太陽と月の大地 (世界傑作童話シリーズ)

  • 福音館書店
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834081626

感想・レビュー・書評

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  • 2017年5月某日。吉祥寺図書館で。
    16世紀スペインが舞台の児童文学。
    タイトルに惹かれて手にとってみた。
    そういえばスペインってあまりよく知らない。だいぶ昔に「風の影」を読んだっけなあ…(タイトル思い出せずにワードでググって見つけて思い出した^^; 検索さまさまです。
    風の影はスペイン内戦が関係していて、今回のこちらは、イスラム教とキリスト教の人々が仲良く暮らしていた頃から次第にキリスト教優位になりつつある時代背景。
    世界史をきちんと勉強していなかったので、スペインのことをわたしはほとんど知らないんだなと、今回もつくづく思いました。

    八百万の神々のもと、海に囲まれた豊かな島国でのんびりのほほん育ったわたしにとって、宗教というのがどれほどその人のありよう、思考などに影響を与えるのか正直計り知れないものがあります。
    でも、幼い頃から親しんだ言葉や習慣を否定されるって辛い。そういうことがかつてあった。いやいや、わたしの目に見える範囲じゃないだけで、現に今も宗教や主義やそういうことで人は争いを続けている…
    幼い子たちが否応なく巻き込まれていると思うと、本当に切ないなあ…

    本の感想とちょっと離れたけど、とにかく宗教の違いで生き方どころか住む場所まで終われるなんてことにならないように…ただただそう願うばかりです。

  • 16世紀グラナダを舞台に、キリスト教徒のアルベーニャ伯爵(ドン・ペドロ)家の娘マリアと、農夫ディエゴ・ディアス家(ハクセル・アーベン・ハメス)の息子エルナンドの悲しい物語。

    1492年スペイン最後のイスラム王朝の王ボアブディルがカトリック両王(イサベル女王とフェルナンド王)に制圧されたことにより、領土グラナダを返還した。
    1500年、キリスト教徒の抑圧に対してモートが蜂起、2年の戦いののちに敗れ、イスラムの教えは禁止されるようになった。
    改宗か国外退去かを迫られるイスラム教徒。

    ディエゴは改宗(モリスコ)となる。
    それから何年も経ち、ディエゴの孫の世代のお話。

    キリスト教とイスラム教の対立する背景をきちんとつかんでいると面白いのではないかと思う。

    P102「どのようなものもおりましょう。しかし、たがいに認め尊敬し合っているキリスト教徒pとモリスコも現にいるのです。善意と寛大さがなければ、それを理解できないでしょうが。たがいに調和し平和に暮らしていったなら、その方がどれほどみなの利益につながるか、どうぞお考えください」

    P113人が豆つぶのように小さくみえる。遠くから見れば、キリスト教徒もモリスコも区別がつかない。みんなただ、人間というだけだ。

    P156「しかし人が自尊心を持てるかどうかは、、ほかの者が自分をどう見るかではなく、自分が自分をどう思うかで決まるのです。伯爵がどれほどお心をかけてくださっても、わたくしはこの家で奴隷でした。公衆の面前で奴隷として買われた時から、自分を奴隷を感じてきたからです。・・・」

    チェーザレに出てくる「レコンキスタ」のことがこれか~と感慨深い。

    「ボアブディルの涙」で画像検索すると面白い
    アルハンブラがイスラム様式の建築物の意味だということもよくわかる

  • 馴染み薄いだけに、興味深い。
    読書に慣れてるコ向けかな?

  • アンダルシア地方を舞台にした歴史大河小説。イスラムとキリスト相反する宗教の元の友情、愛情の物語。
    アンダルシア版ロミオとジュリエット。

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