ニルスのふしぎな旅〈上〉 (福音館古典童話シリーズ 39)

  • 福音館書店
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834022735

作品紹介・あらすじ

妖精にいたずらをして小人にされたニルスは、ガチョウのモルテンやガンのアッカたちとスウェーデンの空を北に向かって旅をすることになります。旅の途中、仲間のガンの命を救ったり小さな動物たちを護ってあげたりするうちに、役立たずのただの悪童だったニルスが、小鳥や動物たちに好かれ、仲間から信頼される少年に成長していきます。今、新訳によって鮮やかに甦る「ふしぎな、すばらしい」冒険物語。1931年版の原書の緻密で美しい挿絵を160枚再現。小学校上級以上。

感想・レビュー・書評

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  • 小人にされたニルスがガチョウのモルテンに乗って旅するお話…という一文ではとても説明しきれない、豊饒な物語。

    手に負えないいたずらっ子のニルスが、小人の姿で大自然に放り出されてはじめて、誰かを助けることの大切さに気付いていく姿に優しい気持ちになりました。
    また、誰かを助けるだけではなくて、「きっと仲間が助けてくれる」と信じて待てるような信頼関係を築いていることも、じんわり心を温めてくれます。
    最初は「猟銃ぶっ放してやるぜ」的なことを言っていたあの子が…と、完全に親目線で読んでいる自分に気付いて苦笑い。

    ニルスの目線で進む冒険譚もわくわくしますが、人間たちの昔語りを、物陰からニルスと一緒に聞くのも楽しいひと時です。
    たくさんの動物たちが登場するのも動物好きにはたまりません。
    子供ができたら、ぜひとも読んでもらいたい本だなぁと思いました。

  • (上下巻まとめての記載です)
    アニメの再放送を見たので9歳の次男に読ませた、私も読んだ。
    アニメ感想はこちら。
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/B002UNEEC0

    次男には簡単な版を読ませるつもりだったのですが、アニメも見たからせっかくなら完全版で読めるかなと渡してみたけれど、上下巻各250ページあるので次男は「さすがに長すぎーーーー((๑˘・з・˘))」とぶーたれながらなんとか読んでいるところ(笑)
    というわけで、私の「次男を読書家にしよう計画」は進行中です (笑)
    (長男と娘は諦めたorz)

    アニメは50話もあるのでエピソードはオリジナルが多いのかと思っていたのですが、案外原作に忠実にアニメ化していました。
    引き離されたリスの親子、ネズミの対決を笛の音で解決、100年に一度海の底から浮かび上がる呪いのかかった島、キツネに狩られる羊たちの群れ、ガンに育てられた鷲との交流、などなど。
    しかしアニメでは普通に生き残ってているキャラクターたちが、原作では死んでいてちょっと私がびっくりした。そのエピソードもキリスト教精神に基づく物となっています。



    さて。原作者は、女性初・スウェーデン人初のノーベル文学賞受賞者のセルマ・ラーゲルレーヴ。
    そもそもこの物語が「スウェーデンの子供たちに、この国の事を知ってもらうための児童文学を書いてもらいたい」ということで女史に声がかかったという成り立ちだとのこと。
    そのために、スウェーデンの土地の成り立ちや歴史や言い伝え(巨人がこの山を作ったんだよみたいな)も多く出ています。
    途中で「将来に迷っている時に小人のニルスに出逢い、小さくなった少年のお話を書こうと思った女性」が出てくるのですが、作者は書きながら迷うことでもあったのか?と思ったり(笑)

    原作のニルスは最初は考えが足りなかったり、物事の表面しか見ていないような感じで、後半に連れて精神的にも成長しているのが感じられます。
    もっとも原作のアッカ隊長も威厳がある…というかいかめしく、「出身地を言えないような者とは口を利きたくない」というようなある意味権威者。100歳越えてて、もう子育ては終了して若いガンたちの養育に当たってるならそのくらい厳しくていいですけどね。
    まあこのニルスとアッカ隊長が、徐々に心を通わせ、最後の「アッカからの言葉と品物の贈り物」「人間に戻ったニルスが答える」に繋がるのは素敵ですね。

    また原作はキリスト教精神に基づいていますね。
     嘘をつく、約束を破ることは禁忌、
     立派に生きた人が死んだら立派な葬式を出してみんなで見送る、
     家族の大切さ。などなど。
    これは「ニルス」に限らず、欧米児童文学の根本に感じられます。欧米で子供たちに伝えたいことなのでしょう。

