- Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838726905
感想・レビュー・書評
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あー、やっぱり辻村深月さんは面白いなぁ。
辻村深月さんの読む順番が大切なあの一連のシリーズ、ほぼ読み終わっていたと思っていたのだけれど、この作品だけノーマークでした。
読みたい、読みたいと思っていながら、数々の他の読みたい本に追いかけられて(?)いたところ、映画化!ということで、今だ!と手に取りました。
おかげで、懐かしのあの人にも会えて大満足。
私は読む順番が大切なんてこと全く知らずにあの一連シリーズを読んでいたので、これから辻村深月さんを読み始める人がとっても羨ましいです!
さて、こちらの『ハケンアニメ!』
アニメ制作に様々な角度から携わる人たちのお話です。
仕事のやり方の違いから、初めは受け入れられなかった相手を、出し方が違うだけで、“アニメへの愛“は一緒なんだ!と気付いていく過程が熱くて清々しい。
そして、なんといってもアニメ=ヲタというイメージはやはり少なからずある。アニメの仕事を愛を持ってしながらも、『私はヲタですから、リア充ではありませんから‥‥』と思い込んでいる登場人物の気持ちが変わっていく様が良かったなぁ。そして、会う人会う人を萌え要素があるかないかで判断したりとかw面白すぎますw
私も推しがいたり、収集癖があったり、立派なヲタですので、制作側の人たちの描写も面白かったけれど、ファンの盛り上がりの描写もとってもとっても理解できて面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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1.感想
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それぞれに仕事にかける情熱や想いが溢れ出ていて、そんな想いが一つの方向に向かっていく繋がりが、羨ましく、感動しました。
やはり、好きなものと、自身の仕事がリンクしていることは、働く上では前提条件だなと、改めて感じました。それは、若い人に限った話でなく、年老いても、今好きなものは何であるのかを見い出して、それを仕事にするように動いていくことは、よりよい人生には必要なことだと感じます。
感情が動きやすい私の場合は、とても熱く感じるシーンが多くて、面白かったです。とくに、終盤に向け、関係者が繋がっていく感じがとてもよかったです。
登場人物が多くて、さらに珍しい名前が連発していて、メモを疎かにしてしまいましたが、ちゃんと、人物が繋がっていき、その繋がりが、また、感動をよぶものであったので、しっかりメモしておけばよかったと後悔( ; ; )
登場人物一人一人に目を向けて読み進めていくと、感動がより大きな作品だと思いますので、読む際は、ぜひ、じっくり読んでください。
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2.あらすじ
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アニメ制作と、そこに関係して働く人たちの、熱いお話。スタジオえっじの作品と、とうけい動画の作品、それぞれの制作に関わる人たちが、熱く、感動する物語になっています。
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3.主な登場人物
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1. 中堅アニメ会社スタジオえっじ
有科香屋子 ありしなかやこ、背が高い
王子千春 クリエーター、監督、イケメン、背は低い
2. トウケイ動画
行城理 ゆきしろおさむ、プロデューサー、表面的な出来る人
斉藤瞳 監督、トウケイ動画
3.ファインガーデン
並澤和奈 26歳、イラストレーター
宗森 市の職員
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迫水 イラストレーター
江藤
垣内
フィギュア会社 ブルー・オープン・トイ
逢里哲哉 おうさと、ブルーオープントイ部長、29歳
黒木
チヨダさん
太陽 瞳の近所に住んでる子ども
葵 声優
杏樹 声優
藤谷 イラストレーター
関 アニメーターのチーフ
鞠野カエデ ナンバーワン造形師、美人
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まず素直に 面白かった‼︎
こんなにも人気作家なのに初辻村です( ̄▽ ̄)テヘ
初めて読む作家さんはワクワクしますね♪
認知度低い(わたし基準)作家さんだと尚よろしい。
面白かった時はお宝発掘した気分です\(//∇//)
これがすでにベストセラー作家の場合ちょっと、いやかなり躊躇します。
あれ?そんなに良い作品かな?わたしがおかしいの?
