日本の論点

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  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833420624

感想・レビュー・書評

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  • 大前研一氏の著書は、新刊がでると一応目を通すようにしています。

    本書は、ジャック・アタリ氏と三浦雄一郎氏との対談も含みますが、基本は、プレジデントの連載のものに加筆・訂正したもので、内容は今まで大前氏の主張をなぞっているに近いと思います。

    この国のダメな点を挙げて、それを解決する策も挙げるのですが、毎回思うのは、この国は全く変わらない。そして、タイトルの異なる新刊本が出るので読むというルティーンになってきています。

    この国が変わらなければならないのは確かですが、著者も提言だけではなくて、そろそろ何か実行するためには何が足りないのか、考えないといけない場所まで来ているような気がしますね。

    ただ、大前氏の本を初めて読む人にとってはコンパクトにまとまっていてよいと思います。

  • 国家財政、景気対策、クォリティ国家、グローバルな企業動向、貿易、教育、医療、改憲、自治、行革、外交、原発、宗教といった各方面での著者らしい課題認識と処方箋。
    参考になる半面、鵜呑みにすることなく自分で実情を知り、考える必要性も感じさせられた。
    4-14

  • 他分野にわたる話があって面白い。著者の考えは、一歩踏み込んだ内容であるため、なにか考えるきっかけになると思う。

  • 国家債務の膨張の危険な事として、民主主義の枠組みに於いて社会的な安定が構築出来なかった際、民主主義を犠牲にしてでも社会的な安定を求める人たちが出てくることです。移民排斥運動、極右勢力の台頭などです。
    国家債務の問題は民主主義体制の映し出す鏡になる。
    日本の債務を解決する唯一の方法は社会制度を変革することだが、日本人にその器量があるのか?
    (ジャック・アタリ 2011.3)


    ・どんな組織でも平均年齢が50を超えると変化を嫌うようになる。
    国家もそれと同じで国民の平均年齢が50を超えたら、国を変えよう、社会制度を再構築しようというインセンティブは急速に失われる。

    ・日本人は1500兆の金融資産を持っているが、これがマーケットに出てくれば公共投資など必要ない。
    1500兆円の1%15兆円が市場に出るだけで、安倍内閣が発足時に決めた経済対策費10.3兆円の補正予算を上回る。
    景気回復のポイントは政府が何をやるかではなく、1500兆円の持ち主である個人が何をするかだ。要は3500万円も持って死ぬことが本当に幸せなのか?と資産リッチな高齢世代が自分自身に問いかけたくなるような政策をすることが大事。

    ・日本の若者が車を持たなくなった最大の理由はまるでペナルティのような税金の多さ。
    消費税、自動車税、自動車取得税、自動車重量税と税金のオンパレード。そして若い人ほど自動車保険料が高い。
    さらに駐車場代がかかり、ガソリン税がリッター53円。有料道路の通行料は別途かかり。車検も重くのしかかる(米・豪なら2~3ドル)。
    ウンザリして売っても、日本の中古車市場は値下がりは激しく買い叩かれる。
    「若者に合った車を作りたい」と自動車メーカーは努力しているが、持てる政治力のすべてを使って、課税を含めた車のランニングコストを安くする、中古車の査定を高くするよう努力した方が良いのではないか。

    ・医療費の増大には、病気を定義した上でのスクリーニングの徹底。
    救急車の有料化、入院依存からの脱却、窓口では自己負担とし還付にすべき。

    ・時代状況の変化とともに必要な政策も変化する、役所もサンセットがあって然るべきで、歴史的役割を終えた役所は廃止、あるいは大胆に縮小すべき。

    ・中央集権国家として役割を終えた日本が次のステップへ進むには統治機構を変えるしかない。
    中央省庁を解体するか全ての権限、利権を剥奪するぐらいしなければならないが、中央集権を是としてきた自民党では中央省庁の利権を奪わない程度に権限を分け与える「特区」を作ることぐらいしか出来ない。
    本来は、地域ごとに統治機関を持つ都構想、道州制への移行が必要である。


    ・北方領土問題で四島一括を言い出したのは日ソ共同宣言が出された56年以降で、日ソの接近を恐れたアメリカの差し金で「四島一括を要求しなければ沖縄を返さない」と言われたからだ。
    沖縄返還は軍政と民政を分け、民政を返しただけで、「米軍は自由に使って下さい」と軍政を残したまま、今日まで政府がその件を国民へ説明しなかったため拗れている。

    ・事故とは物理現象なので物理的説明をしなければならない。
    「想定を超える津波・地震があったから」ではなく「地震や津波で、何がどうなったのか?」である。
    よって福島第一原発の事故が拡大した原因は一つしかない。
    「すべての電源が失われる全電源喪失の状況が長期にわたって続いたこと」につきる。

    ・宗教対立は結果であって原因ではない。原因は貧困にある。
    そして貧困を克服する為の努力は出来る。すべての人々が教育の機会を均等に得て、生活が向上すれば社会の緊張は解きほぐせる。

  • あまり面白くなかった。被曝恐怖症の話は役立つ

  • なんとも明解で、山積する問題も解決できそう。反論ももちろんあるだろうけど、私にとっては時事の指南書。あー覚えていれれば…。

  • 特に原発の放射能不安について、冷静な分析が非常に参考になった。
    教育・政治・外交の問題は、著者の他本でも論じられている内容。

  • 大前研一さんのレポート集。
    道州制の導入、税制の改革などとても勉強になる内容。
    何度も噛み締めて読みたい一冊。

  • 日本の政策で必要なのは要は3500万円を持って墓に入る人からいくらとるかが重要というところは勉強になった。

  • 大前健一著の初めての本

    読みやすく作られていた。

    最初と最後にある対談が特によい

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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