- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840152198
作品紹介・あらすじ
じゃみ、じゃみ、じゃみ。夫と五歳の一人息子と、京都の古民家で暮らす「私」は家の押入れや壁の隙間を這い回る、"異形の家族"を飼っている。それは私の過去の罪の証-。夫とも息子とも仲良うしたらあかん、"おじゃみ"がへんにし起こして、みんな居らんなってしまう(「おじゃみ」)。京都に暮らす女たちの心の闇を描く全7篇。書き下ろし作品「勇」を収録。第4回『幽』怪談文学賞短編部門大賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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京都の雰囲気がこんなに怖くなるなんて…霊はもちろんだけどおじゃみも前妻さんも人がすごく恐ろしい。
虫籠窓みたいに囚われのイメージが似合う京都に惹かれます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
じゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみじゃみ
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京都弁と怪談って、すごい合う。優雅なようで、異世界観があって、どこか不思議で、素敵。
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文庫版再読。新作短編も追加されています。
やっぱり何度読んでも、「おじゃみ」と「前妻さん」が可愛くて仕方ない。異形のものよりもむしろ人間の邪悪さの方にぞくっとさせられちゃうなあ。
新作「勇」も、怖いながらもくすりとさせられてしまった一作。微笑ましいというかなんというか……それでDHAは取れないと思うよ?(笑) -
きもちわるくておそろしい。
でも、読まずにはいられない。この先、どうなるの?このオチどうなるの?が止まらないです。
愛憎表裏一体の「おじゃみ」。
小さな親切大きなお世話の「前妻さん」。
サイコさんたちの「増殖」。
祟りと拝みの「虫籠窓」。
疑惑と執念の「正体見たり」。
漠然とした不安や倦怠の「安全地帯」。
無邪気の邪気の「勇」。
登場人物たちの価値観や判断力が、こちらと認識の齟齬を生み出していて、それが怖さに変わる気がします。
きもちわるいですね。そしておそろしい。
でも、読んじゃうんですよ。オチが気になるから。