- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834081220
感想・レビュー・書評
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いしいしんじさんの「ぶらんこ乗り」が好きです。あの感じに似ているなとおもいました。
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モノの声を聞くことができるどろぼん。でも聞こえるのは持ち主に忘れさられたモノたちの声だけ。そのため、盗みを働いても誰からも気付かれることはなかった。一匹の犬と出会うまでは・・・。なぜそんな不思議などろぼうになったのか、そのひみつは彼の生い立ちを知ると明らかになっていきます。
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優しいどろぼう。
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実際に、こんな泥棒はいるのだろうか??
誰にも必要とされずに忘れられたものたち。
きっとうちにもある。
でも、思い出せないから、きっとどろぼんはいるんだ。 -
ある日、刑事のぼくが出会った男は、「どろぼうのどろぼんです」と名乗った。どろぼうだという男をそのまま帰すわけにもいかず取り調べを始めたが、「助けてもらいたがっているものの声が聞こえる」というどろぼんが盗んだものは、盗まれた事さえ気づかれたことがないという。不思議などろぼんの話に、ぼくも記録係のあさみさんも引き込まれていく。そして、なぜ今どろぼんが警察につかまろうとしたのか、その謎があきらかになっていく…。不思議な主人公の不思議な話。
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しばらく前に読了。はじめての作家さん。
おもしろかった!取り立てて奇抜な書きぶりではないけれど、なんだかじわじわくる。盗まれたひとが盗まれたことに気づかない盗みは、果たして裁かれるべきなのか?訴えられなければ裁かれない、けれど、この作品がその点を中心に据えられたのは、現行犯に近いかたちの自首(?)から始まったからなのだろうな。
装丁の細部までのこだわりがすごい。いつか買いたいなぁ。 -
持ち主に忘れられた物の声が聞こえるどろぼん。警察に出頭してきたが、持ち主には所有していた記憶がないので、被害届がない。
どろぼんの取り調べをしていた刑事たちは、だんだんどろぼんに心情がうつっていく。
子どもの本なのに哲学的。不思議な安心感が訪れる。