- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829972373
作品紹介・あらすじ
ま、まさか! カラスがみずから水道の栓を回して水を飲むなんて……!
ときおり世間を騒がす「ニュースなカラス」たち。これまでに数々の事件に向き合い、観察によって真相を解明してきた鳥類学者が運命的に出合ったのは「水道ガラス」。天才的なカラスの驚きの知恵とは!?
「車利用ガラス」「置き石ガラス」「石鹸ガラス」「ろうそくガラス」ほかこれまでの「ニュースなカラス」も多数登場!
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・ユニークな行動や衝撃的な事件で、ときおり世間を騒がせるカラスたち。天才的にかしこいカラスから、こまったカラスまで、実際に現場で「ニュースなカラス」に向き合い、事件の真相を解明してきた鳥類学者、樋口広芳博士。日本を代表する鳥類学者がよくぞここまで!というほどくだけて、当時の現場のようすや奮闘ぶりを、実況風にくわしく解説した観察記です。
・物語は3部構成。第1部は2019年に論文発表した「水道ガラス」で、横浜市の公園に現れた「水飲み場でみずから水を出して飲む、浴びる」天才的なカラス、グミの物語。発表当時、国内外で大きな反響があり、正月番組で2019年に世界を驚かせた日本のニュースの5位に選ばれたほどです。今回は、今まで明かしていなかったくわしいエピソードも物語風に紹介。
・第2部では、これまで巷で話題になってきた数々の「ニュースなカラス」たちをくわしく紹介。クルミを路上に置いて車にひかせる「車利用ガラス」。線路に置き石をしてしまう危険すぎる「置き石ガラス」。屋外の水飲み場から次々に石鹸をもち去ってしまう「石鹸ガラス」。神社の祠から火のついたろうそくをもち去り、草に埋めてボヤ騒ぎを起こす「ろうそくガラス」。ほかにも銀座・赤坂・六本木をハシゴする「グルメガラス」、銭湯に通う「銭湯ガラス」など、「ニュースなカラス」たちをすべて網羅。観察仲間とともに現場の最前線で活躍してきた博士が、事件の顛末を語ります。
・第3部では、カラスの生態や知能、ほかの鳥との違い、人とのかかわりなど複数の視点から、カラスという生きもの、生き方について解説。人間社会とカラスの未来について考えます。
・QRコードを使って、樋口博士撮影の「ニュースなカラス」の動画も見ることができます。中には未公開動画も。
・カバー、本文とも『BRUTUS』などで活躍中のイラストレーター、竹田嘉文さんを起用。白畠かおりさんのブックデザインも相まって、他に類を見ない、上品で洗練された、でもコミカルなカラス本に仕立てました。
感想・レビュー・書評
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ちょっと読むのにとても面白かった。が、目新しい情報はない。論文やネト情報まとめ的。ただ、こんな感じでいわゆるその筋の”権威”な人がネットを利用した情報収集をすることをアピールするのは、とても良いことだと思う。すでに鳥研究先進国では積極的にネットを取り入れ、シチズンサイエンティストや鳥以外の研究者たちとのコラボがすすんでいるので、日本ももっと開かれていけば良いと常々思っている。そんな方向性を後押しするタイプの軽い読み物として、とても良い。また、取り上げられたカラスの動画などもQRコートでリンクが貼られていて、簡単に閲覧することができて、お手軽。
文庫本で読んでも良いかとも思うが、かなり”今”的な要素も多いので、賞味期限は短いとは感じる。テレビ番組などのコラボや宣伝もちらほらあるので、まあ、ナニではあるが、興味が沸き始めの一般人やユーチューバーを沼に引き入れるための書とも言えるのでは。
水道の栓を回す、目的によっては水量も変える「水道ガラス」
車を利用したくるみ割りカラス
カラスがつくるビワ園
カラスの置き石事件
カラスの石鹸窃盗
カラスのろうそく窃盗
カラスのワイヤーハンガーなどの窃盗
観察ってどうするんやろか?と
思っている人に、ちょっと観察のきっかけというか
観察の仕方の一端がわかるタイプの読み物だと思う。
電脳系観察詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんていうか、
自分はカラスのゴミ荒らし問題で悩まされていたので、
カラスさん達がかしこいことは
充分分かっていましたが、
鳥類愛に満ちた著者に語らせると、かしこ可愛いなんですね。よーく伝わってきました。 -
人工物の公園の水飲み場の栓を開き水を飲み水浴びをする「水道ガラス」、胡桃を車道に置き殻を割る「車利用ガラス」、線路の砂利の中パンを隠し取り出す時に石を線路に置く「置き石ガラス」、食糧として収集する「石鹸ガラス」「ろうそくガラス」飾りに使うゴルフボール、巣作り用のハンガー、ニュースに取り上げられたさまざまなカラスの生態が現地観察の動画とともに詳細に記述され、興味深く読みました。
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少し重複する記述があり残念。
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/566567 -
カラスの観察や研究を続けて50年近くになる鳥類学者が、自身や自身の研究グループで出合ったニュースなカラスたちを中心に選りすぐって紹介している。また読者にもカラスの目撃情報の提供を呼びかけを行っている。
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テーマは面白いと思うんだけど、率直な感想として、わかってないことが多過ぎる。本にするのはまだ早かったんじゃないかな。でも、興味を持つ人が増えるのならそれでもまぁいいのか。手柄を独り占めするよりはみんなで調べて早くいろいろ分かった方がいいってのはあるね。