- Amazon.co.jp ・本 (20ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834000719
感想・レビュー・書評
-
こんな名作に何を今更と思いながら、季節なので載せてみる。
お話の最後は【しょうがつの もちやら さかなやら、
いえにかざる たからやら、こがねやら】を、お地蔵さんからいただくことになっているので、話の舞台は大晦日。
間に合わなかったので、その意味でも、何を今更である。
瀬田貞二さんの日本語が美しく、繰り返されるいくつかのフレーズが心に残る。
文節の末尾に付く【・・したと】【あったと】が昔話らしい響き。
【すっぽりめし(おかずなしに食べるご飯のこと)を さくさくたべて】
【よういさ よういさ よういさな と、そりひきの こえがする】
【のっこのっこと かえっていったと】
どれも雰囲気はたっぷりだ。
これでお話はおしまいです、という意味の結末句である【どっとはらい】まで、ゆっくりと丁寧に読みたい。
挿絵は、こちらも何を今更の赤羽末吉さんで、この方以外の絵はあり得ないと思うほどだ。
約6分。4,5歳から。
現世利益の話だが、よく読むと大切なことがぎっしりの内容。
笠を作って町へ売りに行くとき、これを売って今年こそは良い正月を迎えようと、おじいさんもおばあさんも思っていたということ。
しかし、町に出ると、誰も彼もがおじいさんの笠には見向きもしなかったということ。
それでもおじいさんは、雪を被ったお地蔵様に、売れ残った笠を被せてあげる慈しみの気持ちを忘れなかったということ。
笠の数が足りなくて、最後は自分の笠まであげてしまうのだもの。
家に帰ると、そういうおじいさんのしたことを、おばあさんが一緒に喜んでくれたということ。
なんて素敵なお話なんだろう。
見返りなど一切期待することなく施したから、この結末があるのだ。
それも、貧しいおじいさんが、持てるものをすべて差し出してしまうのである。
お地蔵様に差し出すという、素朴な信仰心もほのぼのとするし、そのお地蔵様がお礼に来るというのもますますほのぼのとしてくる。
続きに欲の深い隣のおじいさんが登場しないのも、本当に素敵なところ。
この話を読むたびに、自分がいつの間にか「心ない町のひと」になっていないかどうか、自らに問いかけてみたりする。 -
4歳〜。
年末に読みたい。
方言なのか、古めかしいことば。音読すると心地よい。 -
かさじぞう色々な絵本読みました
-
日本の昔話。いろんなバージョンがあるけど、この2人のこの絵本が一番好き。
-
声に出して読むと、いっそう話の良さがわかる。
ずっと読み続けたいお話、そして残したい絵本。
-
オーソドックスな昔話はやはり赤羽さんの絵がいいな。昔話は本によって、まったく印象が変わってしまうので、すすめる時は読み比べてからでないとなぁ( ¯꒳¯ )
-
講座で読み聞かせを聞く。日本の雪の表現が素晴らしい
-
UniLeaf では、この絵本に透明点字シートを挟み込んで製本した、ユニバーサル絵本を貸し出ししています。
状況が「読みたい」になっている本はお貸しできます。
「いま読んでいる」になっている本は貸出中ですが、ご予約いただけます。
コメント欄に「貸出希望」と書いてください。
(送り先の住所などはここに書かないでください。) -
おじいさんはお正月のおもちを買うために、「かさ」を五つ持って町に売りに出かけましたが、さっぱり売れません。
心やさしく、つつましいおじいさんとおばあさんに、心温まるできごとがおこります。
コメントありがとうございます!
おお、このお話をご記憶でしたか?!それは嬉しいです!
毎年年末になる...
コメントありがとうございます!
おお、このお話をご記憶でしたか?!それは嬉しいです!
毎年年末になると読み返して、一年間の反省の材料にしているようなものです。
反省したからといって、それがちっとも生きないんですけどね・・
映画だったらフランク・キャプラの【素晴らしき哉!人生】を毎年クリスマスに観るようなもの。
いくら観たり読んだりしても、悲しいかな自分はいつもどおりの自分なのでアリマス。
ひとときの、心の洗浄剤のような役目を果たしてくれている作品です。
こちらでは、お地蔵様そのものをほとんど観ることがありません。
学校からの帰り道に手を合わせた野辺のお地蔵さんが、今となっては懐かしいです。
つい最近、このお話を息子に読み聞かせました。
とはいってもこの本だとちょっと難しそうなのでもうちょっと簡単な絵本の方を...
つい最近、このお話を息子に読み聞かせました。
とはいってもこの本だとちょっと難しそうなのでもうちょっと簡単な絵本の方を。
小さいときから好きでしたが、やはり時代を超えて良いお話ですね。
大人になってみると、nejidonさんも素敵だとおっしゃる「おばあさんが一緒に喜んでくれた」と言う場面が心に染みました。
子供の頃は気付かなかったかも・・・。
あー、良い夫婦だな、こうありたいなぁ。
ちょっとだけ夫に対する態度を反省しました(笑)
コメントありがとうございます。
おお、息子さんとご一緒に読まれたのですね!
タイムリーなレビュ...
コメントありがとうございます。
おお、息子さんとご一緒に読まれたのですね!
タイムリーなレビューになって、嬉しいです。
色々な作家さんが出されてますので、息子さんの年齢に合ったものが見つかって良かったですね。
そうそう、「おばあさんが一緒に喜んでくれた」というのは、子ども時代は気づくことの無い描写だと思います。
ご主人に対する態度、ですか(笑)うっふっふ。陰ながら応援します!
私は、笠売りはおじいさんの生業なので、いつもどおりに売りに行くのだと解釈していました。
でもそのお金でお餅を買って、いい正月を迎えようとどれだけ楽しみにしていたのかが、ふたりの会話から分かり、胸が熱くなってきました。
年齢によって様々な読み方が出来る本って、いいですよね。
だからこそ、名作って言われるんでしょうね。