キノの旅 (6) The Beautiful World (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840221559

感想・レビュー・書評

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  • 2010年10月2日

  • シズ様の昔話が印象的でした。自己犠牲・・

  • この巻では、『安全な国』と『祝福のつもり』が興味深かった。
    あとがきに代わるものの今回の趣向もまた面白かった。
    つい書き込みたくなる。(笑)


    以降ネタばれ。
    安全な国の内容を、私たちは笑えないだろう。
    今の日本も大差無い。
    強調して書いているからこれだけ奇妙に感じるけれど
    ブランコなどの遊具、サッカーなどのボール遊び、
    事故がおこったらどんどん禁止されて
    公園や学校のグラウンドで遊べる遊びは少なくなっている。
    事故は確かに望ましいものではないけれど
    経験してみなければわからないことばかりだ。
    ブランコの鎖に指を挟んだり
    手を滑らせて落ちたりして痛い目を見て
    あぁ、やってはいけないのだ
    気をつけなくてはいけないのだ と学ぶ。
    それがないから、幼少時に親犬から引き離されてペットショップで売られる仔犬のように
    兄弟喧嘩で経験がつめず飼い主を噛んだりするのだ。
    この場合は犬に罪は無く、引き離す人間、飼う人間に非があるのだが
    人間の場合は自分たちで問題を招いているのだから始末に負えない。

    大体、危険だと言って銃やナイフを取り上げたとしても
    その気になれば指一本で人は殺せる。
    傷つけるだけなら紙でもいい。
    危険なものを禁止するのなら、まず人間を禁止するべきだろう。


    また、シズが故郷に帰る前にこのような少女と出会い
    結局命をかけることは叶わず
    死に損なったと思いながら生き続けていくというのは
    なんとも言えない気持ちになる。

  • 6冊も出ていたら、もはや新感覚ではない気がしますが…あまり深くは突っ込まないことにします。ボリューム的に普通の短編集でした。


    キーワードは「真実の裏にある真実」。描写がうまくできていて、最後に本当の話が出てくるものばかりでした。「灯台下暗し」的なものや、騙してたつもりが騙されてた…とか。真実は一つだけじゃないってことです。

    戦闘シーンがなくて、わりと(このシリーズにしては)平和な内容でした。でも、このシリーズにとって重要なお話や1巻と繋がっている話、ほんの少し心が温まる話とかがあって、私の好みに合ってました。なので、星5つにしました。

  • 批判じみた話はだいぶ少なくなってきました。
    神秘的な話も一つだけながらあります。
    どこか不思議な感じ。

    強烈なのは「安全な国」ですね。
    これは大体途中までくれば
    わかるはず、そう、安全を求めすぎると
    生活は破綻するわけで…

    それと「忘れない国」もある意味きついかな。
    なんか言われそう…
    忘れないのもある意味災難ですし…
    そう、この話のようにね。

  • 安全な国
    長のいる国
    忘れない国

  • まるで、星新一さんを彷彿とさせる世界観だと感じるのは、タクだけだろうか?
    世の中、救われないと思わされるが、捨てたものでもないな、って思う。

  • 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅!

    読了日:2006.09.19
    分 類:連作短編
    ページ:228P
    値 段:530円
    発行日:2002年8月発行
    出版社:メディアワークス電撃文庫
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ----------------------------
    主人公:キノ
    語り口:3人称
    ジャンル:異世界ライトノベル
    対 象:子供~一般向け
    雰囲気:静か。淡々とした
    結 末:各話完結型
    イラスト:黒星 紅白
    カバー・口絵・本文デザイン:鎌部 善彦
    ----------------------------

    ---【100字紹介】-------------------
    人間のキノが、言葉を話す二輪車エルメスと旅をする物語第6作。
    国を巡ることは人を知ること。
    人間とそして世界の、美しさも醜さも。
    沢山の個性的な人が作り出す異世界都市国家を、
    キノとエルメスと一緒に旅しよう。
    -------------------------------------

    ●収録作品●
    --------------------------------------------
    口絵  入れない国 ―Reasonable―
        中立な話 ―All Alone―
        戦車の話 ―Life Coes On.―
    プロローグ 誓い・b ―a Kitchen Knife・b―
    第一話 彼女の旅 ―Chances―
    第二話 彼女の旅 ―Love and Bullets―
    第三話 花火の国 ―Fire at Will!―
    第四話 長のいる国 ―I Need You.―
    第五話 忘れない国 ―Not Again―
    第六話 安全な国 ―For His Safety―
    第七話 旅の途中 ―Intermission―
    第八話 祝福のつもり ―How Much Do I Pay For?―
    エピローグ 誓い・a ―a Kitchen Knife・a―
    --------------------------------------------

    キノのシリーズ第6作です。100字紹介は超手抜きで、またまた前と同じです。まあ、いいでしょう。続き物だもん。

    内容は、「人間キノと言葉を話す二輪車エルメスが旅する話」…の一言ですべてを言い尽くしています。そもそも「言葉を話す二輪車」ということで、舞台は異世界。都市国家的な、完全に独立した国が国境を接することなく、距離をおいて点在する世界です。

    今回も第一話・第二話で同じ和名タイトルがついていますが(でも英名は違う)、第5作のときとは違って、特にセットのお話でもなく。あの趣向は面白かったですね。今回の同名タイトルは、2つのまったく異なるタイプのお話。でもどちらも旅人の女性のこと。ある意味、対かな。

    第6作は今まで以上に暗い雰囲気や、哀しいお話が多かった気がします。特にラスト、第八話はもう。ただし口絵の3話は、ちょっと面白い系ですが。「中立な話」がまとまりがよくてお気に入りです。

    そして恒例・変なあとがき!前回もすでにあとがきではありませんでしたが、もちろん今回も変です。やっぱりあとがきじゃないってー。ネタばれはないので、安心して読めますが、むしろこれを読んでも本編の内容はまったく分かりません(笑)。そういうノリ。


    ●菜の花の独断と偏見による評定●
    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★
    展開・結末 :★★★
    キャラクタ :★★★+
    独 自 性 :★★★
    読 後 感 :★★
    ---------------------------------

    菜の花の一押しキャラ…キノ

    「キノはがめつい」(エルメス)

  • よくない道だねえ、と走ってきたモトラドが言った。後輪の脇には箱が、上には大きな鞄と丸めた寝袋とコート。旅荷物をたくさん積んだモトラドだった。でもやっぱりこれは近道だよと、モトラドの運転手が言った。黒いジャケットを着て、帽子とゴーグルをした十代中頃の若い人間だった。腰を太いベルトで締めたジャケットの前合わせは、初夏の風が入るように大きく開けていた。その下に、白いシャツを着ていた。人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。これをよんで気になっている人はもうキノの旅にハマっている証拠です。

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著者プロフィール

2000年『キノの旅 the Beautiful World』でデビュー。アニメ『ソードアート・オンラインII』の銃器監修も担当。

「2023年 『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインXIII ―フィフス・スクワッド・ジャム〈下〉―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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