ふたりはいい勝負 (ショヴォー氏とルノー君のお話集 5)

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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834001099

感想・レビュー・書評

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  • ショヴォー氏とルノー君のお話集なのに、長細くて分厚い絵本じゃないぞ…!!?
    それもそのはず、ルノー君も学校へ行くのです…
    そんな学校へ行く準備を始める年頃になり、パパ・ショヴォー氏とのおしゃべりもこまっしゃくれてくる…
    そりゃあ絵本の絵の部分も減っていく訳だ…

  • 子供のころ好きだった本、再読。
    これでシリーズ最後。読み終えてしまってさみしい。

    この巻だけは他の4冊と形が違う。中身もちょっと違う。
    ふたりの会話や日常がメインで、いつも通りのお話もあるけれどお話未満のカケラがごろごろしてる。
    それでも本としては未完成ではない。
    いわばお話をつくるショヴォー氏とお話するルノー君のお話。
    まさに「ショヴォー氏とルノー君のお話集」。

    ほうきおばさんとのエピソードは普通にいい話。

  • 平熱よりはまだ高い36度台で、5巻も読む。図書館にあったショヴォー氏のお話は、横長のでっかい判型だったが、この5巻だけが、半分のサイズ。本のなかみも、4巻までとはちょっと趣が違う。

    なにが違うといって、ルノー君が自分のこしらえたお話を読んだりして、父ちゃんと「いい勝負」になってくるのだ。そして、他の巻に比べて、この5巻は「お話」はやや短く、どちらかというとルノー君と父ちゃんのやりとりが多くなってくる。その会話は、1巻で「当年とって4才のおいちゃん」だったルノー君が、学校にあがるという年(7才か8才らしい)になってきて、なまいき風味にもなってくる。

    最後のほうでは「どうして、学校へ上がるの?」という話もある。そして、この5巻まで続いた話は、「じゃあね」と小学校の門へ入っていくルノー君の姿を描いて、「しっかりするんだ、弱虫おやじ」とショヴォー氏が自分を叱咤する言葉で閉じられる。

    ここまで読んでくると、1巻のてっぺんから、また読みたくなる。


    図書館で借りた3巻に「栞」がついていて、そこにはショヴォー氏がこしらえた「怪物」像の写真などが載っていた。図書館で借りた他の巻には「栞」がみあたらなかったので、福音館文庫で読んだ2巻とあわせ、「単行本の他の巻にも栞がついているのであれば、その栞を読みたい」とリクエストして、栞のついた本を揃えてもらって読むことができた。

    それによると、4巻のしおりには「編集部からのお知らせ」として、このように書かれていた。
    「1920~30年代という時代性を考え、現代の読者に届けるに当たっての適当と思われる配慮を(テクストに)加えた部分があります。」

    この"配慮"はどのようなものなのか。版違いなども少し読んでみたい。

    また、1巻の栞には「テクストは息子ルノー君に語られたものとしてすでに存在し、絵のほうはその死後かなりの時間を経てから描かれた」とあった。この経緯については、福音館文庫版の2巻の巻末に収録された、ルノー君の弟・オリヴィエさんのインタビューにもあった(単行本の「栞」では、このオリヴィエさんのインタビューが1巻、2巻、4巻に分けて掲載されていた)。

    1~4巻の栞には、三木卓(1巻)、秋野亥左牟、別役実(2巻)、天沢退二郎、沢野ひとし(4巻)などが、それぞれショヴォー作品との出会いやそれへの感想を書いていて、これらが、もしや福音館文庫版に収録されているのか?と思ったりもするが、2巻のほかは文庫版をみていないので不明である。

    福音館文庫版
    『ふたりはいい勝負―ショヴォー氏とルノー君のお話集5』

    (10/6了)

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著者プロフィール

(Leopold Chauveau) 1870年、フランス・リヨン生まれ。のちパリへ出て医者になる。1896年に結婚、四男をもうける。その後アルジェリアへ移住し農業をはじめるが、第一次大戦前夜にパリに帰還。戦中は志願して軍医となった。当時の経験を綴った『戦場の後方で』を1917年に発表。1924年に再婚、医者を廃業し、創作活動に専念する。ブロンズの怪物像や絵画を制作するかたわら、ジッドやマルタン=デュ=ガールら知識人とも親交をむすび、小説も書いた。1923年より、亡き息子ルノーとのやりとりによって生まれた物語をもとにした『ルノー君のお話集』を次々に出版。1940年、ドイツ軍侵攻に際し、パリ脱出をはかるが、途上、ノルマンディーの村ベルレームにて没する。

「2006年 『いつまでも、鰐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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