同じモノを売っているのに、儲かっている会社、儲かっていない会社
- クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2011年4月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784844371229
感想・レビュー・書評
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著者は公認会計士。
ドラッカーの「顧客価値」と管理会計における「ROA」という2つの概念を用いて、
様々な企業行動を解説。
オーソドックスです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大崎Lib
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コンサルらしく、明確なストーリー化がされていて、わかりやすい。
・値下げは先に楽して、後で苦労をする方法。値上げは先に頭で汗をかき、後で楽をする方法。
・製品別の分析ではなく、顧客別の分析を行うこと。なぜなら、決定者および本当に意識するべきは自社製品ではなく、顧客なのだから
・顧客維持型マーケティングの意味。買い替え、クロスセリング、アップセリング、価格感度の低下 様々なことにつなげることができる。
・固定費マネジメントはキャパシティマネジメントと等しい。すなわち、いかに稼働をあげていくかということ。
・資本金が大きいほど、一人当たり売上が大きいというのがデータから明らかになっている。ただし、その一方で一人当たり営業コストも大きくなっている。
・一人当たり税引き利益は年収上昇余力にひとしい。
・チャージャブルタイム 顧客に請求可能な時間がどれくらいあるか、これを意識することが重要。いかにこの時間を増やすことが大事。
・人件費前利益という考え方。本当に稼いでいる金額はどの程度なのか、年収などの参考になる部分。 -
メモ
LUIS VITONの原価率35%.
アドボカシーマーケティング
顧客との信頼関係を築くためには、目先の利益にとらわれずに自社の利益にならなくても顧客の都合を優先させよ、という考え方のこと。時に他社製品を紹介することも。
本文では、伊集院光が髙島屋で買い物の際、在庫がなかったため伊勢丹で取り置きをしてもらったという話。 -
本日ご紹介する本は、
儲かっている会社と、儲かっていない会社のちがいを
会計的な観点から考察したものです。
ポイントは
「顧客を見る」
何を作るかは重要ですが、
その前提として顧客が何を望んでいるか
顧客をよく見て「考え」なければ、
いい物を作っても利益は出せません。
そして、製品の価格は顧客が製品に対して認めた
価値の表れです。
コストが高いという理由で価格は高くできません。
「製品と顧客」
会社に利益が生まれる流れは以下です。
資本→仕組み→製品→顧客→売上→利益
何を作るかを決め、人や設備を用意し、
仕組みができれば製品はできます。
顧客にモノが売れれば利益が生まれます。
この2つの流れは自動的です。
ただし、「製品→顧客」のところだけは
自動的にはつながりません。
常に顧客を見ておくことが重要です。
「人の生産性」
利益に影響する項目に人の生産性があります。
「人」がどれだけのアウトプットを
生み出しているかが非常に重要です。
生産性が低いと言うのは、
同じことをするにも時間がかかると言うことです。
いかに、短時間で多くのアウトプットができるような
仕組みや工夫が日々できているかがポイントです。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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価格とは顧客が製品に対して認めた価値の表れ=コストが高いから価格を高くするのではない
目指すべきは1時点の市場シェアではなく、長期にわたる特定顧客内のシェア
キャパシティを削減できないになら、徹底的につかうことを考えるべき
生産性を上げるための方策=高い専門性とスキル
ポスト資本主義における最も重要な経営資源は知識をもった「人」。カネではない
「人」がどれだけのアウトプットを生み出しているかが非常に重要になる
「売り上げを上げろ」「コストをさげろ」=何かを言っているようで、実は何も言っていない
儲かる会社と儲からない会社は、想像を超えるほどスピード感に差がついている
何を指標にするかによって、人の行動、組織の行動はほぼ決まる
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◆目次◆
第1章 儲かるとはどういうことか
第2章 利益の源泉は何か
第3章 顧客にとっての価値とは
第4章 コストは削減すればいいってものじゃない
第5章 稼働率を上げれば利益が増える
第6章 人の生産性を上げる
第7章 最後のカギは行動力
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◆マインドマップ◆
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久しぶりに読んだ良著。会計を財務会計と管理会計に分けて細かく説明。企業にとって必要な企業の仕組みに関して、明記してある。在庫回転率やそう資産回転率、営業費の考え方などがわかる。
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まあまあ
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利益の源泉は、商品ではなく顧客であるということには納得。ただし、商品別利益は管理していても、顧客別利益の管理は出来ていない会社がほとんどというのも事実だろう。固定費はコストダウンというよりも、稼働率を上げることを意図すべきで、それらも含めて生産性を高めるということ。同じ稼働率でも高い生産量を得られるかどうか。ただ、いずれにしても計画が出来ても実行につながらなければ意味はない。全体的に漠然とした内容だが、理解はしやすい書籍だった。
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読みやすいし為になる。エッセンスが散りばめられている感じ。
ただ会計の本と比べると扱っている領域が広いので一つ一つの表記が少ない。
「管理会計がうまくいかない本当の理由」を読んでいなければもっと為になったと思うけれど、あちらと取り上げる事例も共通していたりするので管理会計の本ほどのインパクトはなかった。
本としてはとてもいい本だと思う。