1年1組 うちのクラスの女子がヤバい (トーチコミックス)

著者 : 衿沢世衣子

• リイド社 (2022年7月29日発売)

作品紹介・あらすじ

不思議な「無用力」を持った女子たちが巻き起こす高校生たちの悲喜こもごもを描いた青春コメディの名作が、新装版で登場！

感想・レビュー・書評

[まっしべさんの感想 · 2022年8月28日]

もうね、雰囲気が大好き。
一風変わった妙ちきりんな青春群像劇。


元々は講談社から全3巻で刊行されていたものを一冊にまとめた合本版。当たり前だが分厚い。
合本版への加筆部分は各話幕間の「無用力者メモ」と巻末の「座席表」。


まず、本作に登場する「思春期性女子突発型多様可塑的無用念力」すなわち「無用力」。少年少女が思春期に差し掛かると発現する事がある各種超能力の事を指す。ある日突然備わり、そのうち消滅してしまう儚い能力。稀に成人後しばらく保有しているケースもある。
と、ここまで聞くとちょっとロマン溢れる設定だなと思うけども、本作が尖っている理由はそれら「無用力」のどれもこれもがヘンテコで、意味不明で、発動条件も限定的で、はっきり言って何の役に立つのかわからないような、まさに「無用」の長物ばかりである事。
能力を活かして世界を救おうとか、そんな大それた事は特にしません。

そんな無用力の保有者率が高い1年1組の教室は毎日賑やかで超楽しそう。学校側で意図して集められた様子があり、少なくとも2年1組にも無用力保有者が多いようだ。クラス替えは無いのかしら。

基本的には一話完結方式で彼ら彼女らのドタバタした日常や人間模様を楽しむ訳だが、当初からミステリアスな存在感を放っていたウィルコさんの謎が明かされる〈1年1組ウィルコさん〉だけは力のスケールが違いすぎて違和感。因果を抜けた理由も’なんだかよく分からないけど出来た！やった！’的な終わり方で、らしいと言えばらしいのだが物足りない。

それ以外の話はいずれもキャラクターが魅力一杯、心情描写も細やかで、隙が無くて、無限に読めるくらい面白くて、見事にハマりました。

特に〈ギッちゃんの目論見〉、〈鱈橋くんの師走と新年〉、〈ミクニさんとおにぎり〉、〈杣川、春宵一刻を知る〉、〈リュウとランタンの灯り〉が好きだな。

中でも、唯ヶ崎・杣川の’クラスの中心からはちょっとズレた位置に居るけど確かな存在感を放つ’ふたりが好き。

座席表で名が明かされた真緩さん、ただのマヌルネコじゃないのか…？無用力なのか、被り物なのか？
謎。


1刷
2022.8.28

[アライさんの感想 · 2022年8月4日]

うげー、やられた。
こんなマンガあったなんて知らんかった。
SFと青春と群像劇が好きなすべての人類に。

[chokusunaさんの感想 · 2022年7月29日]

個人的に、大好きで、借りて全部読んだのにkindleでぜんぶ揃え直して、また何度も読んだシリーズの新装版！全部持ってるしなあ…と思ったけど、各章末に無用力リスト＋座席表＋若干改稿とあり購入。リストと座席表は再読にあたり、これはいいなあというものだった。途中まで自分で無用力リスト作ってた身としてはなおさら。改稿部分は一読解らずだったので今度見比べよう。

[wwwさんの感想 · 2023年12月11日]

笑いあり涙あり
めちゃめちゃいい！！！

[傘籤さんの感想 · 2023年1月3日]

感想と評価は『2年1組 うちのクラスの女子がヤバい』にまとめてます。

[風みどりさんの感想 · 2022年9月24日]

面白かった。また最近、少女まんがが才能溢れてきたなぁ。
でもオイラの読解力低いから、よく意味がわからない話もあった。再読が必要。

[あゆこずさんの感想 · 2022年9月10日]

周りの評判がとても良くて、確かに良いですこれは。再刊行ぐっじょぶ。

著者プロフィール

1978年10月13日、東京生まれ。高校卒業後、ロンドン芸術大学キャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツに留学。そこで近況などを描いたフリーペーパーを日本の友人に送っていたが、その友人の薦めにより『コミックH』に投稿、2000年「カナの夏」でデビュー。『おかえりピアニカ』『向こう町ガール八景』『シンプル ノット ローファー』『ちづかマップ』『SatoShio』『ツヅキくんと犬部のこと』『新月を左に旋回』『うちのクラスの女子がヤバい』など著書多数。

「2018年 『ベランダは難攻不落のラ・フランス』 で使われていた紹介文から引用しています。」