  • ピノキオを読んだところだったので、
    14歳にもなっても、家族か頭を抱えるなまけもので、勉強はしない、乱暴者で、動物をいじめたり、人に意地悪をしたりする、これまた悪たれ息子にため息でしたが…
    小人にされてしまってからは、自分の愚かさにきづき、いいことをすこしずつしていくようになるのが、早かったので安心。

    旅の途中に、それぞれの土地土地のエピソードは昔話のようにとても面白く、他の動物たちを助けるようになったニルスも、とてもたのもしいのだ。

    「いいか、ニルス・ホルゲション。こうなっては自分でなんとかするしかないぞ。この三週間、野の暮らしで学んできたことを見せてやれ」

    って。

  • 性格が良くなっていくのを読むのは気持ちいですね〜*☺︎☺︎*
       

  • 後ろの見開きにスウェーデンの地図と空の旅の足どりが記してあってわかりやすい。

    ※ 詳しいレビューは下巻に併せて記録する予定。

    大判のうえ500ページ超もありズッシリ重い。秤に載せたら1キロ程あった( 980g )。児童書は図書館用途も考慮して頑丈な装丁にするのだそうで、それと関係あるのかも(子供達の、時に乱暴な使い方でボロボロになりやすいから)。そんなヘビー級な本書、連日通勤で携えて読んだが重かった。

  • 読書日:2016年8月22日-24日
    Original title:Nils Holgerssons underbara resa genom Sverige.

    両親の言う事を聞かないいたずら好きな少年Nilsが小人になり、様々な動物に触れ合いながらこれまでの考えを改めて行きます。

    乾いた石の道や咲き乱れる草花、雲や風の細々とした風景は小人にならないと体験出来ない事であり、丸で『The Borrower Arrietty』の世界観の様にも感じました。

    像になったSweden王やヘラ鹿と犬の出逢いと別れ等いくつか感動する箇所があり、丸で読者もSwedenを旅している様に感じます。

    Nilsが履いていた木靴を落として拾ったのが彼が知っている姉弟だったので、次巻では彼の両親側の話も読みたいです。

  • 「トムテという妖精に悪戯をしたために小人にされてしまったニルスは、ガチョウのモルテンやガンのアッカたちとスウェーデンの空を北に向けて旅をすることになります。旅の途中、仲間のガンの命を救ったり小さな動物たちを護ってあげたりするうちに、役立たずのただの悪童だったニルスが、小鳥や動物たちに好かれ、仲間に信頼される少年に成長していきます。昔話や伝説や実際にあった出来事が、物語の本筋に巧みに織り込まれているので、読者はニルスと一緒に空と地上の両方で「ふしぎな、すばらしい」体験ができます。」

    トムテという妖精に悪戯をしたために小人にされてしまったニルスは、ガチョウのモルテンやガンのアッカたちとスウェーデンの空を北に向けて旅をすることになります。旅の途中、仲間のガンの命を救ったり小さな動物たちを護ってあげたりするうちに、役立たずのただの悪童だったニルスが、小鳥や動物たちに好かれ、仲間に信頼される少年に成長していきます。昔話や伝説や実際にあった出来事が、物語の本筋に巧みに織り込まれているので、読者はニルスと一緒に空と地上の両方で「ふしぎな、すばらしい」体験ができます。

  • はらほらどきどき。ニルスもモルテンも危ない目に遭いつつも旅をしていく。続きが気になる…。

  • 小さいときにアニメで見たのをうっすらと覚えている程度の名作児童文学を初読。ニルスってこんなに悪い子だったのね……そしてその報いでちいさくなっちゃったのね……

  • 小人にされたニルスががちょうのモルテンの背中に乗ってスウェーデンを旅していく。
    ちょっと教訓めいているかな…

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著者プロフィール

セルマ・ラーゲルレーヴ 原作者/セルマ・ラーゲルレーヴスウェーデンの女性作家。教職についたあと作家活動に専念し、『ニルスのふしぎな旅』のほか、小説やキリスト教寓話集など数多くの作品を残しています。1909年に、女性初かつスウェーデン人初のノーベル文学賞を受賞。晩年には女性の参政権実現のため尽力しました。

「2013年 『巨人と勇士トール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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