学校を出よう!(2) I-My-Me (電撃文庫 た 17-2)

著者 :
  • メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840224338

作品紹介・あらすじ

突然、雨の路上に立っている自分に気づいた神田健一郎。傘も持っておらず、なぜか右手には血まみれの果物ナイフ。なにかよからぬことが起こったことは想像できるのだが、そのなにかがまるで思い出せない。とにかくやばいという焦りのままに、自分の家まで逃げ帰った神田を待っていたのは、なんともう一人の自分だった!いったいなにが自分(たち)に起こったのか?そして自分とはなんてむかつく奴なのか!?神田Aと神田Bは、変なコトに興味を持つ星名サナエの力を借りてなんとか謎を解こうとするのだが…。

感想・レビュー・書評

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  • 1

  • 谷川流のもう一つの代表作というべき「学校を出よう!」シリーズ第2作。

    1作目が1作目だけにどうやって続編にするんだろうと思ったら、まったく違う舞台でまったく違う話がかろやかに展開する。

    ロジカルなプロットが素晴らしいタイムトラベルSFであり、切ない恋物語でもある。

    今回は完全に筒井康隆『時をかける少女』へのオマージュと言っていいかなと、まあ、駆けるのは男なんだけどさ。

    後、『機動戦艦ナデシコ』のアキトとアイちゃんのエピソードも思い出したり。

    ちなみに宮野&麻衣子もちょっとだけ出演。やっぱりこの二人のコンビも良いやね、うん。

  • 面白い。そして上手い。

    内容的に盛り上がりが欠けるとか、展開がまだるっこしいとか感じられる人もいるかもしれない。

    けど、この構造、凄いとしか言いようがない。単純明快そうに見えてしっかりとした構成イメージが無いと描けないと思う。時間関連のSFをこれだけ違和感なくストンと落としてくるストーリーは中々無い。

    そりゃ、細かい事を言いだせばいくらでも突っ込みどころはあるのかもしれないが――時間軸に閉じ込められたナイフなど――小説内で謎は謎として上手く処理されている。

    そもそも、三日前の自分と三日後の自分が現在軸で出逢うという発想だけで打ちのめされている。

    ラスト、工場にナイフを持っていく必要はあったのか?とか、ミーちゃんが落ち込んでいた理由が今一曖昧とか(それは後の巻の伏線?)あるけれど、それらもストーリーの盛り上げのために必要であったと考えるならば眼を瞑る事も吝かではないだろう。

  • 同時に存在する過去・現在・未来の自分。どうやら過去・未来の自分達(?)は「現在」にタイムスリップしてきたらしいという信じられない現実と、それ以上に不可解ないくつかの事。何かに促されるように主人公は行動を起こしていくが、更に重なる問題が…。ラノベ的な要素をしっかりクリアしつつも、SFではある意味タブーな、同一人物を同じ時間に引き合わせるというひねりも効いていてしっかり個性もあり楽しめた。ナイフの件が著者ならではな感じがして印象的。同じ時間SFものラノベで評価が高いタイムリープと比べてみると面白いかも。

  • 学校を出よう!シリーズ最高傑作、だと思う。
    SF作品を嗜んでこなかったので、本作品で強烈なインパクトを受けた。
    浜松駅ビルの書店で購入して電車に乗っている時に読み始め、電車を降りてから帰るまで待てなくて、座って最後まで読みきった。多分、もう2度とこんな経験はしないだろう。

    内容はタイムパラドクス系。1巻とはまた別の人物が主役を張るという、作者が超頑張った作品。キャラ作るの大変だろうに。

    ホシナサナエというキーパーソン登場回でもある。
    正直再登場なんてないと思ってたけど、後にちょこちょこ出てくれるので嬉しかったな。
    主人公視点で見るとホシナさんが良い子なので、主人公の世界から足を引く場面は切なかったなぁ。

    ナイフの円環の話はゾッとさせられた。何度か読み返すうちに、ん?と思う描写でもあったので、SF好きな人にはよくある仮説のうちの1つ程度なのかもしれない。

    いやー、今でも鮮明に面白かったと思える数少ない作品の1つです。読んだラノベの中では一番。

  • よくある展開でした。

  • 評判が良かったので読んでみたが時間のトリック(?)が面白かった。一巻目の内容はもう忘れた

  • 4840224331 294p 2003・12・15 3版
    1巻を苦労して読んだという人には2巻以降報われてきます。

  • この著者の作品は他にハルヒシリーズ・絶望系を読んでいましたがやっぱりこういうSFとか時間跳躍の話があるのが面白いです。そこに考察と願いみたいなのが組み合わさる辺りの描写が個人的にツボです。

    あと、どこか自分は誰かに恣意的に操作されたり、従わされているんじゃないか?っていう意識があって、それを振り払うためとか、その真意を知りたいっていうために主人公が考えて結論を出すのは著者の作品には一貫してるのかも


    一巻よりは間違いなくさっくり読めました(でも一巻の知識はすこし必要、この巻からだけ読んだら終盤の前作キャラがいることがよくわからなくなるかも)

  • 学校を出よう!シリーズでは最も良作だと感じました。時間軸が飛び回るのも斬新な内容で、読了したときにはとても満足する作品で何年後にももう一度読んでみたいと思える作品です。AとBのカラーイラストに惹かれて購入しましたが内容も充実しており、謎も深いミステリアスコメディのような作品で、楽しく謎く。前作の妹ちゃんのお話よりもさらに善処された作品で全体の仕上がりも好きでした。私の過去でもこれがライトノベルに手を出すきっかけの第一歩になったのでより関心と評価が高い思い入れのある作品です。

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著者プロフィール

2003年、第8回スニーカー大賞<大賞>を『涼宮ハルヒの憂鬱』で受賞し、デビューをはたす。ほかに『学校を出よう!』(電撃文庫)などがある。

「2019年 『涼宮ハルヒの驚愕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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