- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845634101
感想・レビュー・書評
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初めて読む小川未明。
”日本のアンデルセン”と呼ばれる童話作家だったとは知らなかったけれど、この「月夜とめがね」を読んでみて得心がいった。
月夜の晩、ひとり編み物をして過ごすお婆さんのもとを訪れたのは、見知らぬめがね売りの男。そして足を傷つけたという美しい女の子。
やわらかな言葉づかいで綴られる不思議な一夜の物語。
読み途中、テーブルに置いたまま席を外していたら、戻った時には長女が読んでいるところだった。漢字も多いし世界観も大人向けの絵本だとばかり思っていたけれど、なんと最後まで読めたとのことで嬉しい。さすが小川未明、日本のアンデルセン。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本のアンデルセン・小川未明の童話に、ほのぼのとしたイラストの色彩が加わって、月のしずくが今にも手のひらに零れ落ちてきそうな温かさを感じます。静かな街はずれに住む こころ優しい老婆の遭遇する夢物語に癒されます。
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幻想的な作品。全部おばあさんの夢なのかも。げみさんの絵がロマンチック。イマジネーションが掻き立てられる。心が透き通っていく。疑問と余韻を感じさせながら。
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乙女のシリーズが好きで子供と一緒に読んでいる。わたしはげみさんの絵の色づかいが好き。『檸檬』『蜜柑』に続き『月夜とめがね』も、担当が、げみさんでうれしいと思う。あと大人の絵本という感じで気に入っている。色彩がノスタルジックで暖色系の夜の色合いに、ホッとしながら同時に悲しみも感じ、そしておさないを思い出す。べっこうの眼鏡のつるっとしてる黄色い輝きが夜に映えて素敵。
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おだやかな、月のいい晩、こんな夜だからおばあさんは素敵な訪問者に出会えたのだろう。
月に照らされる街、眼鏡屋さんの足元の花々、家の前に立って蝶を探しているおばあさん、どのページも綺麗だが私はこのページがいい。
こんなおだやかな月夜に窓辺でぼんやり外を眺めていたい。 -
月夜のきれいな夜。
おばあさんの家に二人の訪問者がやってきた。
げみさんの柔らかくも美しい絵が優しいお話と合っていてとてもきれいだった。 -
穏やかな時間を楽しめる一冊。
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江戸川乱歩、谷崎潤一郎と「乙女の本棚」シリーズを読んできてこれが4冊目の作品だが、今までにないロマンチックなファンタジーでほっこりと癒やされた。ミステリアスで刺激的な作品もいいけれど、その合間に心温まる物語を挟むのは、その魅力がより引き立っていいかもしれない。このシリーズの他の作品と違い、どのページにもイラストがあり、文も短いため、本当に絵本を読んでいるような感じだった。子供と一緒に絵本を色々読んできたが、ここまでうっとりした気分になったことはなかった。流石、小川未明といったところなのだろう。