キノの旅 (7) the Beautiful World (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2003年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840223867
作品紹介・あらすじ
-モトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)の反対側で、運転手が草の上に座っていた。両足を前に出して、後ろに手をついて、そして空を見上げていた。春の暖かい太陽に、蒼い空を背景にいくつかの雲が流れていく。運転手は十代中頃で、短い黒髪に精悍な顔を持つ。黒いジャケットを着て、腰を太いベルトで締めていた。-人間キノとモトラドのエルメスは"動いている国"に出会い入国する。その"動いている国"が進む先には"道をふさいでいる国"があった(「迷惑な国」)。他全8話収録。短編連作の形で綴られる、新感覚ノベル第7弾。
感想・レビュー・書評
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■書名
書名:キノの旅〈7〉the Beautiful World
著者:時雨沢 恵一
■概要
人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。
短編連作の形で綴られる、第7弾。
▼収録話
「何かをするために・b」
「迷惑な国」
「ある愛の国」
「川原にて」
「冬の話」
「森の中のお茶会の話」
「嘘つき達の国」
「何かをするために・a」
■感想
キノシリーズ、第7弾です。
この巻、面白いです。
「迷惑な国」「冬の話」「何かをするために」の3つが好きですね。
「迷惑な国」は話的には読んでいてイライラするので好きではない
のですが、裏を返せば、自分もこうやって考えている部分があるな~
と思い、好きとしています。
自分と物語の登場人物で違うのは、程度の差だけです。
これを読んで頭で考えると、自分のご都合主義(矛盾)がはっきりと分
かりました。
このような文化、宗教、考え方の違いは、論理的なものではなく、感情
的なものなので、分かりあるのって本当に難しいです。
この物語のように、一方が自分の考え方を押しつけてしまうと結局戦争
に発展するように思いますが、押しつけないで妥協点を探せば違う物語
が成り立ったのではないかと感じました。
(恐らく、わざとだと思いますが。。)
本当に世の中には、灰色の部分が蔓延しているな~
「冬の話」は医療が許されていない国に辿りついた医師の話です。
中々、深いです。
医師の過去の事情と葛藤ともう少し丁寧に描いても良いのでは?と
思いましたが、この医師の行動は、医師の鏡だと思います。
また、この話では、珍しくキノが感情を揺さぶられている描写があ
るのも、面白い点です。
「何かをするために」は、キノが旅に出る前の、キノと師匠の物語
です。(a,bで分ける必要性は皆無だと思いますが・・・)
キノが(恐らく)初めて自分の身を自分で守った話だと思います。
人を疑わない事の怖さ、人を信じる事のむずかしさ、自分の身を守る
事のむずかしさ、文化を知ることの大事さなど、色々と考えさせられ
る物語です。
細かいですが、キノが、現代よりも女の子なので、話し方の違いも
面白い部分だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「嘘つきたちの国」がすき。
エピローグもよき。 -
注:残酷・暴力的な描写が(少ないが)あるので、学校図書として置くかどうかは慎重に(例:人間の頭部に銃弾が当たり、顎から上だけが吹っ飛ぶ、脳が飛び散る等)
内容:
「「ひとつの国に滞在するのは3日間」というルールで様々な国を訪れる旅人キノと、その相棒で言葉を話す二輪車のエルメス。キノたちが訪れる国は個性豊な人たちが暮らし、キノと様々な形で出会い、そして別れていく。」
ベストセレクション、コミック・アニメもあり。
第7巻:
「生きていると 悲しい 生きていることは 悲しくない」 -I am alive.-
発売日:2003年6月25日
登場人物:キノとエルメス、シズと陸、師匠と弟子
目次
●プロローグ「何かをするために・b」
●第一話「迷惑な国」
●第二話「ある愛の国」(師匠のお話)
●第三話「川原にて」(シズのお話)
●第四話「冬の話」
●第五話「森の中のお茶会の話」(師匠のお話)
●第六話「嘘つき達の国」
●エピローグ「何かをするために・a」 -
お師匠さん多め。
意地悪に読むとキノは結果的に「キノ」の人生を乗っ取ったようだなあ。「キノ」の代わりをし続けなければならない呪いでもあるかも。
まあキノはこういう特別なエピソード以外は、個人というより象徴って感じである。 -
記録。
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2020.5.21 読了
いつもの冒険譚。
キノの過去の話もあった。 -
し 頂きもの ハコ05
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ストーリー上の大きな展開もなく、国々を経めぐるキノとエルメス、そしてシズ様と陸の旅をえがく本シリーズですが、ここにきてキノとその師匠の過去や、シズ様が旅をする理由など、ストーリーの中核になる設定が、すこしずつ明らかにされています。
正直なところ、本シリーズに対する興味の中心はそこにはないのですが、それでも今後どのようなかたちでこれらの設定がストーリーに絡んでくることになるのか、もうしばらく見守っていきたいと感じました。