- Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840228244
感想・レビュー・書評
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自衛隊三部作の二作目。前作同様のSF的な設定ですが、遥か上空に巨大な知的生命体が存在するという発想が面白く、思わず空を見上げて「ひょっとしたら・・・」なんて思ってしまいました。
物語の要所要所に挟まれる年長者の言葉も、方言で語られることも手伝ってか、優しさと温かさが感じられ心に響きます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会う時、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは- すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタツエンタテインメント!!
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有川浩第2作。高度2万メートルに1個体だけ存在する生命体に遭遇する。高い知性を持ち、空を飛ぶことができ、波長や電波を自在に操れるので、レーダー波も反射しないようにできるし攻撃もできる。
白鯨と名付けられたこの知的生命体に、人間社会の仕組みを説明していくが、民主主義や戦争をその概念がない生命体に説明するのを通して、人間の愚かさが皮肉的に示される。
また、自衛隊岐阜基地に設けられた対策本部の高巳と光稀、生命体に最初に遭遇した瞬と佳江それぞれの関係、真帆の賢さと屈折、宮じいの存在、などが語られていく。
SF的な物語だが、登場する人間の関係が主軸となっているところが、有川浩的でもある。白鯨が最後まで素直すぎたために少し盛り上がらなかったか。 -
フェイクがその純粋さゆえに瞬のために共食いをするところがなんだか泣けます。そしてそれがいけないことであるのを分かっていながら、強く言えない佳江の描写がまた泣けます。
宮じいのことばは心に深く響きます、宮じいのような大人がたくさん入れば世の中は平和なのになぁって思うけど、実際こんな人はそんなにいない。だからこそ自分は少しでも宮じいのような大人になれるように生きていきたい…
高己と光稀のコンビはめっちゃきゅんきゅんします。さすが有川さん笑 -
また、自衛隊ものかあと思ったのだけど、この設定ありえない・・未確認の物体との接触。父を亡くした息子、その友達の女の子
そして、、、いい味出しているのは、宮じい
子供が、子供らしくいるように羽目をはずすのはあってもいいんだということ。
間違えたら、それを受け入れること。
間違いは消えることはないが、それを受け入れて生きていくのが人間だということ。
逃げてはいけない。
そんなこと考えられた本でした -
SFチックなお話ー??
独特な設定、有川ワールドだなぁと思いながら読んだ(・∀・)
春名と光稀の話は続編?があるみたいなので、早速読まないと♡
あー♪おもしろかった♪♪♪ -
遥か上空に人類が存在するよりもずっと昔から存在する知的生命体がいたという設定はなかなか面白かった。
色々な人の思惑や、拭いきれない感情を含んで話は進んでいって、この中の登場人物達は少年にしても少女にしてもはたまた大人達も愛されたいんだなぁというのが端々に感じ取れて、個人的には重いわーと思う所が多々あった。
それに対してすごくいいなぁと思ったのは、宮じいのシンプルで穿っていない朴訥な言葉。
一番心に響いてくる。
こういう大人ってなかなかいないよなぁ。
自分もこういう大人になれるように見習いたいなぁ思った。