バッカーノ!1705The Ironic Light Orchestra (電撃文庫 な 9-23)

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  • メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840239103

感想・レビュー・書評

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  •  昔から思っていることがあって、100点満点のテストで0点を取ることも100点を取ることも大して変わらない。いや、重大な違いだという意見は当然あるだろうけど、常識の範囲内という意味では両社とも常人なのである。
     異常とは、0~100点までしか取れないテストで「103点」とか「-4点」とかを取ってしまうこと。すなわち常識を逸脱してしまうことであって、そこには「優秀」だとか「落ちこぼれ」なんて分類はない。どんなに優秀でも100点以上を取ってしまうことは異常である。
     制御を失っていきすぎた「正義」ってのはもはや異質な別物なんじゃないだろうか。

     本書を読んでそんなことを感じた。

     いやはや、相変わらずというかなんというか、構成もしっかりしている上に面白い。成田さんは外れのない作家さんだと思います。タガの外れたキャラクターを書かせたらピカイチです。

     ネジの外れた人間はまるで全てが破綻したように見えてしまいがちですが、それこそネジが1つ外れただけなんじゃないかなと思います。ただ、それが信念みたいなその人の根幹を揺るがす重大なピースであるがゆえに影響力も大きいだけです。
     成田さんの描くキャラクターもなにか1つだけズレていることが多いです。


     最後に余談ですが、「悪を逸脱した悪」があるとしたら、それは一体どんなものなのでしょうね。

  • ひとつの始まり。
    母を殺された少年は世界を憎んだ。
    笑顔の少年はすべての人の幸せを願った。
    そんな彼らの出会いの話。

  • 新書購入

     シリーズもの。ファンタジー。マフィアもの。
     不死の酒にからむ騒動、になる手前。番外編。
     物語の主役は、本編最大の悪役である、ヒューイ。
     そして、笑顔中毒者のエルマー。

     二人の生い立ちは、痛いです。
     優しい母親を魔女裁判で失い、そして母親は最大の復讐として、自分を告発した者たちを道連れにする。結果として、ヒューイは母と、育った村の優しい人たち(のように見えた連中)を根こそぎ失う。
     そして、歪むヒューイ。
     エルマーは壊れきっているので、まあよいのですが。

     この物語は痛いです。
     いつもの馬鹿騒ぎではないです。
     安全のために民衆は、奴隷の子どもたちを壊していく。
     そして起きる連続殺人事件。
     この民衆は皆殺しにしたほうがいいのでは?と思ってしまった。

     すごく鬱々です。

  • エルマーは昔からエルマー(笑)
    ヒューイの微かな心情の変化を感じる事が楽しかった

  • なんだろう、煮えきらない…。
    面白くなかったわけじゃないんだけど、エルマーがずば抜けすぎてて進むにつれて他がぼやけていった。
    え?は?と思っているうちにおいてきぼりくらった感じ。まさにヒューイ状態というか…なんだろう、謎が多すぎる。
    モニカの過去やエルマーの過去は後に詳しく説明されるのかな? 後書きに“ひとりだけ”なんてあったけど、エスペランサがそうなった理由やモニカがそうなった理由やルネ先生とかダルトン先生とか田九郎とかザンクとか色々あやふやにしすぎじゃないか…! 過去を根掘り歯掘りするバッカーノらしくない!
    最後にどんでん返しがくるのはわかってたけど、まさかお前かよっ! 嘘だ!!!と言いたくなるようなまさかまさかの展開にしばし唖然とした。
    …そうか、人間って丸くなるんだな。
    ヒューイが普通の男の子でビックリしました。目抉られてニヤけてたあいつは一体誰なんだ…徐々に狂っていくのかな。なるほどな。エルマーは悪魔だな。

  • 20101209
    5日間

  • 面白い。上には上がいるっていうのがいいねぇ。
    あぁ、ヒューイ君が可愛く見えますねぇ。

  • 2010/7

  •  BACCANO!作品で一番年代が古いからと初めに購入した小説。
     けれど気付いたらこれ番外編っぽくないですか?(笑) 
     ということで、途中で「うわ、どうしよう・・・」と思いながらも読んでみましたが結構いけますね。
     アニメではほとんど登場しない人たちの過去を題材とした話ですがこれ単品でも普通に読めます。
     それに舞台設定が自分的には好み。ロットヴァレンティーノ。多分架空の町ですが。あと魔女裁判の話とか、錬金術とかね。
     
     そんで、この作品伏線がめっちゃわかり難い。
     いやなんか同じようなことを執拗に書いているんですがそれがどういう伏線になんのか自分はわからなかったです。
     そんでキャラクターはかなり個性派。いやBACCANO!のキャラ皆基本キャラ濃いですがやっぱコイツらも濃かったです。
     スマイルジャンキーのエルマーとか女性至上主義のエスペランサとかすんごい二重人格のモニカとか。ニキとかこの話では一番主人公っぽいヒューイのキャラの方がまだ薄いくらいに周りの奴らはめっちゃ濃いです。
     まぁでもこの話自体ちょっと暗い系なのでそういう奴らの存在は救いですがね。なんか和むっていうか。

     あと自分的にはちらちらと現れるマイザーが嬉しかったです。自分がよく知っている唯一のキャラですから。性格は正反対でしたけどね(笑)
      
     まぁ総評すると結構面白い話だったのではないかと。後半に関してはほんと吸い込まれますね、話に。成田さん、見直しました。

  •  1705年イタリアの地方都市、15歳のヒューイと、エルマーの出会いの話。
     
     もう影の主役と断言してもいいでしょ、ヒューイの出生が(100%でないけど)明らかになるわけで…。もうとことん屈折してるあたりが、オタク心をくすぐります。やられた。
     が、それを上回るエルマーの出生。
     でもって、彼が「悪人」だといわれるゆえんが、まぁなんとなく分かるわけで。うむ、目的のために手段を選ばないというのは、確かに「善」ではないのだろう。が、それをラッピングして「善」とみせかけてきたのが、いわば人間の歴史なんだろう。エルマーは「笑顔のため」という目的の為にには、微塵の迷いもなく手段も選ばない。その行動力が悪人であると…。書いててなんのこっちゃという感じだが、これをなんとなく納得させられるから成田良悟すごいのだ。

     物語は、地方都市で起こった連続殺人事件を発端に、秘密組織やら、都市の抱える闇とか、そういったものが絡み合って進む。
     でもって、あの人も出てくる。
     これはかなり驚愕。
     そして、このあとあの船に乗ることになる面々も…。

     この頃、ヒューイもエルマーも不死者じゃないんだけど、どうやら不死者にはまだまだ謎が、召喚された悪魔によって得たものというだけじゃない、あるみたい。

     一体この先、どのぐらいいったら、そうかそうだったのか、とすっきりするんでしょうかねぇ。
     あんま、遠い未来じゃないことを祈ってますww

     

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著者プロフィール

東京都生まれ埼玉出身の小説家。『デュラララ!!』『バッカーノ!』『Fate/strange Fake』(すべて電撃文庫)などを執筆。小説以外にも『デッドマウント・デスプレイ』(スクウェア・エニックス)などの漫画原作のほか、ゲームシナリオやドラマ原作など多種多様な作品を手掛ける。

「2023年 『シャークロアシリーズ 炬島のパンドラシャーク〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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