砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet
- KADOKAWA(富士見書房) (2007年2月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829176344
作品紹介・あらすじ
子供はみんな兵士で、この世は生き残りゲームで。砂糖菓子の弾丸で世界と戦おうとした少女たち…。稀世の物語作家・桜庭一樹の原点となる青春暗黒小説。
感想・レビュー・書評
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人生は戦いでもあり、現実はなかなか思うようにいかないものです。
あなたは戦いを放棄していませんか?
あきらめていませんか?
不条理だと思っても強く生きなければなりません。
そこに悲しい絶望があっても。
砂糖菓子の弾丸では現実を打ち抜くことができません。
実弾を持って戦いましょう。
読めばこの言葉の意味が分かると思います。
心を打ち抜くような、とても良い作品です。ぜひ、一度。
所在:楽しむコーナー
請求記号:913.6:Sa46詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んだ後、心が痛くて、しんどくて、感想が書けなかった。というか、健忘レベルで脳がストーリーを忘れにかかっていて、皆さんのレビューでなんとなくストーリーを思い出したレベル。斧とかウサギとか、わんことか…本当に描写がリアルで辛かった。ヤングケアラー、DV、貧富の差、もうなにもかも、解決したいのに解決できない問題ばかりが立ち塞がって、大人である私は、私たちは、何をしているんだと思わされる。でも、出会うべくして出会った作品だと思い、心に刻みます。
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虐待を受けているが親を愛している中学生の話。桜庭一樹の作品は初めて読んだが、ライトノベルのような読みやすさだった。
登場人物が分かりやすく中2っぽいのだが、親からの虐待を隠すための嘘が散りばめられていて悲しい。虐待されているのに親をかばってしまうのはストックホルム症候群と似ているという話は、確かにその通りだと思った。洗脳から抜け出せないのはつらい。
そこまで必要か?というほど残酷な描写が度々出てくるので、少し読むのがしんどかった。 -
砂糖菓子の弾丸→ロリポップ。
海野藻屑って藻屑って子供につける名前としてはどうなのか?と思いつつ読む。不思議な子。
中学生の女の子。辛い。
山田なぎさは、兄が引きこもりで、高校へは進学せずに就職(自衛隊)しようと思ってる。
東京から転校してきた藻屑。世の中は残酷なのにとても明るかった。
藻屑が言ったことは、嘘なのか?本当なのか?信じることは出来なかったけれど、母親から聞かされた話で、色々な事が繋がる。
結末から始まったので、わかってはいたが、辛いラスト。
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『華氏451度』に出てくる人々のように、私自身が本になるなら、きっとこの本を選ぶだろうと思います。
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転校生の海野藻屑は、とても可愛いけれど変なことばかり言っている。彼女に興味を示さなかった山田なぎさは、なぜか藻屑に友達になれと言われる。なぎさは、美しいけれどひきこもりの兄を抱えていたのに、藻屑にまでつきまとわれて、いらいらがつのっていく。彼女が、殺されることになるなんて知らないで。
いや、すごかった。タイトルと富士見ミステリー文庫の表紙を見て、んー、読むの後でいいかな……と控えていたのだが、これはその後の、直木賞作家桜庭一樹の原型だなあと納得しました。最初こそ、一般的な中学生の日常が描かれていくけれど、後半はすごかった。作者はあとがきでこの物語はあるときに降ってきたというように語っているのだが、こういうのが、降ってくるだけの土壌が、きちんと桜庭さんにはあったんだろうなあ、と思う。美しくて醜悪なもの、臭くて汚れないもの、そんな価値観では量れないもの。そんなものが世界には満ち溢れている、その世界を味あわないでなんとする、という読後感でした。よいものを読みました。おすすめです。つか、これを富士見ミステリー文庫で出した当時、よく見つけたよ!すごいよ!見つけた人。富士見ミステリー文庫もよく出した。感服する。 -
なんとも言えない読後の感覚。
救われないような、救われるような。
読み始めてすぐに、物語にグイっと引っ張り込まれて、そのまま、終わりまであっという間に連れて行かれたという感じでした。
難しい本など、自分が読んで、進んでいくのですが、
この本は、勝手に読んでしまっているという本なのに、受動的な感覚でいるというそれくらい魅力的な本です。
読んでいて、色んな事を考えたし、ずしんときて、すごく良い本でした。
本当に好きって絶望だし、殴り終わるのを待つか、死ぬ運命を受け入れる、という藻屑がリアルすぎて、悲しいけれど、心がぎゅーとなりました。