なんて考えますね(*´-`)
さて初辻村作品は「ハケンアニメ」
黒辻村・白辻村を知り尽くしたブグログ隊長
「ひまわりメロリン」から初体験はコレだ‼︎
とおすすめされた作品です_φ(・_・
漫画、アニメ、声優…好きです\(//∇//)\
凄まじい取材をされたんだなぁと感服しました。
28歳の娘は「プリキュア」オタクです笑
毎回新シリーズが始まると巻き込まれる母(u_u)
TVの前にかぶりつきオープニングで涙…
「観て!一緒に観て!」「今回のキャラデザは◯代と同じなの!」「神だ!ヤバい!」etc…
自分の稼いだお金で食玩を箱買いし、ガチャガチャをひたすら回す…なんて幸せそうな娘( ̄▽ ̄)笑
この作品読んでまたまた娘と会話が弾むと思うと
めちゃくちゃ嬉しい(〃ω〃)
さぁ次の白辻村はどれにしましょう?
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でしょ!
コアなアニメファンも納得のいやコアなアニメファンだからこそ楽しめる!それが『ハケンアニメ』ですよ
みんみんの最初の一冊としてはベ...でしょ!
コアなアニメファンも納得のいやコアなアニメファンだからこそ楽しめる!それが『ハケンアニメ』ですよ
みんみんの最初の一冊としてはベストだと思ったよ
ブクログ界のコンシェルジュとお呼びください
『ハケンアニメ』が気に入ったなら次は『スロウハイツの神様』だね
なぜかというと…読めばわかるさ迷わず進め!元気ですかーっ!(アントニオめろ木)2022/09/28 -
元気があればなんでもできる!
めろ木ボンバイエ〜\(//∇//)
白辻村のお仕事小説はちょっと一穂ミチのお仕事小説と同じ匂いがします(^ ...元気があればなんでもできる!
めろ木ボンバイエ〜\(//∇//)
白辻村のお仕事小説はちょっと一穂ミチのお仕事小説と同じ匂いがします(^ ^)2022/09/28
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冒頭───
どうしてアニメ業界に入ったんですか。
という質問をされる時がある。
さあ、どうしてでしょうね、と首を傾げる。アニメが好きだからですよ、と答えることもある。
もう少し熱く、答える時もある。
大好きだったからです。昔から。アニメが、キャラが、あの声優が、あの作画が、設定が、監督が、音楽が、主題歌が、世界観の、それこそ、すべてが。
この作品にはいろいろな愛があふれている。
アニメそのものに対する愛。
アニメ作画家に対する愛。
アニメ監督に対する愛。
アニメ声優に対する愛。
アニメのキャラクタに対する愛。
そして、アニメを愛する人間すべてに対する愛。
アニメ業界の中では、『覇権』と称するそのクールのアニメでトップを取るために業界内での争いが繰り広げられる。
そこでは、アニメに対する愛と情熱が試される。
オタクと呼ばれ、リア充でなくとも、彼、彼女らの情熱が冷めることはない。
そのなかでの人間模様。
アニメへの愛を媒介にして、人間同士の愛も生まれる。
前半は、アニメ制作の構造や、業界の内幕の説明など、初めて知る世界が多すぎて、物語に入りにくくやや読みづらい。
“スロウハイツの神様”のような展開------。
だが第三章『軍隊アリと公務員』から一気に人間くさくなる。
そして、ところどころの著者独特の仕掛けで、ほろりとする場面が。
“白辻村”の本領発揮だ。
最後、作中で話題になる『ハッピーエンドで終わるべきか、否か』の論争と異なり、この作品自体は、ハッピーエンドで終わったと言っても問題ないだろう。
この『ハッピーエンド論争』は、辻村氏自身の“白辻村“と黒辻村””という二面性の自らへの問いかけではないのか?
