太陽と月の大地 (世界傑作童話シリーズ)

  • 福音館書店
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本棚登録 : 199
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834081626

感想・レビュー・書評

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  • 思ったよりも世界史ファンタジーだった…

  • 史実に基づいた歴史小説とのこと。キリスト教やイスラム教のことがわかっていればもっときちんと読み解けるのだろうか。

  • 15世紀スペインで、幼なじみのキリスト教徒のマリアとイスラム教徒のエルナンド、そして二人の家族のたどった悲しい歴史の物語。
    親の代から親しくしていた両家だったが、宗教の違いとその争いのために命を落としたり、負けて奴隷として売られたりしてしまう。結局二人は別の国で違う生き方をしなければならなかった。

    キリスト教とイスラム教という深い対立を描いているが、日本人にはなかなか理解でかない。きっかけになれば良いのか。

  • ・イベリア半島はかつてイスラム帝国の支配下にあったが、形勢逆転に伴いイスラム教徒からキリスト教に転向した「モリスコ」と呼ばれる人びとがいた。主人公であるモリスコの少年は、彼らに理解のある領主の元で比較的平穏な暮らしをしていたが、次第にキリスト教の優勢が確定的になると共存・融和的な空気から強制・差別・弾圧へと向かう。
    ・主人公と領主の娘は深い親愛の情で結ばれていたが、立場の違いが生むギャップは埋めることができず、主人公は一族が育った土地を去る事になる

    ・語り口が素晴らしい。

  • スペインの歴史について興味があったので、それを知る上では興味深かったが、物語としては、面白みが物足りなかった。
    宗教によって、人と人が争い、排斥が起こる。スペインでも、こういうことだったのだな、と思う。
    高い山から見下ろせば、人間である、というだけだというのに。

  • 2020.08.30

  • 16世紀スペインで起こったキリスト教とイスラム教の争いを舞台にした物語。
    それまでイスラム教徒が支配していたスペインのグラナダを、キリスト教勢力が制圧した。はじめはそれぞれの文化や宗教を保ちながら共に暮らしていたが、次第にキリスト教側が権力に乗じてイスラム教側に無理解な態度を取るようになる。それに対しイスラム教徒は反乱を起こすが、ついにキリスト教への改宗か国外退去の選択を迫られることになる。

    史実を元にしながら、そこにキリスト教側の権力者の娘とイスラム教側の若者を投影させることで、現代人にも感情移入して読めるようになっています。
    遠い国の遠い時代の物語。でも異なる文化を力で支配しようとすることで起こる悲劇は、時代も国も問わないものでしょう。
    文化や宗教を越えた友情を築いた懐かしい過去、幼なじみであり恋仲となった二人の未来、それらを壊したのは何だったのか。
    多様性が求められる今だからこそ必要なものを考えさせられる物語でした。

  • 1500〜1600年頃のスペイン。
    「レコンキスタ」という言葉は聞いたことあったけど、そこには、キリスト教徒、イスラム教徒、キリスト教に改宗させられたイスラム教徒(モリスコ)など複雑に絡み合って、寛容な政策から強硬派へ変わっていく歴史が舞台になっている。
    歴史の大きなうねりの中でも、物語の主人公は、いつでも個人だ。悩んだり、苦しんだり、友情や人生の喜びや悲しみもある。
    『「人が豆つぶのように小さく見える。遠くから見れば、キリスト教徒もモリスコも区別がつかない。みんなただ、人間というだけだ。」』
    遠い昔の物語だけれど、主題は極めて現代的だ。

  • 互いに思いあう二人が体制に引き裂かれる。切ない物語り。切なさが新たな火種になるのと二度と繰り返さないようにと道を示すのと、二つを分けるのは何だろう。

  • この歴史物語の舞台は16世紀のスペインですが、国や政治権力が、宗教や民族の対立をあおって敵と味方をつくりだし、結局罪もない多くの人々が傷つき、友情や信頼、愛情、故郷など、かけがえのないものが失われていくというのは、今も世界で起きていることです。歴史物語ですが、現代性をたぶんに持った作品と言えるでしょう。(訳者あとがきより)

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