アヤカシさん (福音館創作童話シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834081275

作品紹介・あらすじ

ケイにとって、メイおばさんは、とっても特別な人だった。あんまり歳がちがわなくて、お姉さんみたいな存在だから?ちっちゃいときから、よく子守をしてもらったから?今も週に三回、家庭教師として勉強をみてくれるから?…いやいや、そんなことじゃない。じつは、ケイとメイおばさんには、ふたりだけしか知らない、重大な秘密があったのだ。その秘密というのは…

感想・レビュー・書評

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  • 普段使っているものに心が宿る。
    私の持ち物は何て言ってるだろう?
    何を思うだろう?

  • そうか。人もものもさみしいのか。なんだかわかる。誰かと繋がっていたい切実さ。縁は必ずある。めぐりめぐって必要なものはちゃんと繋がるんだよね。必然。

  • 「人も、ものも、お互い知らないうちに、ひっぱりあい、つながり合う」という言葉が残りました。
    骨子は、アヤカシが見える主人公たちが、アヤカシの物語に引き込まれながら解決の手伝いをする物語。富安陽子さんの作品はやっぱり安心感があります。

  • 泣いた。
    私の好みにドンピシャ。
    表現の美しさ、懐古する気持ち表現、すべてが好き。
    付喪神ともいえるなって思いました。

  • アヤカシさんが見えるケイに、同じく見えるメイおばさんが、知らん顔してなさい!と強く言う理由。だいたい想像できたけど、知らん顔できずに関わって、面倒なことにはならず解決していって終わりかと思いきや…

    「何か事情があって、みんなどこかで、つながり合っているのだ。事情はどうあれ、引っぱり合い、つながり合おうとするのだ。
     人も、ものも、時間もー。」

    今の時代も、つながりを信じたい。

  • どんなものにも使われてきた思い出と歴史がある
    アヤカシはどんなことを伝えたいのだろうとこちらも考えながら読めて楽しい。後半につれて話にどんどん引き込まれていく。

  •  アヤカシのものが見えるケイくんと10歳年上のメイおばさんのお話。
     そうしないと話が進まないからしょうがないんだろうけど、アヤカシのものに話し掛けるな、気に掛けるな、見えないふりをしろ、というメイおばさんの言うことをまったく聞かないケイくんにイライラ。
     別に反抗期キャラでもないのに、生まれたころからお世話になってるおばさんの言うことに、どうしてここまで反対のことをするのか分かんない。
     それでイラついて、途中で断念しました。

     てか、最初ケイくん、女の子だと思ってた。
     メイおばさんが『甥っ子』て言って、アレてなった。

  • いろいろな物に宿る「アヤカシ」たちが見えるケイと、年の近い叔母のメイ。アヤカシが現れるときは、何かを必死で伝えたいときなのだという。

    (カメオの女の子)「人も、ものも、つながりたいのよ。つながろうとするのよ。だから、気がつかないところで、ほんとうはいろんな人が、…いろんなものが、つながっているの。」

  • 小学4年生のケイと、ケイと10歳しか変わらないメイおばさんを中心に描かれたお話。
    二人は他の人とは違う、特殊な能力を持っており、それは物に宿っている精霊、いわばアヤカシを見ることのできる性質を持っている。
    ケイはとてものんびり屋な正確で、興味を持ったものや疑問に思ったことをそのまま口にしたり行動に移したり、子どもらしい少年。
    メイおばさんは、自分自身がアヤカシを見ることができるゆえの苦労から、今ではアヤカシが見えようが話しかけられようが無視を徹底している。しかし、甥のケイはどんなにメイが厳しく怒っても好奇心に負けてアヤカシと関わってしまう。
    その様子が頻繁に描かれており、自分勝手さが目について正直この人とは関わりたくないタイプだなと思ってしまう。
    私自身、メイおばさんと同年代に当たるので、視点がケイよりではないというところから来る感情なのかもしれない。
    けれど、ケイくらいの年齢の子から見たら、20歳くらいのお姉さんを見ると、ガミガミうるさくて、ちょっと自分勝手でいて、でもどこかかっこよく見えるのかもしれない。(私は全くかっこよくは映らないが)
    でも、このガミガミうるさいメイおばさんも後半は少し、しおらしくなる。
    ずっと心につかえていた、しこりがやっと溶けてきたようだ。だから、今までのアヤカシに対しての接し方が完全無視という方法であり、文章だけの本でありながらも、耳を塞ぎたくなるほどのケイに対しての説教は、この、自身のアヤカシ関連の相当な嫌な出来事があってのことだったのだと言うことがわかる。
    また、人やものは繋がりを求めていて、どこか知らぬ間にも繋がりがあるのだと。
    時間や季節、過去から今、そして未来、色んな物同士にも、繋がりがあるのだと。
    未熟な私にはわかるような、わからないような。
    考え方が根本的に違うというのもあるのかもしれない。だけど、このような考え方もあるのだ、ということだけは覚えておこうと思う。

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著者プロフィール

1959年生まれ。1991年『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で第24回日本児童文学者協会賞新人賞、第40回小学館文学賞を受賞、1997年「小さなスズナ姫」シリーズ(偕成社)で第15回新美南吉児童文学賞を受賞、2001年『空へつづく神話』(偕成社)で第48回産経児童出版文化賞を受賞、『盆まねき』(偕成社)により2011年第49回野間児童文芸賞、2012年第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞、2021年『さくらの谷』(絵・松成真理子 偕成社)で第52回講談社絵本賞を受賞。絵本に「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズ(絵・降矢なな 福音館書店)、「オニのサラリーマン」シリーズ(絵・大島妙子 福音館書店)などがある。

「2023年 『そらうみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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