私個人の見解で言えば、「ベタでもハッピーエンドで終わらせたい」と数年前に言った彼女の言葉を支持する。
たとえそれによって、文学的な作品の完成度が劣るとしてもだ。
彼女の爽快な終わり方は、本当に心が温まり、胸を打つ。
大の男が、憚ることなく涙を流すような終わり方だ。
そんな作品を書ける作家は数少ない。
ブクログのレビューを見ても、“黒”の直木賞受賞作「鍵のない夢を見る」と“白”の「スロウハイツの神様」や「名前探しの放課後」では、1点近い評価の差がある。
それだけ、“白辻村作品”が読者に評価されているということなのだから。
そんな彼女の最大限の長所を活かした作品を、これからもより多く発表してほしいと願うのみだ。 -
面白かったこの!
途中うーんと思うところもあったけど終盤の疾走感や小気味いい裏切りの連続、こうなるといいなをどんどん実現してくれるのはなんだか嬉しくなる
大団円のハッピーエンドは大好きだ -
王子千晴監督作品『光のヨスガ』を観て、きっといつか
王子千晴と仕事をすると決めていた有科香屋子。
念願だった、王子との仕事『運命戦線リデルライト』の、
プロデューサーとなるが、王子が失踪してしまう…。
アニメ監督の斉藤瞳は王子と同じクールに放送される
『サウンドバック 奏の石』を、作っている。
彼女は人付き合いが苦手で関係者とギクシャクする事も…。
彼女のプロデューサー行成は、要領は良いが、他の人には
悪く言われる事も多い…。
神原画を描くと、一部で有名になっている並澤和奈
彼女が働くスタジオは、サバクの舞台のモデルとなった土地
市の観光課に勤める宗森の聖地巡礼で、地元を盛り上げ
ようとする活動に巻き込まれ…。
アニメ業界に関わる三人の女性の視点で、彼女達の仕事を
している姿もしっかり描き、ポリシーも語られている。
物語は彼女達が別々に語っているが、重なる部分も多く
干渉しあって、絡まり紡がれていく。
アニメ業界の事を何も知らなくても、アニメを作る人々の様々な
視点を取り入れてて、とっても理解しやすかった。
楽しめました。
どんな立場の人もどんなに辛くても、上手くいかなくても
好きだから、愛があるから、やめられない!打ち込める!
皆の想いはひとつ❝いい仕事❞がしたい!
熱い熱い想いがとっても、伝わって来ました。
アニメ業界だけじゃなく、どんな仕事でもそうなんじゃないかなぁ
さすが、深月さん心情描写がとっても上手
やはり、ジンワリさせられました (*´ー`*)
ラストに登場するチヨダ・コーキ原作の『V・T・R』
王子監督のアニメ
観た-----------い!!!
チヨダ・コーキ…チョコチョコ登場しますが、
とっても格好良いよ~:*(〃∇〃人)*: -
まだ、じーんと余韻が残っていて、目頭が熱いです。
文句なしの最高傑作。読めて幸せでした。
ハケンアニメは派遣アニメじゃない、というのは知っていました。が、具体的にどういうことなのか、というのは本書を読んで知るところでした。
読んでいて胸が熱くなるし、涙がこみ上げてくるし、その涙がまた熱い。仕事に誇りを持って働く人たちの姿があまりにも尊くて。
アニメ業界といえば、ものすごくタフでないと乗り切れないハードな現場で、夢を糧に生き抜くイメージでした。
実際に描かれているのも壮絶な現場で、いわゆる時間給で働く職種ではないんですよね。何日も寝てないなんて描写が度々出てきますが、それなのに本書は全然重苦しさや暗さがない。
狭い業界ならではの苦労も見え隠れするけど、読んでいてこんなにも泣きたくなるのは、愛を持って仕事をしているのがありありと伝わるから。誇りを持って仕事をしている人って、なんて、格好いいんでしょうね。
ハードな現場だからこそ、誇りや愛情なしには乗り切れないという一面はあるかもしれません。
でも、自らその道を選び取って進む人たちがすごく輝いていて、感動しっぱなしでした。
さて、アニメと言えば私もあまり見る方ではないですが、「コードギアス 反逆のルルーシュ」には随分はまって泣いたりしたものです。
