (20100812)

       ***

    ■ 幽霊論
     「Amazon.co.jp: 青い犬の目―死をめぐる11の短篇 (福武文庫): ガルシア マルケス, Garcia Marquez, 井上 義一: 本」、三分の一。


     そんなにたくさん知っているわけではないけれど、いわゆるマルケス以降の書き手で「マジック・リアリズム」的な手法を掲げる人は結構いると思うし、いくつか僕も目にしてきていると思う。しかし、どうも何かが違う。ただの「奇想博覧会」ではマルケスにはならない。では、何が足りないのか。


     そんなことを考えていたら思いついたことがあるのでそれを書く。この短編集でも『百年の孤独』でもいいが、当然のことながら「出来事」や「誰かの内面」を語っている「話者」がいる。当たり前のことだが、「作者」である。しかし、この「作者」は「幽霊」でもある。「幽霊」であるから、どこにでも行けるし、誰の心にも忍び込むことが出来る。そして、時にはその事象について解釈してみせたりもする。当然「幽霊の論理」で、である。


     僕の知る限り、この「幽霊」を宿しているのはマルケスだけである。だから、誰もマルケスには適わない。一度死んでいる人間に勝てるわけがない。

    (20100805)

       ***

    ■ 冷静論
     「Amazon.co.jp: 青い犬の目―死をめぐる11の短篇 (福武文庫): ガルシア マルケス, Garcia Marquez, 井上 義一: 本」、五分の一。


     昨日は少し興奮して書き飛ばしすぎたので、今日は少し昔話をして気持ちを落ち着けてみたい。


     実はこの本を僕は昔単行本で持っていた。まだ十代の頃だったと思う。僕にマルケスを教えてくれたのは筒井康隆のエッセイだった。エンタメ系の文庫ばかり読み耽っていた当時のそろそろニキビも落ち着きかけた御年頃といった僕であったが、このままでいいはずがないとも思っていた。そんなお菓子みたいな本ばかり読んでるのも、いい加減みっともない話ではないか。


     丁度そんな時にラテンアメリカ文学やニューアカデミズムという名前に出会ってしまった(時間的には大分遅れての出会いなので、世間的には既にそんなブームは跡形もなく消え去っていたが)。これだ、これでいける、これで俺はカッコいい大人になれるんだ。足りない知性で爪先立ちをしながら、僕はまだ自分には到底力の及ぶところのものではない水準の書物を買い集めるようになった。そんな中にマルケスの『青い犬の目』やピンチョンの『スロー・ラーナー』といった作品があったのである。


     結論から言うと、その数年後、僕はその頃のコレクションをいったんまとめて大宮の古書店に売り払ってしまうことになる。集英社のラテンアメリカ全集のいくつか。ロラン・バルトの美しいみすず書房刊行本。函入りのバタイユ全集。その他、諸々。まったく手をつけてないものも多かった。しかし、僕には手に余る品々であった。かつて、背伸びをすることで生まれ変わろうとした僕は、背伸びを徹底して禁じることで自分自身になろうとした。


     それから幾星霜。果たして自分自身になれたかどうかは心もとないが、こうして再び『青い犬の目』を読んでいるというのも何かしら因果を感じさせなくもない(いや、実際に読むのは初めてだが)。

    (20100802)

       ***

    ■ 風格論
     「Amazon.co.jp: 青い犬の目―死をめぐる11の短篇 (福武文庫): ガルシア マルケス, Garcia Marquez, 井上 義一: 本」、着手。狙ったわけではないが、こちらもマルケスの話で。


     「格」が違う。「南米」がどうとか、「マジックリアリズム」がどうとかというせせこましい話ではない。ここには「死」がある。文芸的な技巧とか思想上とかテーマ的にとか、そういう小手先のものではない「死」がある。


     『百年の孤独』にあるさまざまな魔術的現実を裏から操っていたのは「死」であった。それが、単なる「奇想」(それは生者の遊具でしかない)とマルケス流の「マジックリアリズム」を分かつ壁なのであり、また多くの読書子の心にマルケスの名が忘れえぬものとして刻み込まれている理由でもあるのだ。

    (20100801)

  • わが悲しき娼婦の思い出
    の方がお気に入りだからあまり記憶には残ってない。
    唯一バーだったかの、女と男の話は嫌いじゃない。

  • 死の観念と対峙し、文章に昇華させる才能は素晴らしい
    なにかしらのキーワードで短編のつながりっていく構造も秀逸
    しかし、マルケス作品の中ではイマイチだと思う

  • 摩訶不思議なのにすごいと思わせる。エヴァは〜が一番すきです。

  • マルケス大好き

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青い犬の目―死をめぐる11の短篇 (福武文庫)の作品紹介

夢の世界に繰り返し現われる女性との奇妙な交流を描いた表題作「青い犬の目」、死に対する恐怖のイメージに満ちた、カフカ的悪夢の世界「三度目の諦め」、自らの美貌に苦しめられる女性の悲しい変身譚「エバは猫の中に」、死者の側から眺めた日常の光景「誰かが薔薇を荒らす」、『百年の孤独』の世界へと通じるマコンド物の1篇「マコンドに降る雨を見たイサベルの独白」他、全11篇を収録。

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