アニメがある人生もまた、本がある人生と同様に豊かなものでしょうね。
ところで本書は、登場する人物もまた魅力的でキャラが立っているんです。物語の終盤近くにも新たに魅力的な人物が登場したかと思えば、思いもよらない相関図に驚いてみたり。どの人の素敵で好きですが、なんだかんだで一番好きなのは王子でしょうか。
ちょっぴり前途多難ですが、お似合いな二人が結ばれたらいいなあ。本当にいい物語でした。おすすめ。-
初めまして。
フォローいただき、ありがとうございます。<(_ _)>
リフォローさせていただきました。
お手すきの時で結構ですので、
...初めまして。
フォローいただき、ありがとうございます。<(_ _)>
リフォローさせていただきました。
お手すきの時で結構ですので、
どのレビューをお読みになってフォローするお気持ちになられたのか、
お教えいただければありがたく存じます。
今後ともよろしくお願い致します。
2016/05/05 -
はじめまして、こんばんは^^
コメントもリフォローもありがとうございます。
koshoujiさんのレビューを初めて読んだのは綿矢りさ...はじめまして、こんばんは^^
コメントもリフォローもありがとうございます。
koshoujiさんのレビューを初めて読んだのは綿矢りささんの「ウォーク・イン・クローゼット」で、フォローさせていただいてる杜のうさこさん経由でタイムラインに流れてきたように記憶してます。
なんて素敵なレビューなの!と思ってページを拝見させてもらったら、どれもこれも素敵レビューすぎて、速攻でフォローさせていただいたんです。それもこっそり・・笑
いつもいつも、私もこんな風にレビュー書けたらいいなあって思いながら読ませてもらってます^^
こちらこそどうぞよろしくお願いします(_ _*)♫
2016/05/05
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辻村深月らしさに溢れる作品だと思う。
ストーリー性も良いし、情景が文章からでもしっかりと捉えることができる。
何とも様々な伏線を上手く繋ぎ合わせる。読んでいて気持ちが良い。素晴らしい作品だと思います。 -
これは面白い。
一章まで読み、そこまでだけでも人に薦められる。
でも、三章の途中で思わず訂正。
「最後まで読まないともったいなさすぎる。あぁ、やば、おもしろ」
久々にこれだけの充実感。
これは心のそこからおすすめします! -
アニメの製作現場の熱っぽい人間模様をいきいきと描いた作品。
3人の個性的な女性と、そのお相手?を中心に。
ノリが良く、愛に溢れていて、面白かったです。
「王子と猛獣使い」
中堅スタジオの女性プロデューサー有科香屋子は、王子こと(なんと本名で)王子千晴監督のことに頭を悩ませていた。
伝説的な作品で知られる、天才肌で気まぐれな王子。
香屋子はアニメが大好きでかなりの美人、ちょっと天然。
王子のほうも憎からず思っているのだが、香屋子はまったく気づかない‥
「女王様と風見鶏」
女性の若手アニメ監督、斉藤瞳。小柄だが、職業柄性格はきっぱりしている。
敏腕プロデューサーの行城とコンビを組むが、行城は口八丁手八丁、アニメを愛している感じはしない人物。
しかし‥?
「軍隊アリと公務員」
新潟市に本拠を移したアニメ原画スタジオで働く並澤和奈。神原画を描くとファンの間では噂になっている。
市役所の観光課の宗森のまじめさに戸惑うが、しだいに協力的に‥?
章のタイトルや、キャラの立った描き方など、いつもの辻村作品とは雰囲気が違いますね。
アニメ風を意識したせいなのか?
むしろ有川浩っぽいけど、だったら女王様キャラがもっと強く描かれていそう。割と控えめなのが辻村さんぽいかも。
話はモデルがあるというわけじゃなさそうだけど、取材に基づくアニメ製作の実態を少しは知ることが出来るし、快調なテンポでハッピーな方向へ向かい、楽しく読めました☆